専任媒介で売れない原因と対処法|不動産会社を変更すべき5つのサイン
専任媒介で3ヶ月以上売れないなら、不動産会社の販売活動に問題がある可能性が高いです。「価格が高いから売れない」と言われていても、本当の原因は囲い込み・広告不足・売却力不足など、別のところにあるかもしれません。
「報告がない」「写真が少ない」「他社の広告を全部断っている」「担当者の対応に不信感がある」——こうした状況に心当たりがあるなら、不動産会社の変更を検討すべきタイミングです。
- 不動産会社を変更すべき「5つの危険サイン」
- 売れない原因を特定する「6つの視点」
- 担当者変更・期間満了・途中解除、3つの選択肢の違い
- 次の会社選びで同じ失敗を繰り返さないためのポイント
不動産仲介歴20年超の宅建マイスター、ゆめ部長が解説します。
※本記事は2026年4月の最新情報に対応しています。
不動産会社を変更すべき5つの危険サイン
【 このセクションのポイント 】
以下の5つのサインに1つでも当てはまれば、不動産会社の変更を検討すべきです。放置すると「干す→値こなし→業者買取」のパターンにハマるリスクがあります。
【 ゆめ部長の体験 】
ゆめ部長が他社から売却を引き継いだとき、まず販売状況を確認します。
ある物件では、スーモに掲載された写真の質がひどい状態でした。三方角部屋で眺望も良いのに、その魅力がまったく伝わらない写真。内覧は3ヶ月でわずか2件。さらにレインズの販売図面は、値下げした後も旧価格のまま放置されていました。
写真を撮り直し、360°VR・動画を制作し、販売図面も作り直して再スタートしたところ、毎週内覧が入るようになり、45日で満額成約。問題は価格ではなく、販売活動の質だったのです。
以下の5つのサインに当てはまっていないか、チェックしてみてください。

①売れない原因を具体的に説明してくれない
「高いから売れない」「時期が悪い」——担当者からこんな説明しかもらえていないなら要注意です。
プロの不動産会社であれば、売れない原因を具体的に分析できます。「近隣の競合物件と比較して○○万円高い」「このエリアの成約事例は過去3ヶ月で○件しかない」「ポータルサイトの閲覧数が○件で、平均より低い」——このような根拠を示せるはずです。
具体的な分析がなく、提案もない状態が続いているなら、その担当者には売る気がないか、売る能力がないかのどちらかです。
②他社からの広告依頼を全てNGにしている
他社の不動産会社から「御社の物件を広告させてほしい」と依頼が来ているはずです。この依頼を全て断っているなら、囲い込みの可能性が高いです。
囲い込みをされると、買主さまの目に触れる機会が激減します。結果として売却期間が長引き、最終的には「値下げしましょう」「業者に買い取ってもらいましょう」と誘導されるパターンに陥ります。
報告がない・レインズに登録されていない・購入申込を隠されている——こうした状況で不安を感じているなら、囲い込みの手口と対策をまとめた「囲い込み手口30選|見破り方と対策」もあわせてご確認ください。
③ポータルサイトの写真がない・少ない
スーモやホームズに掲載されている物件情報を確認してみてください。
- 間取図と外観写真1枚だけ → やる気ゼロ
- 空室なのに室内写真がない → 論外
- 曇りの日にスマホで撮影した暗い写真 → プロ意識の欠如
- 夜に電気をつけて撮影した写真 → 論外
ゆめ部長はこれまで10万枚以上の不動産写真を撮影してきました。写真の質は、内覧数に直結します。「写真くらい」と軽視している不動産会社は、売主さまの資産を軽視しているのと同じです。
④販売資料を準備していない
マンションの売却であれば、分譲時パンフレット・図面集・管理規約・長期修繕計画・重要事項調査報告書などの資料が必要です。これらの資料を、買主さまからの問い合わせがあったときにすぐ提供できる状態になっていますか?
担当者に「お客さまにどんな資料を提供する予定ですか?」と聞いてみてください。答えられないなら、レベルが低いと判断してよいでしょう。
興味を持ってくれた買主さまには、すぐに情報を提供して購入意欲を高めるべきです。「鉄は熱いうちに打て」——このスピード感がない不動産会社では、高値成約は難しいです。
⑤媒介報告がない(報告義務違反)・内容が薄い
専任媒介契約を締結した不動産会社には、2週間に1回以上の報告義務があります。これは宅建業法で定められた義務です。
報告がそもそもない場合は、報告義務違反(宅建業法違反)です。報告があっても「変化なし」「引き続き販売活動を継続します」だけの内容なら、仕事をしていないのと同じです。
ゆめ部長が売主さまから相談を受けるケースでは、「媒介契約書」「レインズ登録証明書」をもらっていない、専任媒介なのに「媒介報告書」もない——こんな状態の方が少なくありません。これは違反ばかりの状態です。次の更新は断るべきでしょう。
売れない原因は6つに分類できる
【 このセクションのポイント 】
5つの危険サインに当てはまったとしても、すぐに不動産会社を変更するのではなく、まず売れない原因を特定することが重要です。原因を特定せずに変更しても、同じ結果になるリスクがあります。
不動産が売却できない原因は、大きく6つの視点で分析できます。

①囲い込みリスク
レインズに登録されているか、取引状況は「公開中」になっているか、他社への広告転載が「不可」になっていないか——これらは売主さま自身では確認が難しいポイントです。レインズの画面を直接確認するには、不動産会社に依頼するか、第三者に調査を依頼する必要があります。
②販売経費・広告活動の質
スーモ等のポータルサイトへの掲載状況、写真・動画・360°VRの有無、販売図面の質、SNSやチラシの活用状況など、広告活動にどれだけ経費と労力をかけているかを確認します。
③売却力(担当者の仕事の質)
写真・動画の質、販売図面のアピール力、査定書の精度、媒介報告書の内容、提案・アドバイスの有無、報告・連絡・相談の頻度——担当者の仕事を項目ごとに評価します。
④価格の妥当性
査定価格が適正かどうかは、近隣の成約事例・現在の売り出し物件・市場動向を踏まえて判断する必要があります。「高いから売れない」と言われたとき、それが本当かどうかを客観的に検証します。
⑤売却時期
不動産市場には繁忙期(1〜3月、9〜11月)と閑散期があります。売却活動の期間、直近の成約件数、1〜3年前との比較など、時期の影響を確認します。
⑥需要(物件の条件と競合)
物件のプラス要因とマイナス要因、ライバル物件の成約期間から推定される成約までの期間など、そもそもの需要を確認します。需要が弱いエリア・物件タイプであれば、不動産会社を変えても状況は変わりません。
この6つの視点のうち、売主さまが自分で確認できるものは限られています。特に①囲い込みリスクの確認にはレインズへのアクセスが必要ですし、④価格の妥当性や⑥需要の分析には成約事例データと市場データの読み解きが必要です。
原因を客観的に特定したいなら、第三者の視点で販売状況を診断してもらうことをおすすめします。
▼ 売れない原因を特定したい方へ
真っ直ぐ不動産の「セカンドオピニオン」では、上記6つの視点で現在の販売状況を客観的に診断し、売却できなかった原因を特定します。囲い込みの有無、販売活動の質、価格の妥当性、需要の分析まで——現状を把握した上で、次の行動を一緒に考えます。
売れないときの3つの選択肢
【 このセクションのポイント 】
選択肢は3つあります。担当者変更・期間満了を待って他社に依頼・途中解除。それぞれのメリット・デメリットを理解して、状況に応じて選んでください。

①担当者を変更してもらう
会社自体には問題がなく、担当者に不満がある場合は、担当者変更を依頼する方法があります。
担当者変更はどこの会社でも対応可能です。他社に行かれてしまうくらいなら、会社としては担当者を変更した方がマシだからです。
変更を依頼するときは、具体的な不満点を伝えてください。「報告がない」「提案がない」「対応が遅い」など、理由を明確にすることで、次の担当者も同じ問題を繰り返さないようになります。
変更後に元の担当者から逆恨みされて嫌がらせを受けるようなら、新しい担当者か上司に相談してください。大きな会社なら「お客様相談室」など、営業マンとは別の部署に相談するのも有効です。
②媒介契約の期間満了を待つ
最も無難な方法は、媒介契約の期間満了を待つことです。
専任媒介契約・専属専任媒介契約の有効期間は最長3ヶ月です。期間満了後、更新書類を返送しなければ、媒介契約は自動的に終了します(自動更新は認められていません)。
この方法のメリットは、トラブルになりにくいことです。「期間が満了したので終了します」と言えば、相手も受け入れざるを得ません。
期間満了後は、レインズから物件情報が削除されていること、スーモなどのポータルサイトから掲載が削除されていることを必ず確認してください。削除されていないと、集客用に便利に使われてしまう可能性があります。Google検索で物件名を検索して、掲載が残っていないかチェックしましょう。
③途中解除する
期間満了を待たずに契約を終了したい場合は、途中解除という方法があります。
不動産会社に落ち度がある場合(報告義務違反・レインズ未登録・囲い込みなど)は、費用を請求されることなく解除できるケースがほとんどです。一方、不動産会社に落ち度がない場合は、履行費用(交通費・調査費用など)を請求される可能性があります。
今の不動産会社の対応に不満があり、媒介契約を解除したいと考えているなら、費用請求のルールと具体的な進め方を解説した「媒介契約を解除したい|違約金の正体と引き止めの断り方」をご確認ください。
次の会社選びで同じ失敗を繰り返さないために
【 このセクションのポイント 】
不動産会社を変更しても、選び方を間違えれば同じ失敗を繰り返します。「熱意」や「誠実さ」ではなく、売却の仕組みで選ぶことが重要です。
「熱意」や「誠実さ」ではなく売却の仕組みで選ぶ
【 ゆめ部長の体験 】
他社から売却を引き継ぐとき、売主さまからよく聞く話があります。
「査定のときは『必ず高く売ります!』って熱心だったのに、契約した途端に連絡が減って…」「3ヶ月経ったら『高いから売れない』って値下げを迫られた」「最初の勢いはどこに行ったんだろう…」何度も同じ話を聞いてきました。媒介契約を取るまでは必死で、取った後はテンションが下がる。残念ながら、これは珍しい話ではありません。
熱意は売却活動の質を保証しません。「やる気だけじゃあ売れない」のです。
そしてもう一つ、意外と大きな落とし穴があります。「誠実さ」だけで選ぶことです。
マジメに見える、丁寧に対応してくれる、人柄が良い——しかし、知識・経験・アイディアがなければ、売主さまの不動産を高く売ることはできません。誠実さを売りにしながら結果を出せないのであれば、それは本当の意味で誠実とは言えません。売主さまの利益にコミットできない担当者は、売主さまのために努力しているとは言えないからです。
重要なのは「囲い込みができない仕組み」を持っている会社を選ぶことです。「囲い込みしません」は意志の表明にすぎません。「囲い込みができない」は仕組みの設計です。この違いを理解してください。
チェックすべき5つのポイント
次の会社選びでは、以下の5つのポイントをチェックしてください。

①不動産売却メソッドがある
「高く売ります」だけでなく、具体的な販売戦略を説明できるかどうか。写真撮影の方法、広告の出し方、内覧時の対応など、体系化されたメソッドがある会社を選びましょう。
②高値成約実績がある
「成約実績○件」ではなく、「相場より高く売れた実績」があるかどうか。具体的な事例を聞いてみてください。
③宅建士であること
担当者が宅地建物取引士の資格を持っているかどうか。新卒で未取得は仕方ないかもしれませんが、それ以外は努力していないだけです。資格すら持っていない人に、高額な資産の売却を任せるのは心配です。
④売買仲介の経験が5年以上
賃貸メインの会社、売買経験が浅い担当者では、高値成約は難しいです。売買仲介の実務経験が5年以上ある担当者を選びましょう。
⑤対応が迅速で丁寧
メール・LINE・電話・Web面談などで、対応のスピードと質を確認してください。レスポンスが遅い、質問に的確に答えられない担当者は、売却活動でも同じことが起きます。
▼ 囲い込みが絶対に嫌な方へ
真っ直ぐ不動産の「オープン売却プラン」は、100%片手仲介で構造的に囲い込みができない仕組みです。透明性を最優先したい方におすすめです。
▼ 信頼できるプロに任せたい方へ
真っ直ぐ不動産の「真っ直ぐ売却プラン」は、ノルマなし・売主ファーストを貫くフルサポートプランです。難物件でも対応可能。妥協しない最高の売却を求める方に。
よくある質問(FAQ)
不動産会社に落ち度がある場合は請求されません。
レインズ未登録、媒介報告がない、囲い込みをしている——これらは不動産会社側の違反です。違反がある場合は、途中解除しても違約金を請求されることはありません。詳しくは「媒介契約を解除する方法|費用請求される3つのケースと回避策を解説」をご覧ください。
通常はありません。
ただし、レインズからの削除、ポータルサイトからの削除を確認してください。削除されたことを証明する書類をもらっておくと安心です。万が一、嫌がらせがあった場合は、都庁に相談しましょう。
大丈夫です。大手だから売れるわけではありません。
重要なのは担当者の質と会社の仕組みです。中小でも、高値成約実績があり、囲い込みをしない仕組みを持っている会社であれば、大手より良い結果が出ることも多いです。
言い訳の可能性があります。
売れない原因は価格だけではありません。囲い込み・広告不足・売却力不足・時期・需要の6つの視点で原因を特定する必要があります。本当に価格の問題なのか、販売活動の問題なのかを客観的に判断するには、第三者のセカンドオピニオンを受けることをおすすめします。
3ヶ月が一つの目安です。
専任媒介契約の有効期間が最長3ヶ月であることからも、3ヶ月で結果が出なければ、販売活動を見直すタイミングと考えてよいでしょう。ただし、価格設定や市場環境によっては、3ヶ月以上かかることもあります。
まとめ
- 5つの危険サインに当てはまれば、不動産会社の変更を検討すべき
- 売れない原因は6つの視点で分析できるが、自分では判断が難しいものが多い
- 次の会社選びは「熱意」や「誠実さ」ではなく「売却の仕組み」で選ぶ
次の3ステップ:
- 5つの危険サインに当てはまるかチェックする
- セカンドオピニオンで売れない原因を6つの視点から特定する
- 原因に応じて、担当者変更・期間満了・途中解除を選ぶ
媒介契約の基礎知識を確認したい方は「媒介契約とは?3種類の違いと締結の流れ|売却のプロが解説」もあわせてご覧ください。
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