専任媒介契約で売れない原因と対処法|他の不動産会社への変更・契約解除の判断基準
不動産を売却中のあなた。専任媒介で任せたのに3ヶ月以上売れない…そんな状況で不安を感じていませんか?
「大手だから安心だと思ったのに」「担当者の対応に不満がある」「囲い込みされているんじゃないか」「他の不動産会社に変えた方がいいのか」——こんな悩みを抱えている売主さまは少なくありません。
- 不動産会社を変更すべき「5つのサイン」がわかる
- 変更前に確認すべき「本当に会社が悪いのか」の判断基準がわかる
- 担当者変更・期間満了・契約解除、3つの変更方法の違いがわかる
- 次の会社選びで失敗しないための5つのポイントがわかる
実は、「任せっきりで大丈夫な不動産会社」は少数派です。売主さま自身が不動産会社を見極め、売却活動を見張る必要があります。
不動産仲介20年超の宅建マイスター、ゆめ部長が解説します。
※本記事は2026年1月の最新情報に対応しています。
→ 媒介契約の基礎知識は「媒介契約とは?仕組み・種類・締結方法を不動産のプロが徹底解説」で詳しく解説しています。
こんな状況なら不動産会社を変更すべき【 5つのサイン 】
【 このセクションのポイント 】
以下の5つのサインに1つでも当てはまれば、不動産会社の変更を検討すべきです。放置すると「干す→値こなし→業者買取」のパターンにハマるリスクがあります。
【 ゆめ部長の体験 】
ゆめ部長が他社から売却を引き継いだとき、まず販売状況を確認します。
ある物件では、スーモに掲載された写真の質がひどい状態でした。三方角部屋で眺望も良いのに、その魅力がまったく伝わらない写真。内覧は3ヶ月でわずか2件。さらにレインズの販売図面は、値下げした後も旧価格のまま放置されていました。
写真を撮り直し、360°VR・動画を制作し、販売図面も作り直して再スタートしたところ、毎週内覧が入るようになり、45日で満額成約。問題は価格ではなく、販売活動の質だったのです。
以下の5つのサインに当てはまっていないか、チェックしてみてください。
①売れない原因を説明してくれない
「高いから売れない」「時期が悪い」——担当者からこんな説明しかもらえていないなら要注意です。
プロの不動産会社であれば、売れない原因を具体的に分析できます。「近隣の競合物件と比較して○○万円高い」「このエリアの成約事例は過去3ヶ月で○件しかない」「ポータルサイトの閲覧数が○件で、平均より低い」——このような根拠を示せるはずです。
具体的な分析がなく、提案もない状態が続いているなら、その担当者には売る気がないか、売る能力がないかのどちらかです。
②広告活動が全てNGにされている
他社の不動産会社から「御社の物件を広告させてほしい」と依頼が来ているはずです。この依頼を全て断っているなら、囲い込み(物件の隠蔽、両手仲介狙いの営業妨害)の可能性が高いです。
囲い込みをされると、買主さまの目に触れる機会が激減します。結果として売却期間が長引き、最終的には「値下げしましょう」「業者に買い取ってもらいましょう」と誘導されるパターンに陥ります。
③ポータルサイトに写真がない・少ない
スーモやホームズに掲載されている物件情報を確認してみてください。
- 間取図と外観写真1枚だけ → やる気ゼロ
- 空室なのに室内写真がない → 論外
- 曇りの日にスマホで撮影した暗い写真 → プロ意識の欠如
- 夜に電気をつけて撮影した写真 → 論外
ゆめ部長はこれまで10万枚以上の不動産写真を撮影してきました。写真の質は、内覧数に直結します。「写真くらい」と軽視している不動産会社は、売主さまの資産を軽視しているのと同じです。
④販売資料すら準備していない
マンションの売却であれば、分譲時パンフレット・図面集・管理規約・長期修繕計画・重要事項調査報告書などの資料が必要です。これらの資料を、買主さまからの問い合わせがあったときにすぐ提供できる状態になっていますか?
担当者に「お客さまにどんな資料を提供する予定ですか?」と聞いてみてください。答えられないなら、レベルが低いと判断してよいでしょう。
興味を持ってくれた買主さまには、すぐに情報を提供して購入意欲を高めるべきです。「鉄は熱いうちに打て」——このスピード感がない不動産会社では、高値成約は難しいです。
⑤媒介報告がない・内容が薄い(報告義務違反)
専任媒介契約を締結した不動産会社には、2週間に1回以上の報告義務があります。これは宅建業法で定められた義務です。
報告がそもそもない場合は、報告義務違反(宅建業法違反)です。報告があっても「変化なし」「引き続き販売活動を継続します」だけの内容なら、仕事をしていないのと同じです。
ゆめ部長が売主さまから相談を受けるケースでは、「媒介契約書」「レインズ登録証明書」をもらっていない、専任媒介なのに「媒介報告書」もない——こんな状態の方が少なくありません。これは違反ばかりの状態です。次の更新は断るべきでしょう。
任せっきりは危険|見極めるのも見張るのも売主の役目
【 このセクションのポイント 】
任せっきりで大丈夫な不動産会社は少数派です。売主さま自身が不動産会社を見極め、売却活動を見張る必要があります。
「大手だから安心」は幻想
「大手だから安心」「知り合いの紹介だから大丈夫」——こんな理由で不動産会社を選んだのであれば、正直に言って、サボりすぎです。
大手不動産会社は、固定費(人件費・店舗費・広告費)が高いため、両手仲介(売主・買主の両方から手数料を受け取る取引形態)への依存度が高くなります。片手仲介では利益が出にくい構造のため、囲い込みのインセンティブが強く働きます。
「大手だから売れる」わけではありません。担当者の質と、会社の仕組みが重要です。
不動産売却で失敗しない3STEP
不動産売却で失敗したくなければ、次の3STEPで売却活動を進めてください。
STEP1:基礎知識を学ぶ 不動産取引の仕組み、囲い込みの手口、媒介契約の種類など、最低限の知識を身につけてください。知識があれば「もっと情報を拡散させてほしい」と強く言えますし、不正を見抜くこともできます。
STEP2:不動産会社を探して見極める 複数の会社に査定を依頼し、提案内容・対応の質・担当者の人柄を比較してください。「熱意」ではなく「仕組み」で選ぶことが重要です(詳しくは後述)。
STEP3:油断せず最後まで目を光らせて行動を見張る 媒介契約を締結した後も、販売状況をチェックし続けてください。レインズの登録状況、ポータルサイトの掲載内容、内覧の件数と結果——これらを定期的に確認しましょう。
見張る必要がないほど信頼できる不動産会社に巡り合えればベストですが、そうでなければ、売主さま自身が目を光らせるしかありません。
変更する前に確認すべきこと
【 このセクションのポイント 】
変更前に「本当に会社が悪いのか」を見極める必要があります。価格設定・時期・需要の問題かもしれません。原因を特定せずに変更しても、同じ結果になるリスクがあります。
本当に会社が悪いのか?(価格・時期・需要の確認)
売れない原因は、不動産会社の問題だけとは限りません。以下の3つを確認してください。
①価格の問題 高くて売れないのか、売り方が悪くて売れないのか。近隣の成約事例と比較して、価格設定が適正かどうかを確認しましょう。
②時期の問題 不動産市場には繁忙期(1〜3月、9〜11月)と閑散期があります。閑散期に売り出した場合、反響が少ないのは自然なことです。
③需要の問題 そもそも、そのエリア・その物件タイプに需要があるかどうか。近隣にライバル物件が多い場合、競争に負けている可能性もあります。
不動産会社を変更しても、価格・時期・需要の問題が解決しなければ、同じ結果になります。「会社を変えれば売れる」と安易に考えるのは危険です。
原因を特定してから行動すべき
「高いから売れない」「時期が悪い」——不動産会社からこう言われても、それが本当かどうかは判断しづらいものです。成約できない場合、「高いから」「ライバル物件に負けているから」と言い訳する会社は少なくありません。
原因を客観的に特定したいなら、第三者の意見を聞くことをおすすめします。
▼ 売れない原因を診断したい方へ 真っ直ぐ不動産の「セカンドオピニオン」では、現在の販売状況を客観的に分析し、売れない原因を特定します。価格の問題なのか、販売活動の問題なのか、それとも囲い込みされているのか——現状を把握した上で、次の行動を決めましょう。
他の不動産会社への変更・契約解除の方法
【 このセクションのポイント 】
変更方法は3つあります。担当者変更・期間満了を待って他の不動産会社に依頼・契約解除。それぞれのメリット・デメリットを理解して、状況に応じて選んでください。
方法①:担当者を変更してもらう
会社自体には問題がなく、担当者に不満がある場合は、担当者変更を依頼する方法があります。
一般的に、担当者変更はどこの会社でも可能です。他社に行かれてしまうくらいなら、会社としては担当者を変更した方がマシだからです。
担当者変更を依頼するときは、具体的な不満点を伝えてください。「報告がない」「提案がない」「対応が遅い」など、理由を明確にすることで、次の担当者も同じ問題を繰り返さないようになります。
もし、変更後に元の担当者から逆恨みされて嫌がらせを受けるようなら、新しい担当者か上司に相談してください。大きな会社なら「お客様相談室」など、営業マンとは別の部署に相談するのも有効です。
方法②:媒介契約の期間満了を待つ
最も無難な方法は、媒介契約の期間満了を待つことです。
専任媒介契約・専属専任媒介契約の有効期間は最長3ヶ月です。期間満了後、更新書類を返送しなければ、媒介契約は自動的に終了します(自動更新は認められていません)。
この方法のメリットは、トラブルになりにくいことです。「期間が満了したので終了します」と言えば、相手も受け入れざるを得ません。
期間満了後の注意点として、レインズから削除されていること、スーモなどのポータルサイトから削除されていることを確認してください。削除されていないと、集客用に便利に使われてしまう可能性があります。Google検索で物件名を検索して、掲載が残っていないかチェックしましょう。
方法③:契約解除して他の不動産会社に依頼する
期間満了を待たずに契約解除したい場合は、途中解除という方法があります。
ただし、途中解除には注意点があります。不動産会社に落ち度がない場合、履行費用(交通費・調査費用など)を請求される可能性があります。また、他社に乗り換えて成約した場合、約定報酬額に相当する違約金を請求されるケースもあります。
詳しい解除方法・費用請求のルールについては、別記事「媒介契約を解除する方法|費用請求される3つのケースと回避策を解説」で解説しています。
次の会社選びで失敗しないために
【 このセクションのポイント 】
変更後に同じ失敗を繰り返さないためには、「熱意」ではなく「仕組み」で不動産会社を選ぶことが重要です。
熱意で選ぶのはNG
「御社に任せます!一生懸命頑張ります!」——こんな熱意あふれる言葉に心を動かされていませんか?
【 ゆめ部長の体験 】
他社から売却を引き継ぐとき、売主さまからよく聞く話があります。
「査定のときは『必ず高く売ります!』って熱心だったのに、契約した途端に連絡が減って…」「3ヶ月経ったら『高いから売れない』って値下げを迫られた」「最初の勢いはどこに行ったんだろう…」何度も同じ話を聞いてきました。媒介契約を取るまでは必死で、取った後はテンションが下がる。残念ながら、これは珍しい話ではありません。
熱意は売却活動の質を保証しません。「やる気だけじゃあ売れない」のです。
不動産会社選びの5つのポイント
次の会社選びでは、以下の5つのポイントをチェックしてください。
①不動産売却メソッドがある 「高く売ります」だけでなく、具体的な販売戦略を説明できるかどうか。写真撮影の方法、広告の出し方、内覧時の対応など、体系化されたメソッドがある会社を選びましょう。
②高値成約実績がある 「成約実績○件」ではなく、「相場より高く売れた実績」があるかどうか。具体的な事例を聞いてみてください。
③宅建士であること 担当者が宅地建物取引士の資格を持っているかどうか。新卒で未取得は仕方ないかもしれませんが、それ以外は努力していないだけです。資格すら持っていない人に、高額な資産の売却を任せるのは心配です。
④売買仲介の経験が5年以上 賃貸メインの会社、売買経験が浅い担当者では、高値成約は難しいです。売買仲介の実務経験が5年以上ある担当者を選びましょう。
⑤対応が迅速で丁寧 メール・LINE・電話・Web面談などで、対応のスピードと質を確認してください。レスポンスが遅い、質問に的確に答えられない担当者は、売却活動でも同じことが起きます。
囲い込みが心配なら「仕組み」で選ぶ
「囲い込みしません」という約束だけでは不十分です。約束は破られる可能性があるからです。
重要なのは「囲い込みができない仕組み」を持っている会社を選ぶことです。「しません」は意志の表明。「できない」は仕組みの設計。この違いを理解してください。
▼ 囲い込みが絶対に嫌な方へ 真っ直ぐ不動産の「オープン売却プラン」は、100%片手仲介で構造的に囲い込みができない仕組みです。透明性を最優先したい方におすすめです。
▼ 信頼できるプロに任せたい方へ 真っ直ぐ不動産の「真っ直ぐ売却プラン」は、ノルマなし・売主ファーストを貫くフルサポートプランです。難物件でも対応可能。妥協しない最高の売却を求める方に。
不動産会社の変更に関するよくある質問(FAQ)
不動産会社に落ち度がある場合は請求されません。
レインズ未登録、媒介報告がない、囲い込みをしている——これらは不動産会社側の違反です。違反がある場合は、途中解除しても違約金を請求されることはありません。詳しくは「媒介契約を解除する方法|費用請求される3つのケースと回避策を解説」をご覧ください。
通常はありません。
ただし、レインズからの削除、ポータルサイトからの削除を確認してください。削除されたことを証明する書類をもらっておくと安心です。万が一、嫌がらせがあった場合は、都庁に相談しましょう。
大丈夫です。大手だから売れるわけではありません。
重要なのは担当者の質と会社の仕組みです。中小でも、高値成約実績があり、囲い込みをしない仕組みを持っている会社であれば、大手より良い結果が出ることも多いです。
言い訳の可能性があります。
成約できない場合、「高いから」「時期が悪いから」と言い訳する会社は少なくありません。本当に価格の問題なのか、販売活動の問題なのかを客観的に判断するには、第三者のセカンドオピニオンを受けることをおすすめします。
3ヶ月が一つの目安です。
専任媒介契約の有効期間が最長3ヶ月であることからも、3ヶ月で結果が出なければ、販売活動を見直すタイミングと考えてよいでしょう。ただし、価格設定や市場環境によっては、3ヶ月以上かかることもあります。
まとめ
- 5つのサイン(原因を説明しない・広告NG・写真がない・資料がない・報告がない)に当てはまれば変更を検討すべき
- 変更前に「本当に会社が悪いのか」を見極める(価格・時期・需要の問題かもしれない)
- 次の会社選びは「熱意」ではなく「仕組み」で選ぶ(「しません」より「できない」仕組み)
次の3ステップ:
- ステップ1:5つのサインに当てはまるかチェックする
- ステップ2:セカンドオピニオンで売れない原因を特定する
- ステップ3:原因に応じて、担当者変更・期間満了・契約解除を選ぶ
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