媒介契約とは?3種類の違いと締結の流れ|売却のプロが解説
媒介契約とは、不動産を売却する際に売主と不動産会社が結ぶ「売却サポートの約束」です。専属専任・専任・一般の3種類があり、契約のルールを知らないと、囲い込みや報告義務違反に気づけないまま売却が進んでしまいます。
- 媒介契約とは、売主と不動産会社が結ぶ「売却サポートの約束」です
- 専属専任・専任・一般の3種類があり、それぞれ拘束力と義務が異なります
- 契約期間は最長3ヶ月、自動更新は認められません
- 不動産会社にはレインズ登録・報告義務があり、違反は都庁に相談できます
- 媒介契約後に届く「他社からの勧誘」は、安易に乗ると違約金リスクがあります
実は、媒介契約の仕組みを知らないまま契約すると、不動産会社の言いなりになってしまうリスクがあります。「なぜ報告がないのか」「本当にレインズに登録されているのか」——こうした疑問を持てなければ、囲い込みに気づくこともできません。
不動産仲介20年超の宅建マイスター、ゆめ部長が解説します。この記事では都庁に直接確認した一次情報も含め、媒介契約の基本から実務的な注意点まで網羅的にお伝えします。
※本記事は2026年4月の最新情報に対応しています。
媒介契約書をちゃんと読まずに損をした売主さま
以前、他社で売却中だった売主さまから相談を受けたことがあります。「半年間、1件も内覧がないんです」とのこと。話を聞くと、媒介業務報告書を一度も受け取っていませんでした。レインズの登録確認方法も知らなかった。調べてみると、レインズには「商談中」と虚偽のステータスが入力されていたのです。媒介契約のルールを知っていれば、もっと早く気づけたはずでした。
この記事を読み終えれば、不動産会社と対等に話せるようになります。媒介契約の基本を押さえて、納得のいく売却を実現してください。
媒介契約とは
媒介契約(ばいかいけいやく)とは、不動産を売却する際に売主と不動産会社が結ぶ契約です。「この物件の売却をお願いします」「承知しました、お手伝いします」という約束を書面にしたものと考えてください。

【 このセクションのポイント 】
媒介契約は売主と不動産会社の「売却サポートの約束」です。不動産会社は媒介契約を結ばないと仲介手数料を請求できないため、双方にとって重要な契約となります。
売主と不動産会社の約束事
媒介契約書には、売却活動に関するルールが細かく定められています。
具体的には、売却を依頼する物件の情報、売り出し価格、契約期間、仲介手数料の金額、不動産会社の義務などが記載されます。口約束ではなく書面で取り交わすことで、「言った言わない」のトラブルを防ぐ役割があります。
媒介契約書を受け取ったら、最低限チェックしてほしいポイントがあります。
- 契約期間が3ヶ月以内になっているか
- 仲介手数料が法定上限を超えていないか
- レインズへの登録義務が明記されているか
この3点は必ず確認してください。
加えて、次の2点も確認をおすすめします。1つ目は約定報酬の受領の時期です。「売買契約時に半金、残代金決済時に半金」としている会社が多いですが、残代金決済時の一括払いに対応している会社もあります。2つ目は囲い込みについてです。「囲い込みはしません」と口頭で約束してくれる会社もありますが、本当にやらないのであれば、媒介契約書の特約欄に「囲い込みは一切行わない」と明記してもらってください。書面に残すことで、万が一のときの証拠になります。
なお、媒介契約書は国土交通省が定めた「標準媒介契約約款」に基づく書式を使用するのが一般的です。契約書の上部に「標準媒介契約約款に基づく媒介契約書」という記載があるか、必ず確認してください。大手はほぼ標準約款を使っていますが、フランチャイズ系や小規模な不動産会社では独自の契約書を使っているケースがあります。独自の契約書には売主さまに不利な条項が含まれている可能性があるため、標準媒介契約約款に基づく契約書を使う会社を選ぶことをおすすめします。

参考として、標準媒介契約約款に基づく媒介契約書の全文を掲載します。
媒介と仲介の違い
「媒介」と「仲介」は、実務上ほぼ同じ意味で使われます。
法律用語としては「媒介」が正式な表現です。宅地建物取引業法(宅建業法)では「媒介契約」と規定されています。一方、「仲介」は一般的な日常用語として広く使われています。
不動産会社を「仲介会社」と呼んだり、手数料を「仲介手数料」と呼んだりするのはこのためです。どちらも「売主と買主の間に立って取引をまとめる」という意味では同じですので、混乱する必要はありません。
なぜ媒介契約が必要なのか
媒介契約は、売主さまを守るための仕組みです。
不動産会社は、媒介契約を結ばないと仲介手数料を請求できません。これは宅建業法で定められたルールです。逆に言えば、媒介契約を結んでいない段階で「手数料を払ってください」と言われたら、それは違法行為となります。
また、媒介契約を結ぶことで、不動産会社には様々な義務が発生します。レインズ(不動産会社専用の物件情報ネットワーク)への登録義務、定期的な報告義務などです。これらの義務があるからこそ、売主さまは売却活動の進捗を把握できるのです。
媒介契約の種類と違い【比較表】
媒介契約には3つの種類があります。それぞれの特徴を比較表で確認してください。
【 このセクションのポイント 】
専属専任・専任・一般の3種類があり、拘束力は「一般(弱)→専任→専属専任(強)」の順です。売主の拘束力が高まる分、不動産会社の義務も重くなります。

| 項目 | 専属専任媒介 | 専任媒介 | 一般媒介 |
|---|---|---|---|
| 複数社への依頼 | ✕ 不可 | ✕ 不可 | ○ 可能 |
| 自己発見取引 | ✕ 不可 | ○ 可能 | ○ 可能 |
| 契約期間 | 3ヶ月以内 | 3ヶ月以内 | 規定なし(標準約款では3ヶ月以内) |
| レインズ登録 | 5営業日以内 | 7営業日以内 | 義務なし |
| 報告義務 | 1週間に1回以上 | 2週間に1回以上 | 義務なし |
「自己発見取引」とは 、売主さまが自分で買主を見つけて直接取引することです。たとえば、親戚や知人に売却するケースが該当します。専属専任媒介では、自分で買主を見つけた場合でも不動産会社を通さなければならず、仲介手数料が発生します。
どれを選ぶべきか迷ったら 、専任媒介をおすすめします。実際、東日本レインズの2025年度データでは、媒介登録全体の約57%が専任媒介で、最も選ばれている契約形態です(出典:(公財)東日本不動産流通機構「レインズシステム利用実績報告書(2025年度)」)。1社に任せることで不動産会社の責任感が増し、かつ自己発見取引も可能という、バランスの取れた契約形態だからです。ただし、囲い込みのリスクを完全に排除したい場合は別の選択肢もあります。
詳しい選び方は「専任媒介と専属専任の違い|不動産会社が言わない本音と選び方」で解説しています。一般媒介のリスクを知りたい方は「一般媒介で囲い込みは防げない|6つのデメリットを全力で解説」もあわせてお読みください。
媒介契約の締結方法
媒介契約は原則として対面で取り交わします。ただし、共有名義や遠隔地の場合は郵送でも締結可能です。
【 このセクションのポイント 】
基本は面談での取り交わしですが、郵送での締結も認められています。共有物件の場合は、代表者1名に委任状を集約する方法がスムーズです。
基本の流れ
媒介契約の締結は、通常、査定後の面談時に行われます。
- 査定依頼 :不動産会社に物件の査定を依頼する
- 査定報告 :査定金額と根拠の説明を受ける
- 媒介契約の説明 :3種類の契約形態について説明を受ける
- 契約形態の選択 :専属専任・専任・一般から選ぶ
- 媒介契約書への署名・捺印 :内容を確認して署名・捺印する
- 書類の受け取り :媒介契約書の控えを受け取る
重要なのは、不動産会社から3種類の媒介契約についてしっかり説明を受けることです。説明が曖昧だったり、特定の契約形態を強引に勧めてきたりする会社は要注意です。
権利者が複数(共有物件)の場合
共有名義の不動産を売却する場合、原則として全員の署名・捺印が必要です。
相続で取得した不動産などでは、権利者が全国各地に散らばっていることも珍しくありません。北海道・東京・沖縄と3名の共有者がいる場合、それぞれと郵送でやり取りすると、いつが契約締結日なのか曖昧になってしまいます。
おすすめは、代表者1名を決めて、他の共有者から売却に関する委任状を取得する方法です。委任を受けた代表者が媒介契約書に署名・捺印すれば、手続きがスムーズに進みます。
遠隔地のため郵送で締結する場合
売主さまが遠方に住んでいる場合、郵送での媒介契約締結も可能です。
民法では、隔地者間の契約は「到達主義」が原則です。つまり、売主さまが署名・捺印した媒介契約書が不動産会社に届いた時点で契約が成立します。
ゆめ部長は郵送で締結する場合、媒介契約書の特約に次のような文言を入れています。
「売主さまが署名捺印した媒介契約書が当社に到着した時点で媒介契約が有効に成立したものとし、当社で日付を記入した後、媒介契約書の原本1通を再度郵送いたします。」
このように特約で明記しておくことで、「いつ契約が成立したのか」をめぐるトラブルを防ぐことができます。
媒介契約書はいつから有効か【都庁確認済み】
媒介契約締結日は「媒介契約締結の意思の合致があった日」です。書類の交付日や署名日ではありません。
【 このセクションのポイント 】
国土交通省のガイドラインによると、売主さまが「契約した」と認識した時点が締結日となります。この解釈は都庁(東京都都市整備局)にも確認済みです。
国土交通省が定めた「宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方」には、次のように記載されています。
「媒介契約締結の意思の合致があった日が媒介契約締結日であって、媒介契約書の交付日でないことに留意する必要がある。」
これは少しわかりにくい表現です。ゆめ部長も疑問に思い、都庁(東京都都市整備局・住宅政策本部・不動産業課)に直接確認しました。
ゆめ部長が都庁で確認したところ、担当者からこう説明を受けました。「大事なのは『売主さまが媒介契約を締結したと思っているか?』です。売主さまと不動産会社がトラブルになった場合、売主さまの認識を重視して判断します」。
つまり、不動産会社が「まだ正式に依頼を受けていない」と主張しても、売主さまが「契約した」と認識していれば、その時点が締結日となります。
なぜこの解釈が重要なのか ——それは、レインズ登録義務の起算日に関わるからです。
専属専任媒介は「締結の翌日から5営業日以内」、専任媒介は「7営業日以内」にレインズへ登録しなければなりません。もし不動産会社が契約締結日をずらして、レインズ登録を遅らせようとしたら、それは囲い込みの兆候です。
売主さまが「お願いします」と伝え、不動産会社が「承知しました」と応じた日——その日が契約締結日だと覚えておいてください。
媒介契約の期間
媒介契約の有効期間は、専属専任・専任が「3ヶ月以内」です。一般媒介には法律上の上限規定はありませんが、標準約款では3ヶ月以内と定められています。
【 このセクションのポイント 】
どの契約形態でも3ヶ月を目安に設定されます。3ヶ月を超える期間で契約しても、自動的に3ヶ月に短縮されます。自動更新は認められません。
3ヶ月上限のルール
宅建業法では、専属専任媒介契約・専任媒介契約の有効期間を「3ヶ月以内」と定めています。
仮に「6ヶ月間」で契約したとしても、法律によって3ヶ月に短縮されます。これは売主さまを守るための規定です。不動産会社の対応に不満があれば、3ヶ月後に別の会社へ変更できる仕組みになっています。
一般媒介契約には法律上の期間制限がありません。ただし、標準媒介契約約款では「3ヶ月を超えない範囲」と定められているため、実務上は3ヶ月で設定されることがほとんどです。
更新の手続き
媒介契約の更新は、売主さまが文書で申し出ることで行います。
多くの場合、契約満了が近づくと不動産会社から更新書類が送られてきます。内容を確認して署名・捺印すれば、同一条件で更新されます。
なお、売り出し価格を変更したい場合は、更新のタイミングで不動産会社と協議してください。不動産会社が価格変更に同意しない場合は、理由の説明を求める権利があります。
自動更新は認められない
媒介契約の自動更新は認められていません。
「売主さまから更新拒否の連絡がなければ自動更新する」という条項は無効です。更新には必ず売主さまの意思表示(文書による申し出)が必要となります。
もし不動産会社から「自動更新されます」と言われたら、それは宅建業法に違反しています。はっきりと「更新しません」と伝えて、他の会社を検討してください。
不動産会社の義務
媒介契約を締結すると、不動産会社には法律で定められた義務が発生します。売主さまはこれらの義務を理解して、不動産会社がルールを守っているかチェックしてください。
【 このセクションのポイント 】
レインズ登録・報告義務・購入申込の報告義務の3つが重要です。義務を果たさない会社には、都庁への相談という対抗手段があります。
【 不動産会社の義務一覧 】
| 義務 | 専属専任 | 専任 | 一般 |
|---|---|---|---|
| レインズ登録 | 5営業日以内 | 7営業日以内 | 義務なし |
| 報告義務 | 週1回以上 | 2週間に1回以上 | 義務なし |
| 購入申込の報告 | 必須 | 必須 | 必須 |
レインズ登録義務と期限
| 契約形態 | レインズ登録期限 |
|---|---|
| 専属専任媒介 | 契約締結の翌日から5営業日以内 |
| 専任媒介 | 契約締結の翌日から7営業日以内 |
| 一般媒介 | 登録義務なし |
→ レインズの仕組み・登録証明書の確認方法は レインズ(REINS)とは?売主が知るべき仕組みと囲い込みとの関係 で詳しく解説しています。
報告義務
専属専任媒介・専任媒介では、不動産会社に定期的な報告義務があります。
| 契約形態 | 報告頻度 | 報告方法 |
|---|---|---|
| 専属専任媒介 | 1週間に1回以上 | 文書またはメール |
| 専任媒介 | 2週間に1回以上 | 文書またはメール |
| 一般媒介 | 義務なし | — |
報告内容としては、他社からの問い合わせ数、内覧件数、ポータルサイトでの閲覧数、周辺相場の動向などが一般的です。ゆめ部長は「媒介業務報告書」を作成し、これらのデータを売主さまに共有しています。
報告がないまま放置されているなら、それは宅建業法違反です。「報告義務を果たしてください」と明確に伝えてください。
購入申込の報告義務(囲い込み防止)
不動産会社は、購入申込(買付証明書)を受け取ったら、すぐに売主さまへ報告しなければなりません。
この義務が定められている理由は、囲い込み(物件の隠蔽、両手仲介狙いの営業妨害)を防ぐためです。
ゆめ部長が相談を受けた売主さまの話です。半年間、まったく反応がないと言われていました。ところが、別のルートで調べてみると、他社から3件の購入申込が入っていたことがわかりました。すべて担当者が「商談中です」と断っていたのです。売主さまには一切報告がありませんでした。これが囲い込みの実態です。
購入申込があったのに報告がない——これは媒介契約違反であり、売主さまへの背信行為です。「他社からの問い合わせはありましたか?」「購入申込は入っていませんか?」と定期的に確認することをおすすめします。
義務を果たさない会社への対処法
レインズに登録しない、報告をしない、購入申込を隠す——こうした不動産会社には、都庁(東京都の場合)への相談という対抗手段があります。
【 相談窓口 】
- 担当部署:東京都都市整備局・住宅政策本部・不動産業課
- 直通電話:03-5320-5072
- 相談窓口:新宿区西新宿2-8-1 都庁第2本庁舎3階北側
- 受付時間:都庁開庁日 9:00〜11:00、13:00〜16:00
不動産会社は「届出制」ではなく「免許制」です。免許権者(都知事)から指導を受けることは、不動産会社にとって大きなプレッシャーになります。
ただし、都庁に相談しても、すぐに状況が改善するとは限りません。報告がない・レインズに登録されていない・購入申込を隠されている——こうした状況で「今の会社に任せていて大丈夫なのか」と不安を感じているなら、セカンドオピニオンで売れない原因を特定する方法があります。真っ直ぐ不動産のセカンドオピニオンサービスでは、販売活動の問題点を第三者の視点からお伝えします。
専任媒介で3ヶ月以上売れない、担当者の対応に不信感がある——そんな状況なら「専任媒介で売れない原因と対処法」で、会社を変更すべき5つのサインを確認してください。
仲介手数料の基礎知識
仲介手数料は不動産会社への成功報酬で、売買契約が成立するまで請求されません。上限額の速算式は「成約価格×3%+6万円(税別)」ですが、これは法定上限であり定価ではありません。
支払いタイミングは「売買契約時に半額、引渡時に残額」が一般的ですが、引渡時一括も可能です。媒介契約書の記載を確認してください。
→ 仲介手数料の計算方法・割引プラン・無料のからくりは 仲介手数料の完全ガイド で詳しく解説しています。
媒介契約を締結すると他社から連絡が来る
媒介契約を締結して売却活動が始まると、次のようなことが起こります。事前に知っておけば驚かずに済むので、目を通しておいてください。
・レインズやSUUMOなどを見た他社からDMや手紙が届く
・会社案内と名刺を入れた封筒が切手なしでポストに投函される
・売却物件募集チラシが増える
・営業マンが直接訪問してくることもある
・直筆の手紙で「弊社にお客様がいます!」とアピールしてくる営業マンも現れる
・一括査定で断った会社から営業電話が続く
「あなたの物件を買いたいお客様がいます」という内容がほとんどですが、安易に信じてはいけません。
【 このセクションのポイント 】
他社からの勧誘は日常茶飯事です。「お客様がいます」の大半は営業トークであり、誘いに乗ると違約金リスクがあります。1度目は放置、しつこければ都庁に相談してください。
DM・手紙・訪問の正体
「あなたの物件を買いたい方がいます」——このような手紙やDMが届いても、まず疑ってください。
ゆめ部長が担当した売主さまには、売却開始から2週間で5通もの手紙が届きました。すべて「購入希望のお客様がいます」という内容でしたが、試しに1社に連絡を取ってみたところ、具体的な買主は存在しませんでした。「今から探します」と言われて終わり——これが実態です。
なぜこんな手紙が届くのか。それは、不動産の登記情報(謄本)が誰でも取得できるからです。
レインズに物件が登録されると、他社はその情報を見て「この物件の所有者は誰か」を調べます。法務局で謄本を取得すれば、所有者の住所と氏名がわかります。そこへ一斉にDMを送っているのです。
つまり、「あなたの物件を買いたい人がいる」のではなく、「あなたから媒介契約を取りたい」だけ。これが手紙の正体です。
一括査定を依頼した会社からの連絡
一括査定サイトを利用した場合、査定を依頼した会社から繰り返し連絡が来ることがあります。
「その後いかがですか」「他社と比較してどうでしたか」——すでに別の会社と媒介契約を結んでいても、営業電話が続くケースは珍しくありません。
これは一括査定サイトのビジネスモデルに起因します。不動産会社は査定依頼1件あたり数千円〜数万円の費用を払っているため、なんとか契約を取ろうと必死になるのです。
しつこい場合は「すでに他社と専任媒介契約を結んでいます。連絡は不要です」と明確に伝えてください。それでも続くようなら、その会社の免許番号を控えて都庁に相談する方法があります。
こんな誘いに乗ってはいけない理由
「今の会社より高く売れますよ」と誘われて、媒介契約期間中に他社へ乗り換える——これは絶対にやってはいけません。
専属専任媒介・専任媒介の契約期間中に他社と契約して売買を成立させると、もとの不動産会社から「約定報酬額に相当する違約金」を請求される可能性があります。これは媒介契約書に明記されているルールです。
たとえば5,000万円の物件なら、違約金は約171万円(税込)にもなります。
また、契約期間中でなくても、もとの不動産会社から紹介された買主と「媒介契約満了後2年以内」に直接契約した場合は、成立に寄与した割合に応じた報酬を請求されることがあります。
業界では、契約期間中の売主を他社が奪う行為を「抜き行為」と呼びます。抜き行為を持ちかけてくる会社は、モラルに問題があると考えてください。
対処法
他社からの勧誘への対処法はシンプルです。 1度目は放置 してください。反応しなければ、それ以上の連絡は来ないことがほとんどです。 しつこく続く場合 は、「専任媒介契約期間中です。これ以上の連絡は業務妨害として都庁に相談します」と伝えてください。それでも止まらなければ、実際に都庁へ相談しましょう。
なお、今の不動産会社の対応に不満があり、媒介契約を解除したいと考えているなら「媒介契約を解除する方法」で、費用請求の有無を3パターンに分けて解説しています。
媒介契約に関するよくある質問(FAQ)
結ばなくても売却自体は可能ですが、不動産会社のサポートを受ける場合は必須です。 個人間売買であれば媒介契約は不要ですが、契約書の作成、重要事項説明、登記手続きなどを自分で行う必要があります。トラブル防止の観点から、不動産会社を通すことをおすすめします。
専任媒介をおすすめします。1社に任せることで不動産会社の責任感が増し、販売活動に注力してもらえます。「囲い込みを防ぐために一般媒介を選ぶ」という考え方もありますが、一般媒介にはレインズ登録義務がなく、複数社に依頼しても全社が囲い込むリスクがあります。詳しくは一般媒介で囲い込みは防げない|6つのデメリットを全力で解説」をお読みください。
解除できます。ただし、条件によっては費用を請求される場合があります。解除の手順と注意点は「媒介契約を解除する方法」で詳しく解説しています。
レインズ登録証明書に記載されたIDとパスワードで確認できます。 不動産会社から登録証明書を受け取り、証明書に記載されたURLにアクセスしてください。物件情報とステータス(公開中・書面による購入申込みあり など)を売主さま自身が確認できます。
まずは担当者に「報告義務を果たしてください」と明確に伝えてください。 それでも改善されない場合は、都庁(東京都の場合:03-5320-5072)に相談する方法があります。報告義務を怠ることは宅建業法違反であり、不動産会社は行政指導の対象となります。
まとめ
- 媒介契約とは、売主と不動産会社が結ぶ「売却サポートの約束」
- 専属専任・専任・一般の3種類があり、拘束力と義務のバランスが異なる
- 契約期間は最長3ヶ月、自動更新は認められません
- 不動産会社にはレインズ登録・報告義務・購入申込の報告義務がある
- 他社からの「買いたい人がいます」は大半が営業トーク、安易に乗らない
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