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媒介契約を解除したい|違約金の正体と引き止めの断り方

媒介契約の解除方法と違約金の正体を解説する記事のアイキャッチ

媒介契約は、3カ月の期間が終わる前でも解除できます。不動産仲介は法律上「準委任契約」(法律行為ではない事務を委託する契約のこと。不動産仲介では、売主さまが不動産会社に「買主を探してきてほしい」と事務を委託している関係にあたります)に分類され、民法651条により売主さまにはいつでも解除する権利(任意解除権)が認められています。

「違約金を請求する」と言われても、違約金が発生するのは契約違反をした場合だけです。不動産会社に落ち度があれば費用はゼロ。逆に損害賠償を請求できる可能性すらあります。

「担当者に悪いかな…」と感じる必要はありません。売主さまの大切な資産を預かっているのに、きちんと対応しない会社の方が問題です。

▼この記事でわかること(結論)
  • 媒介契約は民法上いつでも解除できる(3カ月の期限は「解除できない壁」ではない)
  • 違約金が発生するのは契約違反のケースだけ。不動産会社に落ち度があれば費用ゼロ、逆に損害賠償請求の可能性も
  • 引き止め策の手口と断り方を知っておけば惑わされない
  • 拒否されたら相談窓口へ。最強はお客さま相談室

不動産仲介20年超の宅建マイスター、ゆめ部長が解説します。

※本記事は2026年4月の最新情報に対応しています。

→ 媒介契約の基礎知識は「媒介契約とは?3種類の違いと締結の流れ|売却のプロが解説」で詳しく解説しています。

媒介契約は解除できる——法的根拠を知る

結論から言います。媒介契約は、法律上いつでも解除できます。「3カ月の期間が終わるまで解除できない」は間違いです。

【 このセクションのポイント 】

不動産仲介は「準委任契約」であり、民法651条で売主にはいつでも解除する権利が認められています。3カ月の期限は解除を止める壁ではなく、費用請求の根拠にすぎません。「解除禁止」の特約があっても無効の可能性が高いです。

準委任契約だからいつでも解除できる(民法651条)

不動産仲介は、法律上「準委任契約」に分類されます(導入文で説明したとおり、売主さまが不動産会社に事務を委託する契約です)。そして民法651条は、委任契約(準委任を含む)について、各当事者がいつでも解除できると定めています。

「でも、仲介手数料を支払う約束があるから、売主の都合だけで解除はできないのでは?」——こう思うかもしれません。

しかし、この点については判例・専門家の見解がはっきりしています。

三井住友トラスト不動産の法律アドバイス記事では、「報酬が設定されていることは『受任者の利益』には当たらない」と解説されています。つまり仲介手数料を支払う約束があっても、売主さまの任意解除権は制限されません。

また、弁護士(日弁連・国民生活センター客員講師)の解説でも「受任者が委任の対価である報酬を受けること自体は『受任者の利益』とはされていないので、報酬を支払う約束があるからといって、委任者が任意解除に伴って損害を賠償する必要はない」とされています。

判例でも「契約書等で、契約期間満了前の解除ができないと明記しない限り、民法651条による途中解除が認められる」とされています(夕陽ヶ丘法律事務所の判例解説より)。

3カ月の期限は「解除できない壁」ではない

媒介契約書には3カ月以内の期間が定められています。しかし、これは「3カ月間は絶対に解除できない」という拘束ではありません。

宅建業法で定められているのは「3カ月を超える期間を設定してはいけない」という上限規制です。3カ月を超える契約期間を設定しても、自動的に3カ月に短縮されます。

つまり、3カ月の期限は、解除を止める法的な力を持っていません。解除した場合に費用を請求できるかどうかの根拠にすぎないのです。

「解除禁止」の特約があっても無効の可能性が高い

不動産売買の現場では、民法は原則を定めていて、強行規定でなければ特約で変更されるのが一般的です。売買契約書でもそのような運用がされています。「だったら媒介契約でも特約で解除を禁止できるのでは?」と不安に感じるかもしれません。

しかし、標準媒介契約約款を確認すると「期間中は解除できない」という特約は入っていません。約款に書いてあるのは「費用償還を請求できる」だけです。

さらに、3種類すべての標準媒介契約約款の最終条には「この約款の各条項の定めに反する特約で甲(売主)に不利なものは無効とします」と明記されています。仮に独自の契約書で「解除禁止」の特約を入れたとしても、売主に不利な特約として無効になる可能性が高いです。

ただし、これは法律判断です。独自の契約書で解除を制限する条項がある場合は、弁護士に相談することをおすすめします。

※標準媒介契約約款の原文は国土交通省の不動産流通ページで確認できます。

違約金の正体——費用請求の3パターン

「違約金を請求する」と言われると怖くなりますが、違約金が発生するのは契約違反をした場合だけです。3つのパターンを理解しておけば、不当な請求に惑わされずに済みます。

ここで多くの売主さまが疑問に思うのが、「契約期間内に解除すること自体が契約違反では?」という点です。答えはNoです。先ほど説明したとおり、不動産仲介は準委任契約であり、民法651条で売主さまには「いつでも解除できる権利」が認められています。期間内に解除すること自体は、法律が認めた権利の行使であって、契約違反ではありません。

では、約款が定める「契約違反」とは何か。それは「期間内に解除した」ことではなく、「依頼した会社を飛ばして勝手に成約させた」ことを指しています。具体的には以下の3パターンです。

【 このセクションのポイント 】

費用請求には3パターンあります。①違約金(契約違反のケースだけ)、②履行費用(実費のみ・現実にはほぼゼロ)、③何も請求されない(落ち度がある場合・期間満了)。どのパターンになるかは解除の理由によって決まります。

①違約金を請求されるケース——契約違反のみ

最も重いペナルティは「約定報酬額に相当する違約金」です。これは仲介手数料の上限額(成約価格×3%+6万円+消費税)を請求されることを意味します。

このケースに該当するのは、以下の2つだけです。

  • 専任・専属専任媒介の期間内に、他社で売買契約を成立させた場合
  • 専属専任媒介で、自分で買主を見つけて直接契約した場合(自己発見取引)

つまり「契約違反」をした場合に限られます。単に「解除したい」と申し出ただけで、この違約金を請求されることはありません。

媒介契約書には次のように記載されています。

「専任媒介契約の有効期間内または有効期間の満了後2年以内に、甲が乙の紹介によって知った相手方と乙を排除して目的物件の売買契約を締結したときは、乙は甲に対して契約の成立に寄与した割合に応じた相当額の報酬を請求できる」

この条項は「抜き行為」(他社の顧客を横取りする行為)を防ぐためのものです。正当な理由で解除する場合には適用されません。

②履行費用の請求止まりのケース——実費のみ

不動産会社に落ち度がないのに、売主さまの都合で媒介契約を途中解除した場合は、「履行費用」を請求される可能性があります。

約款の条文を確認すると、専任媒介約款第14条には「乙の責めに帰すことができない事由によって専任媒介契約が解除されたときは、乙は、甲に対して、専任媒介契約の履行のために要した費用の償還を請求することができます」と記載されています。

請求できる費用は以下のとおりです。

  • 交通費
  • 謄本取得費(数百円〜数千円程度)
  • マンションの場合、重要事項調査報告書の取得費(数千円程度)

人件費は清算が困難なため、請求しないのが望ましいとされています。

実際のところ、履行費用を請求してくる不動産会社はほとんどありません。金額が微々たるものだからです。

「違約金を請求する!」と言われたら、「明細と領収証を提示してください」と伝えましょう。実際に請求できるのは上記の実費だけです。明細も領収証も出てこないことがほとんどです。「違約金を請求する」と言う不動産会社の本音は、違約金がほしいのではなく、媒介契約を解約されたくないだけです。上司に「解約になりました…」と報告できないのかもしれません。

③何も請求されないケース

以下の場合は、費用を一切請求されません。

  1. 期間満了を待った場合 — 媒介契約の期間は最長3カ月です。更新しなければ、自動的に契約は終了します。費用請求の余地はありません。
  2. 不動産会社に落ち度がある場合 — レインズに登録していない、媒介報告がない、囲い込みをしている…。こうした場合、不動産会社は契約上の義務を果たしていません。義務を果たしていない側が費用を請求する権利はありません。
  3. 不当な勧誘で契約させられた場合 — 「DMで無料サービスに興味を持って売却を任せたら、実は対象外だった」といったケース。騙されて契約した場合は、解除しても費用を請求されません。

不動産会社に落ち度があれば費用ゼロで解除できる

ここが最も重要なセクションです。不動産会社に落ち度がある場合、費用請求されないだけでなく、逆に、売主さまが損害賠償を請求できる可能性すらあります。この点を指摘している不動産会社は皆無です。

【 このセクションのポイント 】

レインズ未登録・報告義務違反は宅建業法違反かつ債務不履行(約束を守らないこと)です。囲い込みは手口によって即時解除できるケースとグレーゾーンがあります。いずれも売主さまが費用を支払う必要はなく、逆に損害賠償請求の可能性もあります。

債務不履行による解除——逆に損害賠償請求の可能性がある

媒介契約書(標準約款)の中に「契約の成立に向けて積極的に努力すること」という条文があります(専任媒介約款第4条一)。この義務に違反して囲い込みをしていたなら、それは債務不履行(契約で約束した義務を果たさないこと)です。

債務不履行があれば、売主さまは民法541条・542条に基づいて契約を解除できます。さらに民法415条により、損害賠償を請求できる可能性もあります。囲い込みによって売却が遅延した損害、適切な対応をしていれば得られたはずの売却価格との差額——こうした損害が請求の対象になり得ます。

加えて、約款の解除条項(専任媒介約款第16条2項)には、以下の3つのケースで催告なしに即時解除できると明記されています。

  1. 不動産会社が信義を旨とし誠実に遂行する義務に違反したとき
  2. 不動産会社が重要な事項について故意もしくは重過失により事実を告げず、または不実のことを告げる行為をしたとき
  3. 不動産会社が宅地建物取引業に関して不正または著しく不当な行為をしたとき

レインズ未登録・媒介報告なしは、この条項に該当します。囲い込みについては手口によって異なり、宅建業法違反に該当するケースと、債務不履行にとどまるグレーゾーンのケースがあります(詳しくは次のh3で整理します)。

囲い込みの手口別——即時解除できるかを整理する

囲い込みにもいろいろな手口があります。手口によって宅建業法違反に該当するかどうか、即時解除の根拠が変わってきます。

手口宅建業法違反債務不履行即時解除
レインズ未登録○ 違反○(登録義務)可能
他社からの問合せをブロック× 違反ではない○(積極的努力義務)グレーゾーン
広告を「自社サイトのみ」に制限× 違反ではない○(同上)グレーゾーン
購入申込を隠す○ 違反(故意なら詐欺も)可能

「レインズ未登録」と「購入申込を隠す」は宅建業法違反であり、即時解除の根拠が明確です。レインズ登録証明書を確認すれば未登録かどうかはすぐにわかります。

一方、「他社からの問合せをブロック」「広告を自社サイトのみに制限」は、宅建業法違反とまでは言えないものの、約款の積極的努力義務に違反する債務不履行です。ただし証明が困難なため、即時解除が認められるかどうかは争点になり得ます。

→ 囲い込みの手口の全体像については「囲い込み手口30選|見破り方と対策」で解説しています。

「催告してもやめたか確認できない」問題

民法の原則では、債務不履行があった場合は「相当期間を定めて催告し、それでも履行されなければ解除できる」(民法541条)とされています。

しかし、囲い込みの場合は話が違います。「囲い込みをやめてください」と催告しても、本当にやめたかどうかを売主さま自身が確認する手段がないのです。レインズの登録状況は確認できても、他社からの問合せをブロックしているかどうかは売主さまにはわかりません。

催告しても履行を確認できない以上、催告自体が意味をなしません。この点は民法542条の「催告不要の即時解除」に該当する余地がありますが、法的にはグレーゾーンであり、弁護士でも見解が分かれる可能性があります。

だからこそ、「レインズ未登録」のように客観的に証明できる義務違反を根拠にするのが確実です。

都庁に聞いたら「まず不動産会社にお願いして」と言われた話

ゆめ部長は以前、媒介報告がない・レインズに掲載されていない不動産会社について都庁に相談したことがあります。返ってきた答えは「まず不動産会社にお願いしてください」でした。

法律の教科書通りの回答です。民法541条の原則に従えば、まず催告して、それでも履行されなければ解除する、という流れになります。

しかし、ゆめ部長はこの回答に違和感を感じました。

高額な不動産を売却するために、高額な仲介手数料を支払うのです。不動産会社は善管注意義務(善良な管理者としての注意を払って業務を遂行する義務。プロとして当然期待される水準の注意義務のこと)を負っています(民法644条)。その会社が媒介報告を出さない。レインズにも掲載しない。これは「ちょっとしたミス」ではなく、プロとしての重大な義務違反です。催告を要するような軽微な違反とは言えません。

実際、約款にも「誠実義務違反があれば催告なしで即時解除できる」と明記されています(専任媒介約款第16条2項一)。都庁は民法の一般論を案内したのかもしれませんが、約款の規定を踏まえれば、即時解除できる根拠は十分にあります。

解除の伝え方【 実務手順 】

メールかLINEで送るだけで十分です。電話は不要。解除理由を詳しく説明する必要もありません。

【 このセクションのポイント 】

媒介契約の解除はメールLINEで送るだけで十分です。電話だと引き止められるリスクがあります。理由を詳しく説明する必要はありません。

メールかLINEで送るだけでOK

「まず電話して、それからメールで…」と書いてあるサイトが多いですが、ゆめ部長はメールかLINEだけで十分だと考えています。

理由はシンプルです。電話だと、途中で引き止められるからです。

「なぜですか?」「検討中のお客様がいるんですが…」と割り込まれて、断り切れなくなる売主さまを何人も見てきました。営業マンが黙って最後まで聞いてくれることは、まずありません。

メールやLINEなら、こちらのペースで伝えられます。一方的に送れるので引き止められない。記録が残るので「言った・言わない」のトラブルにならない。感情的にならずに済む。

書面(内容証明郵便など)は、通常の解除では不要です。トラブルになった場合の最終手段と考えてください。

伝えるべきこと・伝えなくていいこと

伝えるべきこと:

  • 期間満了をもって媒介契約を更新しない旨
  • レインズ・ポータルサイトからの削除依頼
  • 鍵や資料の返却依頼(空室の場合)

伝えなくていいこと:

  • 解除理由の詳細(「なぜですか?」と聞かれても、詳しく説明する義務はありません)
  • 次にどこの会社に依頼するか
  • 解除後の売却計画

「解除したい理由」を詳しく説明すると、その理由に対して反論されます。「更新しない方針です」の一言で十分です。

解除を伝えるときにそのまま使える例文(メール・LINE共通)

件名:媒介契約更新について

〇〇不動産 〇〇様

お世話になっております。〇〇です。

今回の媒介契約は期間満了(〇月〇日)をもって更新しない方針とさせていただきます。

つきましては、以下3点ご対応ください。

  • レインズからの削除
  • ポータルサイト(suumo等)やWebサイトからの削除
  • お預けしている鍵や資料の返却(空室の場合)

これまでご対応いただきありがとうございました。
よろしくお願いいたします。

引き止め策の手口と断り方

解除を申し出ると、あっさり受け入れられることも多いです。しかし、強く引き止められることもあります。手口と断り方を知っておけば、惑わされずに判断できます。

【 このセクションのポイント 】

「検討中のお客様がいる」は98%ウソです。引き止め策の手口は5パターン。どのパターンでも「予定どおり更新しない方針です」と伝えれば十分です。

実はあっさり受け入れられることが多い

意外かもしれませんが、解除を申し出ると、あっさり受け入れられることが多いです。

不動産会社も、売れない物件を抱え続けるのは負担です。広告費も人件費もかかります。売主さまとの関係が悪化している状態で無理に続けても、いい結果にはなりません。

「解除したい」と伝えると、「わかりました。では、期間満了をもって終了としましょう」と言われることがほとんどです。

しかし抵抗されることもある【 引き止め策5選と断り方 】

一方で、引き止められることもあります。以下の5つの手口と、それぞれの断り方を知っておいてください。

①「検討中のお客様がいる!」

これは98%ウソです。本当にいるなら、なぜ今まで報告しなかったのでしょうか。解除を申し出た途端に「検討中のお客様がいる」と言い出すのは、引き止めるための常套句です。

断り方:「では、その方の購入申込書を見せていただけますか? 申込書がないなら、予定どおり更新しない方針です。」

②「検討に時間がかかるお客様がいる」

もう少し巧妙な手口もあります。「住宅ローン審査中だけど、自営業だから時間がかかる」「来月、旦那さんが海外出張から戻ってくる予定」「まもなく販売開始の新築マンションと比較検討している」。具体的で、なんとなく本当にいそうな気がしてしまいます。でも、それが狙いです。「もう少し待てば決まるかも」と思わせて更新させる——これも引き止めのための作り話である可能性が高いです。

断り方:「そうでしたか。ただ、3カ月間お任せして結果が出なかったので、予定どおり更新しない方針です。そのお客様が本当にいらっしゃるなら、新しい仲介会社経由でご連絡いただければ対応します。」

③「もうすぐ購入申込が入りそう!」

②が「検討中だが時間がかかる」と待たせる手口なのに対し、③は「もうすぐ決まる!」と急かす手口です。「購入申込が入りそう」「今週中に返事をもらえる見込み」など、具体的な期限を匂わせてきます。しかし、3カ月間ほとんど動きがなかったのに、更新直前になって急に話が進むのは不自然です。

断り方:「ありがとうございます。ただ、申込書がない段階では判断できません。予定どおり更新しない方針です。」

④「大規模な広告を打つところだった」

「これから大規模な広告を打つ予定だった」「新しい販売戦略を考えていた」と言われることもあります。3カ月間サボっていたのに、更新時期になると急にやる気があるフリを見せるのです。

こんな場面を何度も見てきました。3カ月間ほとんど努力しなかったから動きがなかった。それなのに、更新時期が近づくと急に「広告を強化します」「オープンハウスをやりましょう」と言い出す。でも、魅力をアピールできない会社が大規模広告を打っても、大した効果はありません。本当にやる気があるなら、最初からやっているはずです。

断り方:「ありがとうございます。ただ、最初の3カ月でそれをやっていただきたかったです。残念ですが、予定どおり更新しない方針です。」

⑤「仲介手数料を40%OFFにする」

最後の手段として、仲介手数料の値引きを提案されることもあります。「仲介手数料を40%OFFにしますから、もう少し任せてください」と言われると、お得に感じるかもしれません。

でも、そこじゃないんです。信頼関係が崩れて、もう信用できないから更新しないのです。仲介手数料が安くなっても、売れなければ意味がありません。むしろ、大手の場合は仲介手数料を値引きすると、経費を回収するために囲い込みリスクが高まる可能性すらあります。

断り方:「ありがとうございます。ただ、仲介手数料の問題ではなく、信頼関係の問題なので、予定どおり更新しない方針です。」

断り切れない売主もいるが、結局売れないことが多い

ゆめ部長は、引き止めに負けてしまった売主さまを何人も見てきました。

「もうちょっとで決まる!」と言われて更新したものの、次の3カ月も売れない。結局、半年以上経ってから他社に変更し、そこでようやく売れた…というケースは珍しくありません。

いつも思うのですが、「責任とってよ!」と言いたくなりませんか??

引き止めを断るのは心苦しいかもしれません。でも、3カ月間きちんと動いてくれなかった会社に、さらに3カ月任せる義理はありません。売却期間が長引けば、住み替え・資金計画・気持ちの負担、すべてがずれていきます。

期間満了を待つのも手

「途中解除は気が引ける」「トラブルになりたくない」という方には、期間満了を待つという選択肢もあります。粘られても期限は3カ月。自動更新は認められていません。

【 このセクションのポイント 】

媒介契約の期間は最長3カ月です。更新しなければ自動的に契約は終了します。期間満了を待つ間に、次の会社を探しておくこともできます。

粘られても期限は3カ月

どれだけ引き止められても、媒介契約の期間は最長3カ月です。

専任・専属専任媒介契約は、宅建業法で3カ月以内と定められています。3カ月を超える期間を設定しても、自動的に3カ月に短縮されます。

更新は売主さまの同意が必要です。「自動更新」は認められていません。更新書類を返送しなければ、媒介契約は期間満了で終了します。

→ 次の会社と結ぶ契約形態の検討には「専任媒介と専属専任の違い|選び方と不動産会社が言わない本音」をご覧ください。

期限到来に備えて事前準備ができる

期間満了を待つ間に、次の会社を探しておくことができます。

  • 次の依頼先を探す:複数の会社に相談し、信頼できる担当者を見つけておく
  • 売れない原因を分析する:価格が高いのか、販売方法に問題があるのか、見極めておく
  • 必要書類を確認する:権利証、固定資産税納税通知書などを準備しておく

期間満了と同時に新しい会社でスタートできれば、空白期間なく売却活動を再開できます。

→ 売れない原因の特定と会社変更の判断には「専任媒介で売れない原因と対処法|不動産会社を変更すべき5つのサイン」をご覧ください。

期間満了後にやるべきこと

媒介契約が期間満了で終了したら、以下の3点を必ず確認してください。

  1. レインズから削除されたか確認する — 更新しなかったのにレインズに掲載されたままだと、他社が「この物件は別の会社が担当している」と勘違いしてしまいます。レインズから削除してもらった後、削除を証明する書類をもらってください。
  2. suumo等のポータルサイトから削除されたか確認する — ポータルサイトに掲載されたままだと、集客用に便利に使われてしまうことがあります。Googleで物件名や住所を検索して、広告が残っていないかチェックしましょう。
  3. 空室の場合は鍵の返却と同時に室内を確認する — 鍵を返却してもらうとき、室内の状態もチェックしておきましょう。大きなキズ、気になる汚れ(内覧時についたもの)、設備の故障がないか確認してください。

仮に汚れていても、請求するのは難しいかもしれません。でも、汚れていたということは、その程度のサポートしかしていなかったということ。「解除して正解だった」と納得できるはずです。

解約後のトラブル対応

媒介契約を終了した後、以前内覧に来たお客さまから購入申込が入ることがあります。この場合、元の不動産会社から報酬を請求される可能性があるので、対処法を知っておきましょう。

以前内覧したお客さまから購入申込が入った場合

媒介契約書には、次のような条項が記載されています。

「媒介契約期間内または有効期間の満了後2年以内に、甲が乙の紹介によって知った相手方と乙を排除して目的物件の売買契約を締結したときは、乙は甲に対して契約の成立に寄与した割合に応じた相当額の報酬を請求できる」

つまり、有効期間満了後2年以内は、元の会社が紹介したお客さまと直接契約すると、報酬を請求される可能性があるということです。

対処法は、新しい仲介会社を通じて購入申込を受け付けることです。以前内覧に来たお客さまが、新しい会社経由で再度問い合わせてきた場合、新しい会社が仲介することになります。この場合、元の会社の「紹介」とは言えません。

それでも解除を拒否されたら——相談窓口のロードマップ

嫌だと感じたら解除する。文句を言われたら相談窓口に連絡する。それでも解決しないなら弁護士に相談する。この順番で進めれば大丈夫です。

相談先は大きく2つに分かれます。無料で相談できる窓口と、費用はかかるが法律判断ができる弁護士です。

無料で相談できる窓口(順不同・すべて使ってOK):

お客さま相談室

大手不動産会社の場合、社内にお客さま相談室があります。担当者や店長に話が通じない場合、ここに連絡するのが最も効果的です。会社としての対応が変わります。

免許権者(都道府県)

宅建業の免許を出しているのは都道府県知事(または国土交通大臣)です。宅建業法違反の相談先として最も権限があります。

所属団体(全日・全宅・FRK)

不動産会社は業界団体に所属していることがほとんどです。全日本不動産協会(全日)、全国宅地建物取引業協会連合会(全宅)、不動産流通経営協会(FRK)のいずれかに相談できます。

消費者センター

消費生活に関する全般的な相談窓口です。不動産取引に特化していませんが、トラブルの相談先として有効です。

費用をかけてでも解決したい場合:

弁護士

費用請求の正当性、損害賠償請求の可否など、法律判断が必要な場面で力を発揮します。上記の無料窓口で解決しない場合の最終手段ですが、最初から確実に解決したい場合は弁護士に相談するのが最も早いです。

この記事ですべてのケースを網羅できるわけではありません。個別の状況によって判断が変わるため、不安な場合は上記の窓口や専門家に相談してください。

→ 囲い込みされているかもしれない、販売活動に不安がある——そんな状況なら「不動産が売れない本当の原因は?|囲い込み診断+セカンドオピニオンで「見える化」する」でプロの診断を受けることもできます。

まとめ

この記事のポイント:
  • 媒介契約は民法上いつでも解除できる。違約金が発生するのは契約違反のケースだけ
  • 不動産会社に落ち度があれば費用ゼロ。逆に損害賠償請求の可能性もある
  • 解除はメールかLINEで送るだけでOK。「検討中のお客様がいる」は98%ウソ
  • 拒否されたら相談窓口へ。最強はお客さま相談室

「担当者に悪いかな…」と感じる必要はありません。売主さまの大切な資産を預かっているのに、きちんと対応しない会社の方が問題です。解除していいんです。

次の3ステップ:

  • ステップ1:売れない原因を特定する — 価格の問題か、販売方法の問題か、囲い込みか
  • ステップ2:セカンドオピニオンで相談する — プロの視点で現状を分析し、安心して再挑戦
  • ステップ3:信頼できる会社に依頼する — 次の会社選びで同じ失敗を繰り返さない

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