レインズとは?売主が知るべき登録義務・違反の罰則と囲い込みの関係

「レインズ(REINS)とは?仕組み・登録義務・囲い込みとの関係を図解」と解説するゆめ部長キャラクターのアイキャッチ画像。売主が知るべきレインズの全知識と囲い込みリスクを解説した記事。

「レインズに登録しました」

不動産会社の担当者からこう言われたものの、レインズが何なのかよくわからない…という方は多いのではないでしょうか。

無理もありません。レインズは不動産会社専用のシステムで、売主さまが日常で目にする機会はないからです。

でも、これだけは知っておいてください。専任媒介・専属専任媒介では、レインズへの登録は不動産会社の義務です。そして、この義務を軽く扱う行為が、囲い込みの入口として実際に使われています。

▼この記事でわかること(結論)
  • レインズとは、不動産会社専用の物件検索システム
  • 売主さまにとってのメリットは「情報拡散」→買主さま候補が増える→高値成約の可能性
  • 登録義務は専属専任が5営業日以内、専任が7営業日以内、一般は義務なし
  • レインズは売主さまの味方だが、悪用されると「囲い込み」の道具になる

レインズに登録されると、物件情報は全国の不動産会社が見られる状態になり、高値・早期成約の可能性が大きく高まります。

ただし、それは「正しく・早く」登録されていればの話。登録の中身が不十分・登録が遅い…それだけで、買主さま候補に情報が届かないまま売却機会は失われていきます。

勝負を分けるのは、登録の”有無”だけではありません。
“中身”と”タイミング”です。

不動産仲介歴20年超・宅建マイスターのゆめ部長が、レインズの基礎知識から、登録義務と罰則、そして「なぜ囲い込みの道具になるのか」まで、売主さま目線で整理していきます。

【 注意事項 】

本記事は2026年7月時点の情報に基づいています。

→ 囲い込みの全体像・基礎知識は不動産の囲い込みとは?売主が損する手口・見抜き方・対策を業界20年のプロが解説で詳しく解説しています。

レインズ(REINS)とは?

レインズは不動産会社専用の物件検索システムです。売主さまにとっては「情報拡散のスタート地点」であり、高値・早期成約の可能性を高める重要なインフラになります。

不動産会社専用の物件検索システム

レインズ(REINS:Real Estate Information Network System)は、国土交通大臣が指定した「指定流通機構」が運営する不動産情報ネットワークです。

全国に4つの機構(東日本・中部・近畿・西日本)があり、不動産会社だけがアクセスできます。一般の方はSUUMOやアットホームで物件を探しますが、不動産会社はレインズで物件を探します。

売主さまにとってのレインズの意味(情報拡散=買主さま候補が増える)

売主さまにとって、レインズ登録の意味は「情報拡散」です。

レインズに物件が登録されると、全国の不動産会社がその情報を見られるようになります。各社は自社の顧客に物件を紹介し、SUUMOなどのポータルサイトへの広告掲載も進みます。

情報が拡散されれば、検討する買主さまの数が増えます。複数の買主さまが競い合えば、価格交渉で有利になる可能性も高まります。

レインズ登録=情報拡散のスタート地点。これが売主さまにとってのレインズの本質的な意味です。

だからこそ、レインズに「正しく」「早く」登録されているかが重要になります。まずは、レインズが動く仕組みから見ていきましょう。

レインズの仕組み【 図解 】

レインズがどのように機能するか、売却と購入それぞれの流れで説明します。

売却の場合:情報拡散の流れ(STEP1〜4)

レインズで売却情報が拡散する流れの図解

STEP.1 媒介契約を締結

売主さまが不動産会社に売却を依頼し、媒介契約(不動産会社に売却を依頼する契約)を結びます。

STEP.2 販売図面を作成・レインズに登録

物件の写真撮影、販売図面の作成を行い、レインズに情報を登録します。販売図面はPDF形式で登録されます。

STEP.3 全国の不動産会社が情報をキャッチ

レインズに登録された情報は、全国の不動産会社がリアルタイムで確認できます。各社は毎日レインズで新着物件をチェックしています。

STEP.4 各社が買主さまを探す

情報を見た不動産会社は、自社の登録顧客に物件を紹介したり、SUUMOなどに広告を掲載したりして、買主さまを探します。

この流れが正常に機能していれば、売主さまの物件は多くの買主さまの目に触れることになります。

購入の場合:物件検索の流れ(簡潔に)

買主さまをサポートする不動産会社は、レインズで希望条件に合う物件を検索します。条件に合いそうな物件をまとめて買主さまに提案できるので、効率的に物件探しが進みます。

最近はSUUMOなどのポータルサイトで買主さま自身が物件を探すケースも増えていますが、レインズには「不動産会社同士の情報共有」という重要な役割があります。

売主さまの視点で大切なのは、この「他社が買主さまを連れてくる」流れが正常に動いているかどうかです。もし他社からの問い合わせや内覧がいつまでも入ってこないなら、何らかの問題が起きているサインかもしれません。自分の物件がレインズでどう見えているかは、レインズ登録証明書の使い方|もらってない時の対処と売主ログインで確認できます。

では、この登録は「いつまでに」される決まりなのか。次の章で確認していきます。

レインズへの登録義務と期限【専任7営業日・専属専任5営業日】

レインズへの登録義務は、媒介契約の種類によって異なります。まずは全体像を表で押さえましょう。

媒介契約の種類別:登録義務と期限(表)

媒介契約の種類登録義務期限
専属専任媒介契約あり媒介契約締結日の翌日から5営業日以内
専任媒介契約あり媒介契約締結日の翌日から7営業日以内
一般媒介契約なし

「7営業日以内」は実日数7日ではない——定休日を挟めば実質11日になることも

表の「7営業日以内」という言葉。さらっと読み流してしまいがちですが、ゆめ部長はここに落とし穴があると考えています。

登録期限を計算する際、不動産会社の定休日は日数に含みません。また、媒介契約を締結した当日も含みません。

たとえば、火曜・水曜が定休日の不動産会社と日曜日に専属専任媒介契約を結んだ場合:

1日目:月曜日 → 2日目:木曜日 → 3日目:金曜日 → 4日目:土曜日 → 5日目:日曜日

この場合、翌週の日曜日までに登録すれば期限内です。契約から実日数で7日——「5営業日」が、まる1週間に化けました。

専任媒介の「7営業日」なら、さらに延びます。定休日や祝日の並び方によっては、実日数で11日程度になることもあります。

期限を守っていても、登録を後回しにされた日数のぶんだけ、売主さまの物件は買主さま候補の目に触れないままです。

売却のスタートダッシュで1週間以上の空白。これは小さくない差です。「期限内だから問題ない」ではなく、「契約したらすぐ登録してもらう」が正解。媒介契約の場で「レインズにはいつ登録しますか?」と確認してください。

なお、「媒介契約締結日」とは、媒介契約書を交付した日ではなく、媒介契約締結の意思の合致があった日です。書類の交付を遅らせてレインズ登録を先延ばしにする手口を防ぐためのルールです。

一般媒介契約の注意点(登録義務なし→囲い込みの温床になりうる)

一般媒介契約はレインズへの登録義務がありません。

レインズの運用規定では「積極的に登録するように」と要請されていますが、実際には登録しない不動産会社も多いです。「一般媒介だからレインズに登録されない」ということは、情報拡散の機会を失っている可能性があります。

さらに問題なのは、一般媒介を悪用した囲い込みです。

こんな営業トークを聞いたことはないでしょうか。

「一般媒介のほうが縛りがなくて自由ですよ。レインズ?ああ、登録は任意なので大丈夫です」

レインズへの登録義務がないことを利用して、売主さまにレインズの存在すら説明せず、情報を独占しようとする手口があります。「1社にしか依頼しないのに一般媒介を勧められた」という場合は、要注意です。

一般媒介を選ぶ場合でも、「レインズに登録してください」と依頼することをおすすめします。

では、専任・専属専任なのに登録しなかったら?「それって違法なの?罰則は?」——次の章で、制度の建前と現実をセットで確認します。

レインズに登録しないのは違法?登録義務違反の罰則と現実

「義務に違反したら、当然ペナルティがあるんでしょ?」と思いますよね。その感覚は正しいです。ただ、現実は少し複雑です。

専任・専属専任で「載せない」のは媒介契約上の義務違反

先に結論から。専属専任・専任媒介で期限内にレインズ登録をしない、または成約を登録しないのは、媒介契約上の義務違反です。

一方、一般媒介には登録義務がないため、登録しなくても義務違反にはなりません。「レインズに載せないのは違法?」という疑問への答えは、媒介契約の種類しだいということになります。

罰則の実態:戒告・利用停止はあるが、発動はごくわずか

レインズ(指定流通機構)は会員の不動産会社に対し、規約違反の程度に応じて是正の指導や戒告・利用停止などの措置を取ることがあります。また宅建業法上も、専任媒介の登録義務を怠った会社は、行政による指導や処分の対象になりえます。

ところが、です。実際にこの措置が発動されるケースはごくわずか。だからこそ罰則をアテにせず、会社を見抜く目が必要になります。

罰則より大切なのは「義務を軽く見る会社」を見抜くこと

大切なのは、罰則の有無よりも「義務を軽く見る会社かどうか」を見抜くことです。

登録証明書を渡さない、レインズ登録を後回しにする、査定で「未登録の成約事例」を根拠に出してくる——こうした会社は義務を軽視しており、囲い込みにも抵抗が薄い可能性があります。

なお、レインズに登録されると「登録証明書」が発行されます。専任・専属専任では、不動産会社が売主さまに交付する義務があります。受け取っていない場合は、必ず請求してください。

→ 登録証明書の見方、売主さまが確認できること・できないことはレインズ登録証明書の使い方|もらってない時の対処と売主ログインで詳しく解説しています。

制度・期限・罰則——ここまでが建前の世界です。残る疑問は1つ。「義務なのに、なぜ登録を渋る会社があるのか?」次の章が、この記事の核心です。

なぜ不動産会社はレインズ登録を嫌がるのか——囲い込みとの関係

義務なのに登録を渋る会社がある。その理由は、レインズが不動産会社の「儲け方」と正面からぶつかる仕組みだからです。

レインズが正しく使われているかどうかで、売却の結果は大きく変わる——これがゆめ部長の20年の結論です。

囲い込みとは、不動産会社が両手仲介を狙い、他社による販売活動を妨害する行為です。両手仲介とは、1社が売主さま・買主さま双方から仲介手数料を受け取る形のこと。囲い込みの全体像は不動産の囲い込みとは?売主が損する手口・見抜き方・対策を業界20年のプロが解説で解説しています。

レインズは片手仲介を生むネットワーク——だから登録が「邪魔」になる

ここで、この記事の最初に戻ります。レインズの本質は「情報拡散」でした。

情報が拡散すると、何が起きるか。他社が買主さまを連れてきます。他社が買主さまを見つけた取引は片手仲介——売主さま側の会社は、売主さまからだけ仲介手数料を受け取る形になります。

つまり、レインズは構造的に「片手仲介を生むネットワーク」です。売主さまにとっては、買主さま候補を全国から集めてくれる、ありがたい仕組みです。

ところが、両手仲介を狙う会社から見ると、景色が逆転します。他社が買主さまを連れてくるほど、自社が双方から仲介手数料を受け取るチャンスは減っていく。5,000万円の物件なら、片手仲介で約156万円、両手仲介なら約312万円(税抜「3%+6万円」で計算)。同じ1件で受け取る仲介手数料が2倍も違うのです。

売主さまは、情報を広く拡散して、1円でも高く売りたい。両手仲介を狙う会社は、情報を抱え込んで、自社だけで買主さまを見つけたい。——この利益相反こそが、囲い込みの動機です。レインズ登録を渋る・遅らせる会社があるのは、制度の側から見れば「片手仲介を生むネットワークが邪魔だから」なのです。

→ 両手仲介の報酬構造と利益相反の深掘りは両手仲介とは?会社の利益が約2.5〜3.5倍に膨らむ仕組み|片手仲介との違いで解説しています。

レインズ上で制度が骨抜きにされる瞬間(概要)

制度がどう骨抜きにされるのか。現場では、こんなやり取りで起きています。

他社:「御社のレインズ掲載物件、紹介したいのですが」
囲い込み業者:「あー、それ商談中なんですよ。すみません」
(実際は商談など入っていない)

登録義務は果たしている。でも、問い合わせは断る——。書類の上では制度を守りながら、中身を空洞化させる。これがレインズ上で起きる囲い込みの正体です。

ほかにも、登録しても販売図面を載せない、取引状況を偽るなど、手口はいくつもあります。

→ 手口の全カタログと売主さまが見抜く方法は不動産売却の囲い込み手口30選|6パターン分類で売主が見抜く方法で解説しています。

今すぐ確認したい方には囲い込みクイック診断があります。物件URLを送るだけで、翌営業日に診断結果をお伝えします。

→ 「売れない原因は囲い込みだけじゃないかも」と感じたら不動産が売れない本当の原因は?|囲い込みクイック診断+セカンドオピニオンへ。

ここまでが、販売中の物件をめぐるレインズの話です。最後に補足として、成約後のレインズの役割にも触れておきます。

成約登録と成約事例(補足)

レインズには、販売中の物件情報だけでなく、成約した物件の情報も登録されています。囲い込みとは直接関係しませんが、査定の基礎データになる重要な情報です。

成約登録の義務

物件が成約したら、不動産会社は成約年月日・成約価格をレインズに登録する義務があります。専任媒介・専属専任媒介の場合は義務、一般媒介の場合も「登録に努めること」とされています。

成約事例は査定の根拠になる

成約事例のデータは、不動産会社が査定を行う際の重要な根拠になります。「このマンションの同じ階で、3ヶ月前に〇〇万円で成約している」というデータがあれば、査定の精度が上がります。

成約事例が多ければ多いほど相場を掴みやすく、売主さま・買主さまのどちらも納得のいく取引を実現しやすくなります。

逆に、査定の根拠を曖昧にしたり、レインズに登録されていない成約事例を「相場です」と説明したりする会社には注意が必要です。成約登録という基本の義務すら軽視している会社は、囲い込みにも抵抗が薄い可能性があります。

最後に、よくある質問にまとめて回答します。

レインズに関するよくある質問(FAQ)

レインズは一般の人でも見られますか?

いいえ、レインズは不動産会社専用のシステムです。一般の方はアクセスできません。ただし、売主さまが自分の物件に限って登録状況を確認する方法はあります。詳しくはレインズ登録証明書の使い方|もらってない時の対処と売主ログインで解説しています。

レインズに登録すると、SUUMOにも自動的に掲載されますか?

いいえ、自動的には掲載されません。レインズとSUUMOは別のシステムです。ただし、レインズに登録された情報を見た他社がSUUMOに広告を掲載してくれることはあります。これも情報拡散のメリットの1つです。

一般媒介でもレインズに登録してもらえますか?

依頼すれば登録してもらえます。一般媒介は登録義務がありませんが、レインズの運用規定では積極的な登録が要請されています。情報拡散のために、媒介契約の場で登録を依頼することをおすすめします。

一般媒介ならレインズに登録しなくても違法ではないのですか?

はい、一般媒介契約には登録義務がないため、登録しなくても義務違反にはなりません。一方、専任媒介・専属専任媒介で期限内に登録しないのは媒介契約上の義務違反です。ただし、措置が実際に発動されるケースはごくわずかなので、義務を軽く見る会社かどうかを見抜くことが大切です。

レインズに登録されているのに問い合わせがありません。なぜですか?

いくつかの原因が考えられます。価格が相場より高い、物件の魅力が販売図面で伝わっていない、または囲い込みされている可能性もあります。まだ登録状況を自分の目で確認していない方は、まず登録証明書でレインズを確認してください。原因を特定したい場合はセカンドオピニオンで総合的に診断できます。

まとめ

▼この記事のポイント
  • レインズは不動産会社専用の物件検索システム。売主さまにとっては「情報拡散のスタート地点」
  • 登録義務は専属専任が5営業日以内、専任が7営業日以内。一般は義務なし
  • 「7営業日」は実日数7日ではない。定休日を挟めば実質11日程度になることもある
  • 義務違反への措置はあるが、発動はごくわずか。「義務を軽く見る会社」を見抜くことが大切
  • レインズは売主さまの味方だが、悪用されると「囲い込み」の道具になる
  • 成約登録は査定の根拠になる重要データ

冒頭の「レインズに登録しました」という担当者の言葉。ここまで読んだ売主さまなら、その言葉のあとに確認すべきことが、もう見えているはずです。

「いつ登録しましたか?」「登録証明書をください」——この2つを伝えるだけで、義務にどう向き合う会社なのかが見えてきます。

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