媒介契約を解除したい|違約金の正体と引き止めの断り方

媒介契約の解除方法と違約金の正体を解説する記事のアイキャッチ

媒介契約は、3カ月の期間が終わる前でも解除できます。不動産仲介は、法律上「準委任契約」(法律行為ではない事務を委託する契約のこと。不動産仲介では、売主さまが不動産会社に買主探しや契約条件の調整を委託する関係にあたります)と考えられ、民法651条では、原則として各当事者に解除する権利が認められています。

違約金を恐れる必要はありません。違約金が発生するのは、売主さまが契約上の約束を破って成約させたケースだけです。

ただし、「解除できる」と「費用が必ずゼロ」は別の話です。

売主さまの都合で契約期間の途中に終了する場合は、不動産会社から実費の償還を求められる可能性があります。一方で、不動産会社の義務違反や不誠実な対応が原因なら、通常の販売活動にかかった費用まで売主さまが負担する筋合いはありません。

「担当者に悪いかな…」と感じる必要はありません。売主さまの大切な資産を預かっているのに、きちんと対応しない会社の方が問題です。

▼この記事でわかること(結論)
  • 媒介契約は期間中でも終了できる。3カ月の期限は「解除できない壁」ではない
  • 違約金が発生するのは、専任・専属専任の約束を破って成約させた場合が基本
  • 不動産会社に落ち度があるなら、通常の販売活動費の請求は問題になりにくい
  • 中途解除と更新しない場合は別。伝え方も分ける

不動産仲介20年超の宅建マイスター、ゆめ部長が解説します。

※本記事は2026年7月の情報に対応しています。

媒介契約の仕組みや3種類の違いを基礎から確認しておきたいなら → 媒介契約とは?3種類の違いと締結の流れ|売却のプロが解説

媒介契約は終了できる——法的根拠を知る

結論から言います。媒介契約は、法律上、期間満了前でも終了できます。「3カ月の期間が終わるまで、絶対に解除できない」は間違いです。

【 このセクションのポイント 】

媒介契約は、原則として途中でも解除できます。ただし、売主さまの都合で途中終了する場合は、実費の償還が問題になることがあります。

「解除できる」と「費用が必ず発生しない」は別問題です。

準委任契約だから、原則としていつでも解除できる(民法651条)

不動産仲介は、法律上、準委任契約に分類されると考えられています。そして民法651条は、委任契約について、各当事者がいつでも解除できると定めています。

そのため、媒介契約の期間中であっても、売主さまが「もうこの会社には任せられない」と判断すれば、解除を通知すること自体はできます。

ただし、民法651条には、相手方にとって不利な時期の解除では、損害賠償が問題になる場合があるという規定もあります。媒介契約では、標準媒介契約約款が、不動産会社に責任がない理由で途中終了する場合の「費用償還」を定めています。

つまり、解除する権利はある。ただし、終了の理由によっては実費精算が問題になることがある。これが正確な整理です。

※民法の原文はe-Gov法令検索で確認できます。

3カ月の期限は「解除できない壁」ではない

専任媒介・専属専任媒介では、媒介契約の有効期間は最長3カ月です。

これは、不動産会社が売主さまを長期間拘束し続けないための上限規制です。3カ月を超える期間を定めても、契約期間は3カ月に短縮されます。

ただし、3カ月は「必ず3カ月間は我慢しなければならない」という意味ではありません。期間満了を待って更新しない方法も、期間途中で解除する方法もあります。

なお、一般媒介には宅建業法上の3カ月上限はありません。ただし、標準的な一般媒介契約書でも有効期間を3カ月以内とする書式が使われるため、まずは契約書の記載を確認してください。

「解除禁止」の特約は無効の可能性が高い

標準媒介契約約款を使う契約では、約款に反して売主さまに不利な特約は無効とされます。「期間中は解除できない」のような特約があっても、標準約款を使っている契約なら、売主さまに不利な特約として無効になる可能性が高いです。

ただし、独自書式の契約書を使っている場合は判断が変わります。口頭で「途中解除はできません」と言われた場合や、独自の違約金条項がある場合は、その言葉だけで判断せず、契約書の該当条項、費用請求の根拠、解除通知の方法を、まず書面で確認してください。独自の違約金条項や高額な請求がある場合は、支払う前に弁護士へ相談しましょう。

※現行の標準媒介契約約款は国土交通省の宅地建物取引業法関係ページで確認できます。

違約金の正体——費用請求は3パターン

「違約金を請求する」と言われると怖くなりますが、媒介契約を解除したいと伝えただけで、仲介手数料満額の違約金が発生するわけではありません。

解約時に問題になり得るお金は、大きく3パターンです。

【 このセクションのポイント 】

①違約金は、専任・専属専任の約束を破って成約させた場合が中心です。

②売主さま都合の途中解除では、実際にかかった費用の償還が問題になることがあります。

③期間満了で更新しない場合や、不動産会社の義務違反が原因の場合は、通常の販売活動費まで請求される話ではありません。

①違約金を請求されるケース——契約違反をして成約させた場合

標準媒介契約約款でいう違約金は、専任・専属専任媒介の有効期間中に、売主さまが契約上の約束を破って成約させた場合に問題になります。

  • 専任媒介・専属専任媒介の有効期間中に、別の不動産会社へ重ねて依頼し、その会社を通じて成約させた場合
  • 専属専任媒介の有効期間中に、自分で見つけた買主さまと直接契約した場合

このような場合、元の不動産会社は、約定報酬額に相当する違約金を請求できるとされています。

逆に言えば、単に「媒介契約を終了したい」と申し出ただけでは、この違約金のケースには当たりません。

なお、一般媒介は複数社への依頼が前提の契約です。専任・専属専任と同じ制約はありません。

②費用償還を請求される可能性があるケース——売主都合で途中終了する場合

専任媒介契約・専属専任媒介契約の解除で売主さまが最も心配するのが、この費用償還です。不動産会社に落ち度がないのに、売主さまの都合で専任・専属専任媒介を途中終了する場合は、「媒介契約の履行のために要した費用」の償還を求められる可能性があります。

これは違約金ではありません。不動産会社が実際に支出した費用を精算する話です。標準媒介契約約款では、その上限は約定報酬額とされています。

想定されるのは、たとえば次のような費用です。

  • 登記事項証明書などの取得費
  • 管理会社から取得した重要事項調査報告書の費用
  • 現地・役所調査などで実際にかかった交通費

ただし、通常の販売活動に含まれる広告費、レインズ登録、担当者の人件費などを、途中終了した売主さまへ当然に一括請求できるわけではありません。

費用を請求されたら、慌てて支払わず、何にいくら使ったのか、契約上の根拠と内訳をメールなど書面で出してもらってください。

また、売主さまが特別に依頼した広告や、遠隔地への出張については、通常の販売活動とは別に実費負担となる定めがあります。これは、通常の広告活動ではなく、売主さまが特別な依頼をした場合の話です。

③通常の費用請求が問題になりにくいケース

期間満了で更新しない場合

媒介契約が期間満了で終了し、売主さまが更新に同意しなければ、通常の販売活動費を請求される話にはなりません。

不動産会社の義務違反が原因で終了する場合

レインズ未登録、媒介報告をしない、申込みを報告しない、事実と異なる説明をするといった不動産会社側の義務違反が原因で契約を終了する場合です。

標準媒介契約約款の費用償還は、「不動産会社の責任に帰すことができない事由」で契約が解除された場合を前提にしています。不動産会社の義務違反が解除の原因なら、少なくともこの条項を根拠に通常の販売活動費を請求する話ではありません。

もっとも、特別広告費など個別に約束した費用まで自動的になくなるわけではありません。請求があれば、契約書と請求根拠を確認してください。

不動産会社に落ち度があれば、通常費用の請求は問題になりにくい

ここが、ゆめ部長が最も伝えたいセクションです。

不動産会社の義務違反や不誠実な対応が原因で媒介契約を解除する場合、不動産会社が「自分に責任がない途中解約」として通常の販売活動費を請求する筋合いはありません。

さらに、囲い込みなどによって売主さまに具体的な損害が生じていれば、損害賠償を請求できる可能性もあります。

【 このセクションのポイント 】

不動産会社の義務違反を理由に解除するなら、「何が起きたか」を客観的に残すことが重要です。

レインズ未登録・媒介報告なし・申込みの未報告など、確認できる事実を軸にしてください。囲い込みの疑いだけで法的な結論を急ぐ必要はありません。

標準媒介契約約款にも、売主が解除できる定めがある

標準媒介契約約款では、不動産会社が契約上の義務を果たさない場合、相当期間を定めて履行を求め、それでも改善されなければ解除できると定めています。

また、不動産会社が信義を旨として誠実に業務を行う義務に違反したとき、重要事項について故意または重過失で事実を告げなかったとき、不正または著しく不当な行為をしたときは、売主さまが解除できる定めがあります。

どの条項に当たるかは、起きた事実と契約内容によって変わります。売主さま自身が、その場で「宅建業法違反だ」「即時解除できる」と法律判断をする必要はありません。

確認しやすい義務違反と、残しておくべき記録

専任・専属専任媒介では、不動産会社に次のような義務があります。

  • 契約成立に向けて積極的に努力すること
  • 契約書で定めた頻度で、販売活動の処理状況を報告すること
  • 購入申込みがあったときは、遅滞なく売主さまへ報告すること
  • レインズへ期限内に登録し、登録証明書を遅滞なく交付すること

専任媒介は、レインズ登録が契約翌日から7日以内、媒介報告が2週間に1回以上です。専属専任媒介は、レインズ登録が契約翌日から5日以内、媒介報告が1週間に1回以上です。いずれも不動産会社の休業日を除きます。

次の資料は、後で解除理由や費用請求を説明する材料になります。

  • 媒介契約書
  • レインズ登録証明書
  • 媒介報告書
  • メール・LINE・SMSなどのやり取り
  • ポータルサイトの掲載画面や広告のスクリーンショット

囲い込みを疑う場合は、「疑い」と「証拠」を分けて考える

他社からの問い合わせを断る、内覧を取りにくくする、広告を制限する、申込みを報告しない——こうした囲い込みは、売主さまから見えない場所で行われることがあります。

疑わしい対応が続くこと自体は、会社変更を考える十分な理由になります。ただし、費用請求や損害賠償まで争う場面では、「囲い込みをされたと思う」だけでは足りません。

レインズ未登録、媒介報告の欠如、申込みの未報告など、客観的に確認できる事実を中心に整理してください。

→ 囲い込みの具体的な手口は「不動産売却の囲い込み手口30選|6パターン分類で売主が見抜く方法」で解説しています。

→ そもそも囲い込みは違法なのか、通報しても行政が動かない理由は不動産売却の囲い込みは違法?|都庁に通報してわかった”動かない現実”で解説しています。

「催告してもやめたか確認できない」問題

民法の原則では、債務不履行があった場合は「相当期間を定めて催告し、それでも履行されなければ解除できる」(民法541条)とされています。

しかし、囲い込みの場合は話が違います。「囲い込みをやめてください」と催告しても、本当にやめたかどうかを売主さま自身が確認する手段がないのです。レインズの登録状況は確認できても、他社からの問合せをブロックしているかどうかは売主さまにはわかりません。

だからこそ、「レインズ未登録」「媒介報告の欠如」のように客観的に証明できる義務違反を根拠にするのが確実です。

損害賠償を請求できる可能性はあるが、立証は別問題

不動産会社の義務違反によって、売却が不当に遅れた、より良い条件の申込みを失ったなど、具体的な損害が生じた場合は、損害賠償が問題になることがあります。

ただし、実際に請求するには、不動産会社の義務違反、損害との因果関係、損害額を示す必要があります。「囲い込みをされたから損害賠償を請求できる」と簡単に決まる話ではありません。

費用請求への反論だけでなく、損害賠償まで検討する場合は、資料を揃えたうえで弁護士に相談してください。

中途解除と期間満了、どちらを選ぶべきか

契約を終える方法は、主に2つです。

今すぐ終了したいなら——中途解除

レインズ未登録、媒介報告がない、担当者と連絡が取れない、明らかに信頼関係が崩れているなど、今すぐ会社を変える必要がある場合は中途解除を選びます。

不動産会社に責任がない売主都合の解除なら、実費精算が問題になる可能性があります。不動産会社の義務違反を理由にするなら、解除通知と同時に、確認できる事実を簡潔に残しておくことが重要です。

残り期間が短いなら——期間満了で更新しない

残り期間がわずかで、すぐに販売を止めなければならない事情もないなら、期間満了を待って更新しない方法もあります。

専任媒介・専属専任媒介の更新は、売主さまと不動産会社の合意が必要です。更新に同意しなければ、契約は期間満了で終了します。

満了まで待つ場合でも、次の会社探しやセカンドオピニオンは先に進められます。ただし、新しい専任媒介・専属専任媒介の開始日は、現在の契約終了後になるように調整してください。

次の会社を選ぶ前に、売れない原因を整理する

会社を変える前に、売れない原因を一度整理しましょう。

  • 価格設定に問題があるのか
  • 広告写真・販売図面・訴求方法に問題があるのか
  • レインズ掲載や他社紹介に問題があるのか
  • 内覧・申込みの段階で機会を失っているのか

原因を整理せずに会社だけを変えても、同じ失敗を繰り返すことがあります。

専任媒介で3ヶ月以上売れない、担当者の対応に不信感がある——そんな状況なら → 専任媒介で売れない原因と対処法|不動産会社を変更すべき5つのサイン

解除・更新しない意思の伝え方【実務手順】

電話で長く話し込む必要はありません。まずはメールやLINEなど、送信内容と日時が残る方法で意思を伝えてください。

【 このセクションのポイント 】

中途解除と、期間満了で更新しない場合は、文面を分けます。

いずれも記録が残る方法で送り、相手方に届いたことを確認してください。費用請求が予想されるなら、内容証明郵便も選択肢です。

電話ではなくメール・LINEで伝え、到達を確認する

「まず電話して、それからメールで…」と書いてあるサイトも多いですが、ゆめ部長は、まずメールやLINEなど送信履歴が残る方法で解除の意思を伝えればいいと考えています。

理由はシンプルです。電話だと、途中で引き止められるからです。

「なぜですか?」「検討中のお客様がいるんですが…」と割り込まれて、断り切れなくなる売主さまを何人も見てきました。営業マンが黙って最後まで聞いてくれることは、まずありません。

メールやLINEなら、自分の言葉で落ち着いて伝えられます。一方的に送れて、会話に引き込まれない。送信した内容と日時も残るため、「言った・言わない」のトラブルを減らせます。

ただし、送信しただけでは終わりではありません。送信後は、返信、既読、受領の連絡などで、相手方に届いたことを確認してください。媒介契約書に通知方法の定めがある場合は、その定めにも従いましょう。費用請求や到達時期を争われそうな場合は、内容証明郵便と配達証明を使う方法もあります。

期間満了で更新しない場合の例文

件名:媒介契約を更新しない旨のご連絡

〇〇不動産 〇〇様

お世話になっております。〇〇です。

〇年〇月〇日に締結した媒介契約は、〇年〇月〇日の期間満了をもって更新しません。

契約終了後、レインズ、ポータルサイト、貴社Webサイト等に掲載している広告の削除をお願いいたします。

空室のためお預けしている鍵・資料がある場合は、返却方法をご連絡ください。

費用請求がある場合は、契約上の根拠と内訳を書面またはメールでご提示ください。

よろしくお願いいたします。

期間途中で解除する場合の例文

件名:媒介契約解除のご連絡

〇〇不動産 〇〇様

お世話になっております。〇〇です。

本日付で、〇年〇月〇日に締結した媒介契約を解除します。

つきましては、レインズ、ポータルサイト、貴社Webサイト等に掲載している広告の削除をお願いいたします。

空室のためお預けしている鍵・資料がある場合は、返却方法をご連絡ください。

解除に関する費用請求がある場合は、契約上の根拠と内訳を書面またはメールでご提示ください。

よろしくお願いいたします。

※不動産会社の義務違反を理由に解除する場合は、「レインズ登録証明書を受け取っていない」「〇月〇日以降、媒介報告がない」など、確認できる事実を1〜3点だけ追記してください。感情的な議論にせず、記録を残すことが目的です。

伝えるべきこと・伝えなくていいこと

伝えるべきことは、契約をいつ終了させるか、広告をいつ削除してほしいか、鍵や資料をどう返してほしいかです。

一方で、次にどこの会社へ依頼するのか、どのように売却を進めるのかまで説明する必要はありません。

売主都合で更新しない場合は、「更新しない方針です」で十分です。ただし、不動産会社の義務違反を理由に費用請求へ反論する可能性があるなら、解除理由となる事実だけは書面に残してください。

引き止め策の手口と断り方

解除や更新しない意思を伝えると、あっさり受け入れられることも多いです。しかし、強く引き止められることもあります。手口と断り方を知っておけば、惑わされずに判断できます。

【 このセクションのポイント 】

「検討中のお客さまがいる」と言われても、購入申込書、希望価格、条件、回答期限が確認できなければ、更新判断の根拠にはしないでください。

断り方は、基本的に「予定どおり更新しない方針です」で十分です。

実はあっさり受け入れられることが多い

意外かもしれませんが、解除を申し出ると、あっさり受け入れられることが多いです。

不動産会社も、売れない物件を抱え続けるのは負担です。広告費も人件費もかかります。売主さまとの関係が悪化している状態で無理に続けても、いい結果にはなりません。

「解除したい」と伝えると、「わかりました。では、期間満了をもって終了としましょう」と言われることがほとんどです。

しかし抵抗されることもある【 引き止め策5選と断り方 】

一方で、引き止められることもあります。以下の5つの手口と、それぞれの断り方を知っておいてください。

①「検討中のお客様がいる!」

更新を申し出た途端に「検討中のお客様がいる」と言い出すのは、引き止めの常套句です。

はっきり言います。ゆめ部長の20年超の経験では、このタイミングで出てくる「検討中のお客様」は98%ウソです。本当に検討中の買主さまがいるなら、更新の話が出る前に購入申込書の話が出ているはずだからです。

実際に検討している買主さまがいたとしても、購入申込書、購入希望価格、条件、回答期限が確認できない段階では、更新を判断する材料にはなりません。

【 断り方 】

「では、購入申込書と条件を見せてもらえますか? 書面で確認できないなら、予定どおり更新しない方針です。」

②「検討に時間がかかるお客様がいる」

もう少し巧妙な手口もあります。「住宅ローン審査中だけど、自営業だから時間がかかる」「来月、旦那さんが海外出張から戻ってくる予定」「まもなく販売開始の新築マンションと比較検討している」。具体的で、なんとなく本当にいそうな気がしてしまいます。でも、それが狙いです。「もう少し待てば決まるかも」と思わせて更新させる——引き止めのための口実である可能性があります。

【 断り方 】

「そうでしたか。ただ、3カ月間お任せして結果が出なかったので、予定どおり更新しない方針です。そのお客様が本当にいらっしゃるなら、新しい仲介会社経由でご連絡いただければ対応します。」

③「もうすぐ購入申込が入りそう!」

②が「検討中だが時間がかかる」と待たせる手口なのに対し、③は「もうすぐ決まる!」と急かす手口です。「購入申込が入りそう」「今週中に返事をもらえる見込み」など、具体的な期限を匂わせてきます。しかし、3カ月間ほとんど動きがなかったのに、更新直前になって急に話が進むのは不自然です。

【 断り方 】

「ありがとうございます。ただ、申込書がない段階では判断できません。予定どおり更新しない方針です。」

④「大規模な広告を打つところだった」

「これから大規模な広告を打つ予定だった」「新しい販売戦略を考えていた」と言われることもあります。3カ月間サボっていたのに、更新時期になると急にやる気があるフリを見せるのです。

こんな場面を何度も見てきました。3カ月間ほとんど努力しなかったから動きがなかった。それなのに、更新時期が近づくと急に「広告を強化します」「オープンハウスをやりましょう」と言い出す。でも、魅力をアピールできない会社が大規模広告を打っても、大した効果はありません。本当にやる気があるなら、最初からやっているはずです。

【 断り方 】

「ありがとうございます。ただ、最初の3カ月でそれをやっていただきたかったです。残念ですが、予定どおり更新しない方針です。」

⑤「仲介手数料を40%OFFにする」

最後の手段として、仲介手数料の値引きを提案されることもあります。「仲介手数料を40%OFFにしますから、もう少し任せてください」と言われると、お得に感じるかもしれません。

でも、そこじゃないんです。信頼関係が崩れて、もう信用できないから更新しないのです。仲介手数料が安くなっても、売れなければ意味がありません。むしろ、大手の場合は仲介手数料を値引きすると、経費を回収するために囲い込みリスクが高まる可能性すらあります。

【 断り方 】

「ありがとうございます。ただ、仲介手数料の問題ではなく、信頼関係の問題なので、予定どおり更新しない方針です。」

断り切れない売主もいるが、結局売れないことが多い

ゆめ部長は、引き止めに負けてしまった売主さまを何人も見てきました。

「もうちょっとで決まる!」と言われて更新したものの、次の3カ月も売れない。結局、半年以上経ってから他社に変更し、そこでようやく売れた…というケースは珍しくありません。

いつも思うのですが、「責任とってよ!」と言いたくなりませんか??

引き止めを断るのは心苦しいかもしれません。でも、3カ月間きちんと動いてくれなかった会社に、さらに3カ月任せる義理はありません。売却期間が長引けば、住み替え・資金計画・気持ちの負担、すべてがずれていきます。

次の会社選びで同じ失敗を繰り返したくない——そんな売主さまへ → 【かんたん診断】ぴったりの売却プランはどれ?|真っ直ぐ不動産の3つのプランを比較

契約終了後に確認すること

媒介契約が終了したら、次の3点を必ず確認してください。

  1. レインズから削除されたか確認する — 更新しなかったのにレインズに掲載されたままだと、他社が「この物件は別の会社が担当している」と勘違いしてしまいます。媒介契約が終了し、レインズから物件情報を削除してもらったら、「削除証明書」を受け取って保管してください。
  2. ポータルサイト等から削除されたか確認する — SUUMOなどのポータルサイトや不動産会社のWebサイトに掲載されたままだと、集客用に便利に使われてしまうことがあります。Googleで物件名や住所を検索して、広告が残っていないかチェックしましょう。
  3. 空室の場合は鍵の返却と同時に室内を確認する — 鍵を返却してもらうとき、室内の状態もチェックしておきましょう。大きなキズ、気になる汚れ(内覧時についたもの)、設備の故障がないか確認してください。

仮に汚れていても、請求するのは難しいかもしれません。でも、汚れていたということは、その程度のサポートしかしていなかったということ。「解除して正解だった」と納得できるはずです。

媒介契約書、媒介報告、解除通知、費用請求に関するメールは、すぐに削除せず保管してください。後から費用請求などのトラブルになった場合の材料になります。

費用請求や広告削除に応じないときの相談先

不動産会社が解除自体に納得しなくても、解除の意思表示をしたことまで消えるわけではありません。

ただし、費用請求の正当性、義務違反の有無、広告削除の対応などで争いになることはあります。相談先は、問題の内容で使い分けてください。

大手不動産会社なら、お客さま相談室

担当者や店舗責任者と話が進まない場合は、本社のお客さま相談室やコンプライアンス窓口へ連絡します。会社としての対応が変わることが多いので、最も効果的です。

担当者とのやり取り、媒介契約書、希望する対応を時系列で簡潔に伝えてください。

宅建業法違反の疑いなら、免許行政庁

レインズ未登録、媒介報告義務違反、不実説明など、宅建業法や媒介契約上の義務違反が疑われる場合は、不動産会社の免許行政庁(都道府県知事または国土交通大臣)へ情報提供できます。

ただし、免許行政庁は、売主さまと不動産会社の民事上の費用トラブルを代わりに解決する窓口ではありません。違反の有無を確認し、必要に応じて監督する立場です。

所属団体・消費生活センター

不動産会社が所属する宅建協会、全日本不動産協会、不動産流通経営協会などの相談窓口を利用できる場合があります。

また、消費生活センターは消費生活全般の相談窓口です。どこへ相談すべきか迷うときは、消費者ホットライン「188」も利用できます。

費用請求や損害賠償まで争うなら、弁護士

不動産会社から高額な費用を請求された、解除の効力を争われている、損害賠償まで検討したい——このような場合は弁護士に相談してください。

媒介契約書、請求書、メールやLINE、レインズ登録証明書、媒介報告書をまとめて持参すると、状況を説明しやすくなります。

この記事は標準的な媒介契約を前提とした一般的な解説です。個別の契約条項や事情によって結論が変わるため、費用請求や訴訟の可能性がある場合は専門家に相談してください。

解除するべきか、まだ判断がつかない——そんな段階なら、先に売れない原因を診断する方法もあります。囲い込みの疑い・販売活動の不安を6項目でチェック → 不動産売却のセカンドオピニオンとは?売れない原因を6項目で診断

まとめ

この記事のポイント:
  • 媒介契約は期間中でも終了できる。3カ月の期間は解除を止める壁ではない
  • 解除の申し出だけで、仲介手数料満額の違約金が発生するわけではない
  • 売主都合の中途解除では、実費の償還が問題になる可能性がある
  • 不動産会社の義務違反があるなら、事実と記録を残し、根拠を確認する

「担当者に悪いかな…」と感じる必要はありません。売主さまの大切な資産を預かっているのに、きちんと対応しない会社の方が問題です。解除していいんです。

まずは、現在の媒介契約書で契約形態・満了日・費用条項を確認してください。そのうえで、中途解除するのか、期間満了で更新しないのかを決め、記録が残る方法で伝えましょう。

費用を請求された場合は、慌てて支払わず、請求の根拠と内訳を確認してください。

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