不動産売却チラシの「購入希望者がいます」は嘘!|騙されないための見抜き方 - 真っ直ぐ不動産|DreamBase株式会社真っ直ぐ不動産|DreamBase株式会社

不動産売却チラシの「購入希望者がいます」は嘘!|騙されないための見抜き方

ゆめ部長キャラクターが不動産売却チラシの嘘の見抜き方を解説するアイキャッチ画像。「購入希望者がいます」チラシの本当の狙いは両手仲介であること、騙されないための5つのチェックポイントを紹介する記事。

マンションや一戸建てに住んでいると、ポストに「売却物件募集!」「購入希望者がいます!」というチラシが入っていることがありませんか?

「うちのマンションが欲しい人がいるなら、売ってもいいかも…」──そう心が揺れた経験がある方も多いでしょう。

結論から言います。売却物件募集チラシに書かれた「購入希望者」は、ほとんどの場合、架空です。

▼この記事でわかること(結論)
  • 売却物件募集チラシの購入希望者は架空。不動産会社が売却物件を集めるための営業手段にすぎない
  • チラシの裏の目的は「両手仲介」で手数料を2倍にすること。売主の利益より自社の利益を優先する構造がある
  • チラシの嘘を見抜く5つのポイントを知れば、冷静に判断できる
  • すでにチラシがきっかけで売却依頼してしまった人にも対処法がある

ゆめ部長は自宅に届いたチラシを50枚以上コレクションして分析しています。大手金融グループの不動産会社に勤務していた時代には、自分自身がチラシをまいていた経験もあります。

不動産仲介20年超の宅建マイスター、ゆめ部長が、チラシの種類・裏の目的・見抜き方・騙された場合の対処法まで、業界の内側から解説します。

【お知らせ】

・本記事は2026年3月の最新情報に対応しています。
・この記事は不動産売却(売主向け)の情報を専門に扱っています。

→ 不動産会社の選び方の全体像は「マンション・家の売却はどこがいい?|不動産会社の選び方5つの基準」で詳しく解説しています。

売却物件募集チラシとは?── 種類と仕組み

自宅のポストに入る「売却物件募集チラシ」には、いくつかのパターンがあります。それぞれのチラシには異なる狙いがあり、売主の心理をうまく突いてきます。まずはチラシの種類を知ることが、騙されないための第一歩です。

【 このセクションのポイント 】

売却物件募集チラシは大きく4つのタイプに分かれます。「購入希望者がいます」系、「成約御礼」系、「マンション専属・エリア担当」系、「高級感DM・手書き手紙」系。どのタイプも目的は同じで、売却物件を集めるための営業ツールです。

「購入希望者がいます」系チラシ

最もよく見かけるタイプがこれです。具体的なアピール文を見てみましょう。

たとえば、こんなことが書かれています。

「〇〇マンション」限定で購入を検討されているお客様がいらっしゃいます!先日、タッチの差で2番手になってしまったお客さまがどうしても購入したいとおっしゃっています。売却を検討されているなら是非お声がけください。

「〇〇小学校」学区のエリア限定で至急お住まいをお探しです!特に、社宅退去・賃貸の更新期限が迫っているお客さまは急いでいらっしゃいます。内覧可能でしたらすぐにご案内できると思います。

どうでしょうか。具体的な条件が書かれていると、「うちのことかも」「本当に欲しい人がいるんだ」とつい信じてしまいそうになりませんか?

しかし、この手のチラシに書かれた購入希望者は、ほぼ架空です。なぜそう言い切れるのかは、この記事の後半で詳しく暴露します。

「成約御礼」系チラシ

「おかげさまで〇〇マンション〇〇号室、ご成約いたしました!」というチラシです。

このチラシが巧みなのは、成約実績をアピールしながら「買い逃したお客さまがいます!」と営業をかけてくる点です。大手に勤務していた時、「成約御礼は効果的だ」と聞いたことがあります。成約の事実自体は嘘ではないため信用力があり、しかも「じゃあ次は自分が売ってもらおうかな」と思わせる攻撃力があります。

ただし、「買い逃したお客さま」が本当にあなたの物件を買いたいかどうかは、まったく別の話です。

「マンション専属・エリア担当」系チラシ

「マンションエキスパート○○です!」「○○町の担当です!」と、担当者の顔写真や似顔絵入りで、定期的に投函されるチラシです。

何度も繰り返しチラシを入れることで「この人はうちのマンションに詳しいんだ」「やる気がある会社なんだな」という印象を刷り込んでいきます。

この手法が怖いのは、チラシの内容ではなく「頻度」で信頼を勝ち取ろうとしている点です。ゆめ部長のマンションでも、このパターンで売却依頼をしてしまった住人がいます。その結果どうなったかは、後ほどお話しします。

「高級感DM・手書き手紙」系

上質な紙を使った高級感のあるDMや、手書きの手紙が届くこともあります。

費用をかけて営業をかけられると、「自分の物件が評価されているのかも」と感じてしまう心理が働きます。中には住所と氏名が書かれていて「なんか気持ち悪い…」と感じる方もいるかもしれません。

これは登記事項証明書(謄本)を法務局で調べれば誰でも取得できる公開情報なので、違法性はありません。ただし、個人情報を調べてまでアプローチしてくるということは、それだけ売却物件の獲得に必死だということです。

ゆめ部長のもとに届いたチラシの中には、おそらく夏場に入れてくれたのでしょう…ウチワまでありました(笑)。

なぜチラシをまくのか?── 不動産会社の裏の目的

チラシの種類を理解したところで、次に知るべきは「なぜ不動産会社はわざわざコストをかけてチラシをまくのか?」という裏の目的です。

【 このセクションのポイント 】

不動産会社がチラシをまく本当の目的は、売却物件を集めて「両手仲介(売主・買主の両方から手数料を受け取る取引形態)」で手数料を2倍にすることです。売却物件を「未公開物件」にすれば囲い込みもしやすく、自社の利益を最大化できます。

売却物件を集めたい本当の理由(両手仲介・囲い込み)

不動産会社が「売却物件大募集!」とチラシをまく理由は、シンプルにお金です。

売却物件を預かると、その物件の買主を自社で見つけられた場合、売主・買主の両方から仲介手数料をもらえます。これが「両手仲介」です。

両手仲介・片手仲介の仕組みについて詳しく解説しています

両手仲介の手数料は「成約価格×6%+12万円」。5,000万円の物件なら約312万円です。片手仲介(売主からだけ)なら約156万円ですから、2倍の差がつきます。

しかも、ここには利益ベースで見るともっと大きな差があります。

比較項目片手仲介両手仲介
手数料約171万円約343万円
経費(中堅の場合)約50万円約50万円
利益約121万円約293万円
利益比率1倍約2.4倍

※上記は税込(消費税10%)の金額です。

大手不動産会社の場合、経費がさらに高いため利益比率は3.4倍にもなります。これが、不動産会社がチラシに費用をかけてでも売却物件を集めたい本当の理由です。

ちなみに、チラシをまくのは決して「暇な営業マンの暇つぶし」とか「上席へのがんばっているアピール」とか「売れない営業マンの罰」……ではないですよ。たぶん……。

「未公開物件」というフレーズの攻撃力

売却物件を預かった不動産会社は、その物件を「未公開物件」にすることができます。

マイホームを探しているときに「これは私だけの未公開物件ですけど、コッソリ先に教えちゃいますね!誰にも言わないでくださいよ〜」と言われたらどうですか?

このフレーズの攻撃力がスゴく高いのは想像しやすいでしょう。

──こんな営業トークの裏側に、売主にとって深刻な問題が隠れています。

「未公開物件」という言葉には、買主にとって特別感があります。しかし売主にとっては大問題です。物件が広く公開されないということは、多くの買主候補に見てもらえないということ。結果、競争が起きず、安値で売られるリスクが高まります。

これは「二重の利益相反」の典型です。売主は高く売りたいのに、仲介会社は自社で買主を見つけて両手仲介にしたい。売主の利益と仲介会社の利益が対立しているのです。

囲い込みの手口と対策について詳しく解説しています

稼ぎやすい売却物件をできるだけ多く集めるための1つの手段として、売却物件募集チラシがまかれています。

「購入希望者がいます」はなぜ嘘なのか?── 架空の仕組みを暴露

ここからがこの記事の核心です。チラシに書かれた「購入希望者がいます」がなぜ嘘だと言い切れるのか。架空の購入希望者がつくられるメカニズム、コンプライアンスから逃げる手口を業界の内側から暴露します。

【 このセクションのポイント 】

チラシの「購入希望者」は「現在」いるのではなく「未来」にいる存在です。顧客名簿の緩い希望条件を使って架空のストーリーがつくられています。そしてコンプライアンスからも巧みに逃げています。

架空の購入希望者がつくられるメカニズム

いくら大手のブランドがあっても、「売却物件大募集!」とチラシに書いただけで売却情報が集まるほど甘くはありません。そこで、チラシにリアリティを加味するために「架空の購入希望者」がつくり上げられます。

「購入希望のお客さまがいるので、あなたの不動産を売ってください!」──このストーリーを読んだ人は「自分の不動産を高く評価してくれているんだな!」と感じます。嬉しくなった人、きっといますよね?

そう、こうやってダマされていくのです。

大手は各沿線の主要な駅に店舗を置いていますから、「○○学区限定・○○マンション限定」というチラシには信用力があります。大手のブランド+自尊心をくすぐるチラシ。なかなかの威力です。

しかし冷静に考えてみてください。学区限定でも、新築一戸建てと築20年の中古戸建では価格が全然違います。マンション限定でも、間取り・方位・階数で予算が大きく異なります。もっともらしく読めてしまいますが、よく考えたら「なんかウソっぽいな」と思えてきませんか?

では、チラシに書かれた購入希望者の正体は何なのか。

チラシに書かれた購入希望者は「現在」いるのではなく「未来」にいるのです。そして、その未来の購入希望者は「安く買いたい!」と願っています。

「社宅を建築するために広い土地をお探しです」「2世帯住宅のために大きな土地を探しています」──こんなストーリーで狙っているのは、相続などで大きな一戸建てやアパートを売却するケースです。実際にはその社宅や2世帯住宅のお客さまは存在しないことが多く、本当に紹介されるのは建売住宅用地を探している不動産会社です。建売会社は土地を仕入れないと分譲できませんから、仲介担当者へのキックバックや接待が行われるケースもあります。

コンプライアンスから逃げる手口

「架空の購入希望者をチラシに載せたら、コンプライアンス違反で大問題じゃないの?」──そう思いますよね。特に大手仲介会社はコンプライアンスに引っかかるのは避けたいところです。

しかし、不動産会社は巧みにコンプライアンスから逃げています。

その手口は、顧客名簿に残っているお客さまの希望条件や、過去に本当にあった問い合わせの希望条件を「緩くして」チラシへ記載するというものです。

たとえば、過去に「〇〇マンションの3LDK・南向き・10階以上を6,000万円以内で」と問い合わせがあったとします。これをチラシにする際には「〇〇マンション限定でお探しのお客さまがいます。予算6,000万円」と、条件を大幅に緩めて記載します。

「コンプライアンスに引っかかるでしょ!」と指摘されても、「実際に過去に問い合わせがあったんだから嘘じゃないですよ!」と逃げられるわけです。

過去の問い合わせを「現在の購入希望者」であるかのように見せる。条件を緩くして多くの物件に当てはまるようにする。こうやって、法的にはギリギリ問題にならないラインで、売主の心理を操っています。

「騙されないぞ」と思っている人ほど騙される── 実例で見る被害パターン

「そんなチラシを信じるわけないでしょ!」と思っている方こそ、要注意です。オレオレ詐欺や悪質な勧誘と同じで、「自分は大丈夫」と思っている人ほど騙されやすいのかもしれません。

【 このセクションのポイント 】

大手ブランドの信用力とチラシの心理テクニックが組み合わさると、冷静な人でも判断を誤ることがあります。ゆめ部長のもとへの相談事例、電車で聞いた実話、自分のマンションでの観察から、「騙される人は意外なほど多い」という現実をお伝えします。

「チラシを見てすぐ買主が見つかると思った」── 相談事例

ゆめ部長のもとには、「売却を依頼しているけど、担当者の対応が悪くて…」「大手に依頼したのに売れないんだけど、どうしたらいいの?」という相談が寄せられます。

なぜその不動産会社に売却を依頼したのか聞いてみると、「売却物件大募集!のチラシを見て、すぐに買主が見つかると思った」という答えが意外と多いのです。

大手のブランド力は絶大です。「〇〇マンション限定で探しているお客さまがいます」と書かれたチラシが大手の封筒で届くと、信じてしまう気持ちはわかります。しかし、結果として内覧が来ない、販売が長期化する、囲い込みされている……という状況に陥ってしまうケースが後を絶ちません。

電車で耳にしたおじいちゃんの会話

ゆめ部長が電車に乗っているとき、隣にいた頑固そうなおじいちゃん達の会話が耳に入ってきました。

自宅を売ることにしたんだけどさ、毎週チラシを入れてくる会社に売らせてやろうと思ってるんだよな。だって、あそこの会社、3店舗からチラシを入れてくるんだぜ。やる気が違うだろうよ。仕方ねーから、任せてやろうと思ってさ。

大体、こんな内容でした。

「3店舗からチラシを入れてくるからやる気がある」──これ、不動産会社から見たら完璧にハマっているお客さまです。自己重要感(自分が大事にされている感覚)をうまく刺激されています。

上から目線のおじいちゃんも虜にしてしまうチラシの心理テクニック。「自分は騙されない」と思っている人ほど、自尊心をくすぐられると冷静さを失います。

ゆめ部長のマンションで起きていること

ゆめ部長のマンションは築数年で、少しずつ売りに出される部屋を見かけるようになってきました。

不動産会社は売却依頼を受けると、そのマンションの集合ポストへ販売図面を投函します。マンション内の住み替え、マンション内の買い増し(子ども夫婦が住む等)、あるいは新たな売却案件の獲得を狙えるからです。

この販売図面をよく見てみると、「売却不動産募集チラシ」を入れた担当者に売却を依頼している住人が多いのです。「マンションエキスパート○○です!」「○○町の担当です!」と顔写真・似顔絵付きでアピールしていたあのチラシの人です。ゆめ部長はチラシを保管しているので間違いありません。

結果、どうなったか。

「お客さまがいる!」という話ではなかったの? そう思うほど、販売が長期化しています。

さらに気になるのは、ゆめ部長のマンションは大手分譲なので、やはりその系列の仲介会社が販売しているケースが多いということ。

「このマンションでは当社が〇〇部屋仲介しました!」「相場はしっかり把握しています!」と不動産会社は言いますが、それ、全部両手仲介なのです。

つまり、自分たちで決めやすい金額(=安い金額)を「相場」と呼んでいるわけです。これは「利益相反②:売主 vs 仲介会社」の典型例。売主は高く売りたいのに、仲介会社は自社で買主を見つけやすい金額で売りたい。この対立構造を知っておいてください。

チラシの嘘を見抜く5つのポイント

ここまで読んで「じゃあ、どうやって見抜けばいいの?」と思った方へ。具体的な見抜き方を5つにまとめます。

【 このセクションのポイント 】

チラシの嘘を見抜くには「条件の緩さ」「成約御礼の裏」「論理的な反証」「頻度と一貫性」「営業トークと事実の区別」の5つの視点が有効です。

①「〇〇限定で探しています」は条件が緩すぎないか

チラシに書かれた購入希望者の条件をよく読んでみてください。

「〇〇線沿線で予算6,000万〜7,000万円の一戸建て」「床暖房・ディスポーザー付きの2LDK〜予算5,000万円」──こんな条件を見て、あなたの物件にピッタリ合うと思えますか?

条件が緩すぎるチラシは要注意です。前述のとおり、過去の問い合わせの条件を緩くして使い回しているだけの可能性が高いからです。「なんでもいいから、とにかく売却相談をしてちょうだい!」というメッセージが透けて見えます。

見抜き方: チラシの条件が「あなたの物件だけに当てはまる」のか「どの物件にも当てはまる」のかを冷静に判断してください。後者なら、架空と見て間違いありません。

②「成約御礼」の裏で囲い込みが起きていないか

「成約御礼」チラシは、成約の事実自体は本当です。しかし問題は、その成約がどうやって実現したかです。

もし両手仲介で成約していたなら、その不動産会社は物件を囲い込んで(他社からの問い合わせを断って)自社だけで買主を見つけた可能性があります。つまり、売主の利益を犠牲にして自社の手数料を最大化した結果の「成約実績」かもしれないのです。

成約御礼チラシを見たら、「この会社の両手仲介率はどのくらいなんだろう?」と考えてみてください。

見抜き方: 成約御礼チラシの頻度が高い会社は、両手仲介率も高い可能性があります。その成約が「売主にとって良い取引だったか」は別問題です。

③ 他社から売りに出しても買わないのか?── 論理的反証

これは最もシンプルで強力な反証です。

チラシに「〇〇マンション限定で購入希望者がいます」と書かれていたとします。もし本当にそのマンションを限定で探しているお客さまがいるなら、あなたがどの不動産会社から売りに出しても、そのお客さまは購入するはずです。

気に入っている物件であれば、どの不動産会社から販売されても買いますよね? わざわざチラシを入れた不動産会社からしか買わない理由はありません。

お客さまから「あなたからしか購入しない!」と言われるほどの信頼関係を築ける優秀な営業マンは、ほんの一握りです。だから「本当にお客さまがいたらどうしよう…」なんてムダな心配はしないでください。

見抜き方: 「この人が本当にいるなら、どの不動産会社から売りに出しても買ってくれるはず」と考えれば、チラシの嘘が見えてきます。

④ チラシの頻度・内容に一貫性があるか

同じ不動産会社から、毎週のように違う「購入希望者」が紹介されるチラシが届くなら、それは怪しいと考えるべきです。

毎週新しいお客さまが「〇〇マンション限定」で見つかるなんて、現実的ではありません。チラシの内容がコロコロ変わるのは、架空のストーリーを使い回している証拠です。

逆に、同じ条件のチラシが繰り返し届く場合も注意が必要です。本当にお客さまがいるなら、なぜいつまでも物件が見つからないのか。他のマンションや一戸建てで決まっていてもおかしくありません。

見抜き方: チラシの投函頻度と内容の変化を観察してみてください。パターンが見えてくるはずです。

⑤ 営業トークと事実を分けて冷静に判断する

チラシに書かれた内容は、すべて不動産会社にとって有利な「営業トーク」です。事実(実績・データ)と営業トーク(推測・願望)を分けて考える癖をつけましょう。

「2番手になってしまったお客さまがどうしても購入したい」──これは事実ですか? それとも不動産会社が作ったストーリーですか? 検証する方法がないものは、基本的に営業トークだと考えてください。

見抜き方: チラシの文面を「これは検証できる事実か?検証できない話か?」と分けてみてください。検証できない内容が多いチラシは、信用しないのが正解です。

なお、チラシだけでなく正しい基準で不動産会社を選びたい方は、「マンション・家の売却はどこがいい?|不動産会社の選び方5つの基準」もあわせて読んでみてください。

もしチラシがきっかけで売却依頼してしまったら?── 対処法

「もう依頼してしまった…」という方も、まだ手遅れではありません。今の状況を冷静に確認し、必要に応じて行動を起こすことが大切です。

【 このセクションのポイント 】

チラシがきっかけで売却依頼した後、内覧が少ない・販売が長期化しているなら、囲い込みの可能性を疑いましょう。レインズ登録状況の確認、セカンドオピニオンの活用が有効な対処法です。

内覧がない=囲い込みの可能性を疑う

「購入希望者がいます」と言われて売却を依頼したのに、内覧がまったく来ない。これは囲い込みの典型的なサインです。

囲い込みとは、売却を依頼された不動産会社が他社からの問い合わせを断り、自社だけで買主を見つけようとする行為です。その手口は大きく4つに分類できます。

  1. レインズ非掲載: そもそもレインズに登録しない
  2. ステータス虚偽: レインズに「契約予定」「一時紹介停止中」と虚偽登録する
  3. 問い合わせ拒否: 他社からの問い合わせに「商談中です」と断る
  4. 広告拒否: 他社にSUUMOなどでの広告掲載を認めない

チラシの「購入希望者」を信じて依頼したのに内覧が来ないなら、上記4つのどれかが行われている可能性があります。

囲い込みの具体的な手口についてはこちらで詳しく解説しています

次のステップ:

  1. ステップ1:まず内覧件数と問い合わせ件数を担当者に確認する
  2. ステップ2:回答が曖昧なら次のレインズ確認へ進む
  3. ステップ3:状況が改善しなければセカンドオピニオンを検討する

レインズ登録状況を確認する

専任媒介契約(不動産会社に売却を依頼する契約のうち、1社だけに依頼する形態)を結んだ場合、不動産会社はレインズへの登録が法律で義務付けられています。

まずは担当者に「レインズの登録証明書を見せてください」と依頼してみてください。登録証明書が提示されない、または発行日が契約日よりかなり遅い場合は、問題がある可能性があります。

レインズには売主が直接確認できる「売却依頼主用ログイン」もありますので、取引状況(公開中か、契約予定かなど)を自分の目で確認することも重要です。→ レインズを自分で確認する方法はこちら

セカンドオピニオンで客観的な診断を受ける

「囲い込みされているかもしれないけど、確証がない」「担当者に聞きにくい」──そんな方は、セカンドオピニオンを活用してみてください。

セカンドオピニオンでは、第三者の立場から以下の6つの項目を診断できます。

  1. 囲い込みリスク(レインズ登録・広告掲載・案内妨害などを確認)
  2. 販売経費・広告費(SUUMO・写真・VR・ホームステージングなどの投資状況)
  3. 売却力(担当者の仕事の質)
  4. 価格の妥当性
  5. 売却時期の適切さ
  6. 物件の需要分析

真っ直ぐ不動産の「囲い込みクイック診断+セカンドオピニオン」では、翌営業日に結果をお伝えしています。「売れない原因がわからない」という方は、まず現状を客観的に把握することから始めてみてください。

不動産売却チラシに関するよくある質問(FAQ)

チラシを無視してもいいですか?

基本的に無視してOKです。 チラシだけで不動産会社を選ぶのは危険です。正しい不動産会社の選び方については「不動産会社の選び方5つの基準」を参考にしてみてください。

本当に限定で探しているお客さまがいるケースはありますか?

ゼロではありませんが、極めて少数派です。 ゆめ部長も新人時代に本当にお客さまがいてチラシをまいていた経験がありますが、そんなマジメな営業マンは少ないのが現実です。仮に本当にいたとしても、どの不動産会社から売りに出しても購入するはずですから、チラシの会社に依頼する理由にはなりません。

まとめ

この記事のポイント:
  • 売却物件募集チラシに書かれた「購入希望者」は、ほとんどの場合架空。過去の問い合わせ条件を緩くして「現在のお客さま」に見せている
  • チラシの裏の目的は、売却物件を集めて両手仲介で手数料を2倍にすること。売主の利益と仲介会社の利益は対立している(利益相反)
  • 「騙されない」と思っている人ほど、大手のブランド力と自尊心をくすぐる心理テクニックで判断を誤る
  • チラシの嘘を見抜くには「条件の緩さ」「成約御礼の裏」「論理的反証」「頻度と一貫性」「営業トークと事実の区別」の5つのポイントが有効
  • すでに依頼してしまった場合は、レインズ確認とセカンドオピニオンで現状を把握する

納得のいく売却を成功させるためには、不動産会社の営業トークをすぐに信じたりしないで、少しだけ冷静に考える時間をつくることが大事です。この記事がその判断材料になれば嬉しいです。

次の3ステップ:

  1. ステップ1:自宅に届いたチラシの内容を「5つの見抜きポイント」で冷静にチェックする
  2. ステップ2:すでに売却依頼中なら、レインズ登録状況を担当者に確認する
  3. ステップ3:不安がある場合は、囲い込みクイック診断やセカンドオピニオンで客観的な診断を受ける

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