レインズとは?売主が知るべき登録義務・罰則と囲い込みの関係
「レインズに登録しました」
不動産会社の担当者からこう言われたものの、レインズが何なのかよくわからない…という方は多いのではないでしょうか。
不動産を売却中のあなた。レインズの仕組みを正しく理解していますか?
- レインズとは、不動産会社専用の物件検索システム
- 売主さまにとってのメリットは「情報拡散」→買主さま候補が増える→高値成約の可能性
- 登録義務は専属専任が5営業日以内、専任が7営業日以内、一般は義務なし
- レインズは売主さまの味方だが、悪用されると「囲い込み」の道具になる
実は、レインズは売主さまにとって非常に重要なシステムです。正しく登録されていれば、高値・早期成約の可能性が高まります。
しかし、正しく登録されていなければ…売却機会を大きく損失します。
本記事では、不動産仲介歴20年超・宅建マイスターのゆめ部長が、レインズの基礎知識から囲い込みとの関係まで、売主さまが知っておくべきポイントをわかりやすく解説します。
【 注意事項 】
本記事は2026年2月時点の情報に基づいています。
→ 囲い込みの全体像・基礎知識は不動産売却の囲い込みとは?手口・見破り方・対策を業界20年のプロが完全解説で詳しく解説しています。
レインズ(REINS)とは?
レインズは不動産会社専用の物件検索システムです。売主さまにとっては「情報拡散のスタート地点」であり、高値・早期成約の可能性を高める重要なインフラになります。
不動産会社専用の物件検索システム
レインズ(REINS:Real Estate Information Network System)は、国土交通大臣が指定した「指定流通機構」が運営する不動産情報ネットワークです。
全国に4つの機構(東日本・中部・近畿・西日本)があり、不動産会社だけがアクセスできます。一般の方はSUUMOやアットホームで物件を探しますが、不動産会社はレインズで物件を探します。
売主さまにとってのレインズの意味(情報拡散=買主さま候補が増える)
売主さまにとって、レインズ登録の意味は「情報拡散」です。
レインズに物件が登録されると、全国の不動産会社がその情報を見られるようになります。各社は自社の顧客に物件を紹介し、SUUMOなどのポータルサイトへの広告掲載も進みます。
情報が拡散されれば、検討する買主さまの数が増えます。複数の買主さまが競い合えば、価格交渉で有利になる可能性も高まります。
レインズ登録=情報拡散のスタート地点。これが売主さまにとってのレインズの本質的な意味です。
だからこそ、レインズに「正しく」登録されているかが重要になります。
レインズの仕組み【 図解 】
レインズがどのように機能するか、売却と購入それぞれの流れで説明します。
売却の場合:情報拡散の流れ(STEP1〜4)

STEP.1 媒介契約を締結
売主さまが不動産会社に売却を依頼し、媒介契約(不動産会社に売却を依頼する契約)を結びます。
STEP.2 販売図面を作成・レインズに登録
物件の写真撮影、販売図面の作成を行い、レインズに情報を登録します。販売図面はPDF形式で登録されます。
STEP.3 全国の不動産会社が情報をキャッチ
レインズに登録された情報は、全国の不動産会社がリアルタイムで確認できます。各社は毎日レインズで新着物件をチェックしています。
STEP.4 各社が買主さまを探す
情報を見た不動産会社は、自社の登録顧客に物件を紹介したり、SUUMOなどに広告を掲載したりして、買主さまを探します。
この流れが正常に機能していれば、売主さまの物件は多くの買主さまの目に触れることになります。
購入の場合:物件検索の流れ(簡潔に)
買主さまをサポートする不動産会社は、レインズで希望条件に合う物件を検索します。条件に合いそうな物件をまとめて買主さまに提案できるので、効率的に物件探しが進みます。
最近はSUUMOなどのポータルサイトで買主さま自身が物件を探すケースも増えていますが、レインズには「不動産会社同士の情報共有」という重要な役割があります。
売主さまの視点で大切なのは、この「他社が買主さまを連れてくる」流れが正常に動いているかどうかです。もし他社からの問い合わせや内覧がいつまでも入ってこないなら、レインズ上で囲い込まれているサインかもしれません。自分の物件がレインズでどう見えているかは、レインズを見る方法は?売主が『登録証明書』で囲い込みを見抜く完全ガイドで確認できます。
レインズへの登録義務と期限
レインズへの登録義務は、媒介契約の種類によって異なります。
媒介契約の種類別:登録義務と期限(表)
| 媒介契約の種類 | 登録義務 | 期限 |
|---|---|---|
| 専属専任媒介契約 | あり | 媒介契約締結日の翌日から5営業日以内 |
| 専任媒介契約 | あり | 媒介契約締結日の翌日から7営業日以内 |
| 一般媒介契約 | なし | – |
営業日のカウント方法
登録期限を計算する際、不動産会社の定休日は日数に含みません。また、媒介契約を締結した当日も含みません。
たとえば、火曜・水曜が定休日の不動産会社と日曜日に専属専任媒介契約を結んだ場合:
1日目:月曜日 → 2日目:木曜日 → 3日目:金曜日 → 4日目:土曜日 → 5日目:日曜日
この場合、翌週の日曜日までに登録する必要があります。
なお、「媒介契約締結日」とは、媒介契約書を交付した日ではなく、媒介契約締結の意思の合致があった日です。書類の交付を遅らせてレインズ登録を先延ばしにする手口を防ぐためのルールです。
一般媒介契約の注意点(登録義務なし→囲い込みの温床になりうる)
一般媒介契約はレインズへの登録義務がありません。
レインズの運用規定では「積極的に登録するように」と要請されていますが、実際には登録しない不動産会社も多いです。「一般媒介だからレインズに登録されない」ということは、情報拡散の機会を失っている可能性があります。
さらに問題なのは、一般媒介を悪用した囲い込みです。
レインズへの登録義務がないことを利用して、売主さまにレインズの存在すら説明せず、情報を独占しようとする手口があります。「1社にしか依頼しないのに一般媒介を勧められた」という場合は、要注意です。
一般媒介を選ぶ場合でも、「レインズに登録してください」と依頼することをおすすめします。
登録義務に違反したらどうなる?措置と「見抜きサイン」
専属専任・専任媒介で期限内にレインズ登録をしない、または成約を登録しないのは、媒介契約上の義務違反です。
レインズ(指定流通機構)は会員の不動産会社に対し、規約違反の程度に応じて是正の指導や戒告・利用停止などの措置を取ることがあります。また宅建業法上も、専任媒介の登録義務を怠った会社は、行政による指導や処分の対象になりえます。
ただし、これは売主さまご自身が罰則を科す仕組みではありません。大切なのは、罰則の有無よりも「義務を軽く見る会社かどうか」を見抜くことです。
登録証明書を渡さない、レインズ登録を後回しにする、査定で「未登録の成約事例」を根拠に出してくる——こうした会社は義務を軽視しており、囲い込みにも抵抗が薄い可能性があります。
レインズ登録証明書とは?
登録証明書は、売主さまがレインズの登録状況を確認するための唯一の手段です。
登録証明書の交付義務
レインズに物件を登録すると、「登録証明書」が発行されます。不動産会社は、この登録証明書を売主さまに交付する義務があります。
登録証明書には、売主さま専用のログイン情報(URL・ID・パスワード)が記載されています。このログイン情報を使えば、売主さま自身がレインズにアクセスし、自分の物件情報を確認できます。
登録証明書を受け取っていない場合は、必ず請求してください。
交付を拒否する、あるいは「後で送ります」と言って送ってこない場合、その不動産会社は信頼できません。
売主さまが確認できること・できないこと(概要)
登録証明書のログイン情報を使えば、売主さまも物件の登録状況や取引状況を確認できます。ただし売主さまが見られる画面は、不動産会社が見られる画面より情報が少ないという点に注意が必要です。
たとえば「広告転載区分」(他社が広告を出せるかどうかの設定)は、売主さまの画面からは確認できません。これは囲い込みの手口に悪用されることがあります。
→ 売主さま自身がレインズにログインする手順、画面のどこを見れば囲い込みを見抜けるか、登録証明書をもらえないときの対処はレインズを見る方法は?売主が『登録証明書』で囲い込みを見抜く完全ガイドで詳しく解説しています。
レインズと囲い込みの関係
レインズは売主さまの味方になるシステムです。しかし、悪用されると「囲い込み」の道具になります。
囲い込みとは、不動産会社が両手仲介(売主さま・買主さま両方から手数料をもらう取引形態)を狙い、他社による販売活動を妨害する行為です。根本原因は「二重の利益相反」という構造にあります。囲い込みの全体像・なぜ起きるのかは不動産売却の囲い込みとは?手口・見破り方・対策を業界20年のプロが完全解説で解説しています。
レインズを悪用した囲い込みの手口とサイン
レインズ上で起きる囲い込みは、主に次の4つのサインに表れます。自分の物件がどれかに当てはまっていないか、チェックの目安にしてください。
| パターン | 手口の例 |
|---|---|
| ① レインズ非掲載 | そもそも登録しない/登録しても販売図面を載せない |
| ② ステータス虚偽 | 取引状況を「公開中」以外(申込あり・紹介停止)にする |
| ③ 問い合わせ拒否 | 「商談中です」「売主さまの都合で…」と嘘をつく |
| ④ 広告拒否 | 広告転載区分を「不可」にする |
→ 手口の全カタログと、それぞれの見破り方は囲い込み手口30選|2パターン・4段階で完全網羅で解説しています。
今すぐ確認したい方は囲い込みクイック診断をご利用ください。物件URLを送るだけで、翌営業日に診断結果をお伝えします。
→ 「売れない原因は囲い込みだけじゃないかも」と感じたら囲い込み診断+セカンドオピニオンで「見える化」するをご覧ください。
成約登録と成約事例(補足)
レインズには、販売中の物件情報だけでなく、成約した物件の情報も登録されています。囲い込みとは直接関係しませんが、査定の基礎データになる重要な情報です。
成約登録の義務
物件が成約したら、不動産会社は成約年月日・成約価格をレインズに登録する義務があります。専任媒介・専属専任媒介の場合は義務、一般媒介の場合も「登録に努めること」とされています。
成約事例は査定の根拠になる
成約事例のデータは、不動産会社が査定を行う際の重要な根拠になります。「このマンションの同じ階で、3ヶ月前に〇〇万円で成約している」というデータがあれば、査定の精度が上がります。
成約事例が多ければ多いほど相場を掴みやすく、売主さま・買主さまのどちらも納得のいく取引を実現しやすくなります。
逆に、査定の根拠を曖昧にしたり、レインズに登録されていない成約事例を「相場です」と説明したりする会社には注意が必要です。成約登録という基本の義務すら軽視している会社は、囲い込みにも抵抗が薄い可能性があります。
レインズに関するよくある質問(FAQ)
いいえ、レインズは不動産会社専用のシステムです。一般の方はアクセスできません。ただし、売主さまは「登録証明書」に記載されたログイン情報で、自分の物件情報に限り確認できます。
いいえ、自動的には掲載されません。レインズとSUUMOは別のシステムです。ただし、レインズに登録された情報を見た他社がSUUMOに広告を掲載してくれることはあります。これも情報拡散のメリットの1つです。
依頼すれば登録してもらえます。一般媒介は登録義務がないため、依頼しないと登録されない可能性があります。情報拡散のために、登録を依頼することをおすすめします。
担当者に「登録証明書をください」と依頼してください。専任媒介・専属専任媒介の場合、交付は義務です。依頼しても送ってこない場合は、その会社との取引を見直すべきかもしれません。
いくつかの原因が考えられます。価格が相場より高い、物件の魅力が販売図面で伝わっていない、または囲い込みされている可能性もあります。原因を特定したい場合はセカンドオピニオンで総合的に診断できます。
まとめ
- レインズは不動産会社専用の物件検索システム。売主さまにとっては「情報拡散のスタート地点」
- 登録義務は専属専任が5営業日以内、専任が7営業日以内。一般は義務なし
- 登録証明書は必ず受け取る。売主さまの画面では見られない情報(広告転載区分)もある
- レインズは売主さまの味方だが、悪用されると「囲い込み」の道具になる
- 成約登録は査定の根拠になる重要データ
次の3ステップ
- 登録証明書を受け取る ― 専任・専属専任の場合、交付は不動産会社の義務。受け取っていなければ今すぐ請求する
- レインズで自分の物件を確認する ― 登録証明書のログイン情報でアクセスし、取引状況が「公開中」になっているか確認する
- 問い合わせがない・売れない場合は囲い込み診断を利用する ― 囲い込みクイック診断で物件URLを送るだけ。翌営業日に結果をお伝えする
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