不動産売却で任せてはいけない担当者の特徴7選|外れ営業マンを見極める3つの視点

不動産売却で任せてはいけない担当者の特徴7選|担当者は反響簿の順番で決まる

不動産会社選びの最後に残る、もっとも大切な問題──それが「担当者」です。

不動産会社と担当者の実力次第で、手残りは数百万円単位で変わります。会社の見極めは別の記事で解説しました。この記事はその後半戦、「人」の話です。査定の説明も、販売戦略も、買主さまとの交渉も、実際に動くのは担当者個人。ここで外れを引くと、どんなに良い会社を選んでも意味がなくなってしまいます。

この記事では、「任せてはいけない担当者(営業マン)」の特徴7選を、実力の裏付け・実績アピール・関係性とトーク、3つの視点で解説します。

なお、面談で信頼できる担当者を見極める「10のチェックリスト」は、会社の選び方の記事で解説しています。この記事は、その前段階──「そもそも任せてはいけない担当者」を先に除外するための記事です。

▶︎ 「不動産売却はどこがいい?不動産会社の選び方5つの基準|大手と中小も比較」で詳しく解説しています。

会社そのものの見極めは、こちらの記事とセットでどうぞ。

▶︎ 「不動産売却で選んではいけない不動産会社の特徴7選|悪徳・実力不足を見抜く3つの視点」で詳しく解説しています。

▼この記事でわかること(結論)
  • 担当者は反響簿の順番で決まる(選べないことが多い)
  • 資格なし・メソッドなし・提案なしは実力不足のサイン
  • 「トップ営業マン」「マンション専属」は名義と中身を確認
  • 知り合いの紹介と「購入希望者がいます」は落とし穴

不動産仲介20年超の宅建マイスター、ゆめ部長が解説します。ゆめ部長は財閥系大手仲介会社から中小の不動産会社まで複数の会社で経験を積み、現在は売却専門の「真っ直ぐ不動産」を運営しています。大手・中小の両方を知るからこそ語れる「外れ営業マンの見極め方」をお伝えします。

※本記事は2026年7月の最新情報に対応しています。

そもそも担当者は選べない?|反響簿と担当者が決まる裏側

本題の前に、業界の裏側をひとつ。実は、不動産会社に問い合わせをすると、営業マンを選べないことが多いんです。

店舗には「反響簿」があります。ネット管理・台帳管理・ホワイトボード管理など形はいろいろですが、問い合わせ(反響)を営業マンに順番に割り振る仕組みという点は同じです。しかも、この順番は固定ではありません。売上が良い営業マンは反響獲得順が上になったり、遅刻や売上なしのペナルティで順番を1回飛ばされたり。そして、この順番には入社したばかりの新人営業マンも普通に入ってきます。つまり、売主さまの担当者は「社内の順番と成績」で決まるのであって、売主さまが選んだ人ではないんです。

さらに最近は、大手仲介ほど担当者の顔写真や経歴をWebに表示しなくなってきています。こうなると担当者は完全に運頼み。やってみて、ダメだったら担当者をチェンジしてもらうしかありません。

一方で、「担当者を選べる会社」もあります。1人1人の担当者をSNS・Blog・Webサイトでブランディングし、顔写真付きで実績・保有資格・仕事への向き合い方まで公開することで、「この人に依頼したい!」と指名できるようにしている会社です。運頼みの反響簿と、顔が見える指名制。どちらが安心か──答えは明らかですよね。この記事の7つの特徴は、その「人選び」の判断基準として使ってください。

視点①|実力の裏付けがない担当者

まずは「実力」の話から。感じは良い、熱意も伝わってくる──それなのに、肝心の実力の裏付けがない担当者の特徴を3つ紹介します。

特徴①|宅建士でない新人営業マン

意外と知られていない事実ですが、不動産の営業マンに宅建士(宅地建物取引士)の資格は必須ではありません。

ここで豆知識をひとつ。よく「不動産の免許」と呼ばれているものは、営業マン個人が持つ「宅建士証」のこと。不動産会社が開業するために必要な「宅建業免許」とは、まったくの別物です。実は、不動産屋さんもみんな混同しています。免許(宅建業免許)は会社に与えられるもので、事務所ごとに5人に1人の割合で宅建士を置けばよいルール。残りの4人は無資格でも営業できる仕組みです。重要事項説明など宅建士にしかできない業務はあるものの、査定・販売活動・条件交渉といった売却の中心業務は、無資格の新人でも担当できてしまいます。

人気エリアの物件なら、宅建士ではない新人が囲い込みをしても売れてしまうでしょう。でも、経験豊富で高く売ってきた実績があり、売却方法のアイディアを持っている営業マンを選べたなら、もっと高く売れたかもしれません。これは誰も疑わないことのはず。それなのに、なぜか、みなさん担当者選びには時間を使わないんです。もったいないと思いませんか?

特徴②|メソッドなし・熱意で売る営業マン

「頑張ります!」「全力で売却します!」──熱意は素晴らしいものです。でも、熱意は方法論ではありません。

不動産売却の結果は、気合ではなく「物件力×(営業力+撮影力+宣伝力)」の掛け算で決まります。どんな写真で物件を魅せるのか、どの媒体でどう宣伝するのか、内覧で何を語るのか。実力のある担当者は、この掛け算を自分の言葉で具体的に語れます。「どうやって売るんですか?」という質問に「一生懸命やります」「ネットに掲載して反響を待ちます」としか答えられないなら、メソッドを持っていない証拠です。

もうひとつ、実力を確かめる確実な方法があります。その担当者が販売サポート中の物件を見てみることです。SUUMOの写真とコメントに引き付けられましたか?販売図面には写真・アピールポイント・物件情報が丁寧に盛り込まれていますか?「あれ?なんか適当だな…」と感じたら、その不安は的中します。売主さまの物件も、同じクオリティで売られることになるからです。

▶︎ この方程式の中身は「不動産売却力の方程式|物件力×(営業力+撮影力+宣伝力)で数百万円の差がつく」で詳しく解説しています。

特徴③|オーダーメイド提案がない担当者

住み替えで売る、相続で売る、住宅ローンの残債がギリギリ、同じマンション内に競合物件が売り出し中──売主さまの事情と物件の個性によって、最適な売却戦略はまったく違うものになります。

オーダーメイド提案とは、たとえばこんな提案です。

  • 高値チャレンジをする期間を定めてくれる
  • 入金期限から逆算した価格設定と、値下げ時期の提案がある
  • 業者買取は最終手段と励ましてくれる
  • 売れなかった時の対策まで事前に考えてくれる
  • リフォームすべきか?を「投資<回収」のコスパで真剣に考えてくれる
  • 物件力を高めるアイディアを出してくれる

この反対が「ベルトコンベアー売却」です。売却依頼を受けたらベルトコンベアーに乗せて、たんたんと定型業務として作業するだけ。誰に対しても同じ説明・同じ販売プラン。査定書の物件コメントが、どの物件にも当てはまる内容(「駅からフラットで住環境良好」等)ばかりなら、そのサインです。ベルトコンベアーに流すだけの売却活動に、高い仲介手数料を払えますか?

視点②|実績アピールの鵜呑みは危険

続いて「実績」の話です。実績そのものは嘘をつきません。でも、実績の”見せ方”は、いくらでも嘘をつけるんです。面談でよく聞く実績アピール2つの裏側を見ていきましょう。

特徴④|自称トップ営業マン

「過去に1000件の取引実績があります」「トップ営業マンの私にお任せください」──こう語る営業マン、けっこう多いんです。ここで確認したいのは、その実績の”名義”と”中身”です。

ちょっと計算してみましょう。1000件ということは、毎年40件成約しても25年かかります。1人の営業マンの数字として、現実的でしょうか?管理職として、部下が扱った物件まで自分の取り扱い件数に入れているのかもしれません。あるいは、営業だけを担当して、物件調査・撮影・販売図面の作成・レインズ登録・ネット掲載・売買契約・引渡し業務は、裏方のスタッフがサポートしてくれているのかもしれません。組織を抜けたとき、その実績は営業マン個人の実力を証明するものなのでしょうか──こういう疑問が残るんです。

「トップ営業マン」も同じです。社内10名の会社で、1年だけ年間トップになったのかもしれない。大手の「トップ」も、契約件数なのか売上金額なのか、営業所単位なのかエリア単位なのか、年間なのか半期なのかもわかりません。大手で「トップ」を名乗るなら、日本全国・年間売上のトップであってほしいところ。自称トップ営業マンが多いのは、基準がいくらでも選べるからなんです。

さらに言えば、本当のトップ営業マンなら安心、とも限りません。説得力のあるトークで言いくるめられるリスクは、むしろ高くなります。そのトークの裏側では、売主さまの利益よりも自分の成績が最優先──トップであり続けることに取りつかれるタイプの営業マンは、意外と多いんですよ。

▶︎ 自称トップ営業マンへの対策は「不動産売却の囲い込み対策30選|6つの視点で売主が動く完全ガイド」の対策20で詳しく解説しています。

特徴⑤|「マンション専属」をアピールする担当者

マンション売却の査定でよく聞くのが、「私はこのマンションの専属担当です」「このマンションで○件の成約実績があります」というアピール。大規模マンションでは、1日中マンションに張り付いているマンション専属担当者を見かけることもあります。いかにも心強く聞こえますが、マンション専属=強い、とは限りません。マンション専属のアピールは、そのマンションの売却情報をいち早く集めるための営業手法として使われることが多いからです。

ゆめ部長の実体験を1つ。買主さまをサポートして、湾岸の大規模マンションを契約したときの話です。この物件の担当者は「マンション専属」を名乗り、共用部の仕様から近隣の道路計画、管理組合の状況、管理人さんの人柄まで、何でも知っていると言い切る頼もしい存在でした。ところが、このお部屋(最上階・南向き)、相場より明らかに安かったんです。「なんでこんなに安いんですか?事情があれば教えてほしいです」と確認したら、真顔で「えっ?高くないですよ。妥当です」との回答。周辺相場の上昇と、道路開通で価値が上がることまで考えれば、安いのは明らかでした。満額で申込を入れて契約し、迎えた残代金決済の当日──売主さまが激怒していました。「なんでこんなに安い金額で売らされたんだ!契約後に知り合いに報告したら、みんな驚いていた!」と。

これは、マンション専属担当の”ハズレ”ケースです。地元密着の会社が、マンションごとに担当者を付けているだけで、特別詳しいわけでも高く売る能力があるわけでもない──そんなケースもあるのです。マンションの中のことに詳しいことと、売主さまの物件を「高く売る能力」は、別物ということですね。

逆に、実力のあるマンション専属担当が、マンション内の相場を守るために”あえて”高値売却を抑え込む構造もあります。この裏側は、同記事の対策19で解説しています。

視点③|関係性・営業トークの落とし穴

最後は「関係性」と「言葉」の話です。実力でも実績でもなく、人間関係や営業トークに流されて担当者が決まってしまう──実は、これがいちばん多い失敗パターンかもしれません。

特徴⑥|知り合い・紹介の営業マン

売却を考えていると知って、親戚・友人・昔なじみの不動産屋さんが声をかけてくる──よくある話です。「知ってる人だから安心」という気持ちはよくわかりますし、知り合いであること自体は悪くありません。危険なのは、「知り合いだから」だけを理由に任せてしまうことです。

知り合いに任せた瞬間、売主さまから2つの武器が消えます。

1つ目は「比較検討」。他社の査定を取ることすら気が引けて、1社だけの話で媒介契約を締結──これでは、査定額や販売プランが妥当なのか、判断する材料がそもそもありません。

2つ目は「本音」。査定額に疑問があっても聞きにくいし、販売活動に不満があっても言いにくい。担当を変えてほしい・契約を解除したいなんて、もっての外…。知り合いだからこそ、ビジネスとして率直な要求ができなくなるんです。

もうひとつ、業界の裏側を。紹介の売却依頼は、営業マンから見ると「自分だけが窓口になれる物件」です。だから、本当は賃貸が専門で売買のことがわかっていなくても、断らずに引き受けてしまう。そして、囲い込みをして両手仲介を狙いたくなってしまうんです。

このとき、営業マンの頭に浮かぶのは「知り合いの紹介だから、高く売らなくちゃ!」ではありません。「これは絶好のチャンス。絶対に稼いでやる!」の方です。

本来なら、高く売った実績もアイディアもない案件は断るべきですし、受けるなら囲い込みを一切せず、レインズをフル活用して他社に買主さまを見つけてもらうべきです。でも、独占できる案件を前にすると、それができなくなる。目の前にニンジンがぶら下がると、倫理観は消し飛ぶんです。お金の魔力を甘く見たらいけません。

そして最悪のケースでは、売却の失敗と一緒に、人間関係まで壊れてしまいます。数千万円の取引です。「知っている人」かどうかではなく、この記事の7つの特徴に当てはまらない「実力のある人」かどうかで選びませんか?

特徴⑦|「購入希望者がいます」で契約を急がせる営業マン

媒介契約を獲得するための営業トークには、”定番”があります。その代表例が「購入希望者がいます」です。

査定の場で「実は、このエリアで物件を探しているお客さまがいるんです」「先日成約した〇〇階のお部屋を買い逃して、すぐにでも買いたいというお客さまから物件紹介を任されています」と言われたら、心が動きますよね。でも、このトークには構造的な問題が2つあります。1つは、その購入希望者が本当に実在するのか、売主さまには確かめる方法がないこと。もう1つは、媒介契約を結んだ途端、その希望者の話が立ち消えになるケースがあまりにも多いことです。

確認できない話で、媒介契約の決断を急がせる──これがこのトークの正体です。考えてみてください。本当に有力な購入希望者がいるなら──その人は、この担当者から紹介されないと物件を見に来ないのでしょうか?自分でSUUMOを見ないのでしょうか?他社の営業マンには物件探しを依頼していないのでしょうか?おそらく、そんなことはないですよね。

▶︎ このトークの見抜き方は「「購入希望者がいます」は嘘?|不動産査定の営業トークを見抜く5つの質問」で詳しく解説しています。

よくある質問

担当者を変えたいときは、どうすればいいですか?

変更できます。
ポイントは、担当者本人ではなく、その上司・店長・会社の窓口に「担当者を変えてほしい」と伝えること。会社側にとって担当変更の申し出は珍しいことではないので、遠慮はいりません。担当を変えても改善しない、会社そのものが信頼できない──そんな場合は、媒介契約の解除という選択肢もあります。▶︎ 解除の手順と引き止めトークの断り方は媒介契約を解除したい|違約金の正体と引き止めの断り方で詳しく解説しています。

担当者から連絡がこない・無視される…これって普通ですか?

普通ではありません。
専任媒介・専属専任媒介には販売状況の定期報告義務があり、専任媒介なら2週間に1回以上、専属専任媒介なら1週間に1回以上の報告が会社の義務です。連絡がこないのは、担当者の対応品質に問題があるサイン。まずはメールなど記録に残る形で販売状況の報告を求め、改善されなければ担当変更を申し出てください(Q1参照)。それでも報告がないなら、宅建業法違反の可能性すらあります。すぐにでも会社の変更を検討するべきです。放置されたまま売れない状態が続いているなら、なおさらです。▶︎ 会社を変更すべきサインは専任媒介で売れない原因と対処法|不動産会社を変更すべき5つのサインで詳しく解説しています。

まとめ|数千万円を任せる”人”の選び方

任せてはいけない担当者の特徴7選、あらためて並べます。

この記事のポイント:
  • 宅建士でない新人営業マン
  • メソッドなし・熱意で売る営業マン
  • オーダーメイド提案がない担当者
  • 自称トップ営業マン
  • 「マンション専属」をアピールする担当者
  • 知り合い・紹介の営業マン
  • 「購入希望者がいます」で契約を急がせる営業マン

7つに共通するのは、「会社の看板」や「感じの良さ」ではなく、数千万円を任せるに足る”中身”があるか、という一点です。

思い出してください──多くの会社では、担当者は反響簿の順番で決まります。この裏側を知った売主さまは、もう運頼みに戻る必要はありません。まず、この7つの特徴で「任せてはいけない人」を除外する。そのうえで、会社の選び方の記事にある10のチェックリストで「信頼できる人」を見極める。この2段構えなら、担当者選びは運ではなく、売主さまの”目”の勝負になります。

真っ直ぐ不動産は、担当者の顔・実績・保有資格・仕事への向き合い方をすべて公開して、売主さまに選んでもらうスタイルです。任せる人と売り方を、自分の目で見て決めたい──そう思えた売主さまは「【かんたん診断】ぴったりの売却プランはどれ?|真っ直ぐ不動産の3つのプランを比較」へ。

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