不動産売却のはじめの1歩|売主・家族で共有すべき成功ストーリー
不動産を売却しようと考えたとき、「まず何をすればいいの?」と戸惑っていませんか?
- 売却成功のカギは、不動産会社に相談する前の家族の話し合いです
- 家族で共有すべき5つの項目は「売却理由・時期・価格・会社選び・担当者選び」
- 希望条件には優先順位をつけないと、矛盾した要望を出して失敗します
- 基礎知識を身につけてから動くことで、悪質な不動産会社の餌食にならずに済みます
実は、20年間で数えきれないほどの売主さまをサポートしてきたゆめ部長の経験では、「うまくいく売主」と「失敗する売主」の違いは明確です。それは、不動産会社に連絡する前に、家族で「成功ストーリー」を共有しているかどうか。
スポーツ前にストレッチしないとケガをしやすいですよね? 不動産売却で「ケガ=大損!」することがないように、まずはこの記事で準備を整えましょう。
不動産仲介20年超の宅建マイスター、ゆめ部長が解説します。
※本記事は2026年3月の最新情報に対応しています。
→ 売却の全体像は「マンション・家の売却の流れと手順」で詳しく解説しています。
成功ストーリーを描くために家族で話し合う5つのこと
【 このセクションのポイント 】
売却活動を始める前に、家族・関係者で「売却理由・時期・価格・会社選び・担当者選び」の5つを話し合い、「みんなにとっての成功」を共有しましょう。ゆめ部長が20年の現場で見てきた「うまくいく売主」は、例外なくこの準備ができていました。
「不動産を売ろう!」と決意したとき、いきなり不動産会社に電話する人が多いです。でも、その前にやるべきことがあります。家族や関係者と以下の5つについて話し合い、全員が同じゴールを共有してください。
【1】売却する理由は? ─ 「誰のため」「何のため」を共有する
最初に話し合うべきは「なぜ売るのか」です。売却理由が家族全員で共有されていないと、途中で意見が割れて売却活動がストップしてしまいます。
売却理由はポジティブなものばかりではありません。
ポジティブな理由:子どもの成長に合わせた住み替え、資産の組み替え、より便利なエリアへの引っ越しなど
ネガティブな理由:離婚、住宅ローンの返済困難、介護のための実家への転居、相続した不動産の処分など
ゆめ部長が経験した話です。離婚が決まった売主さまから「早く忘れるために一刻も早く不動産を手放したい」と相談を受けたことがあります。お気持ちは痛いほどわかりました。でも、なげやりになって「金額なんていくらでもいいや…」と思ってしまうと、悪意のある不動産会社の餌食になってしまいます。実際にゆめ部長は、弱みにつけ込んで安く買い叩こうとする業者を何度も見てきました。
ネガティブな理由であっても、「この売却が終わったとき、自分はどうなっていたいか」を考えれば、成功ストーリーは描けます。前向きに「ガンバロウ!」と決めたなら、ゆめ部長が気持ちを込めて全力サポートします。だから、一緒にがんばりましょう!
売るか貸すかで迷っている方は「売るか貸すか迷ったら|判断基準をプロが解説」も参考にしてみてください。
【2】売却スタート・ゴールの時期は? ─ 3か月前行動が基本
次に決めるのは「いつまでに売りたいか」です。ゴールの時期が決まれば、逆算してスタート時期が見えてきます。
目安として、不動産の査定書に記載される金額は「おおむね3か月で成約できる価格」です。つまり、引っ越したい時期の3か月前には売却活動をスタートするのが基本になります。
不動産取引が活発な時期も知っておきましょう。
- 1位:2月・3月(新年度に合わせた異動・入学シーズン)
- 2位:9月(秋の異動シーズン)
この繁忙期に合わせて販売を開始できると、買主が見つかりやすくなります。
ここで大事なのは、「時間」と「価格」にはトレードオフの関係があるということです。早く売りたければ価格を下げる必要がありますし、高く売りたければ時間をかける覚悟が必要です。家族で「どちらを優先するか」を話し合っておきましょう。
売却期間の詳しい目安については「不動産の売却期間はどれくらい?」で解説しています。
【3】目標の売却価格は? ─ 「相場+α」を狙う
3つ目は「いくらで売りたいか」です。ここで重要なのは2つだけ。正しい査定金額を知ることと、「相場+α」で成約できる不動産会社を見つけることです。「+α」は夢物語ではありません。販売戦略・写真・広告の質が高く、囲い込みをしない透明な売却活動で購入検討者が増えれば、競争原理で相場を上回る成約は十分ありえます。
よくある間違いは、バブル時代の最高値や新築時の購入価格と比較してしまうこと。「あの頃は○○万円だったのに…」という感覚は、残念ながら現在の相場を反映していません。冷静に考えれば当たり前のことですが、金額が大きいほどこの落とし穴にハマりやすいので注意してください。
まずは相場を客観的に把握することが大切です。レインズマーケットインフォメーションや成約事例で「だいたいの感覚」を掴んでおくと、査定金額が妥当かどうかを判断しやすくなります。ただし、AI査定やネットの一括査定の数字を鵜呑みにするのは禁物です。
査定方法の詳細は本編「マンション・家の売却の流れと手順」のSTEP2で解説しています。ここでは「目標設定の考え方」を家族で共有しておいてください。
※住宅ローンの残債がある方は「住宅ローンの残債があっても売却できる?」も確認しておきましょう。
【4】不動産会社はどこにする? ─ 大手・中堅・零細の特徴
4つ目は「どの不動産会社に依頼するか」です。不動産会社はコンビニの数よりも多いと言われています。その中から信頼できる会社を選ぶために、まずは大手・中堅・零細の3つのタイプの特徴を知っておきましょう。
ゆめ部長が経験した話です。ゆめ部長は財閥系大手仲介会社、中堅仲介会社、そして自分で立ち上げた零細企業のすべてで不動産仲介の現場に立ってきました。だからこそ言えるのですが、「大手だから安心」「零細だからダメ」という単純な図式ではありません。それぞれに強みと弱みがあります。
| タイプ | 安心感 | サービス | 営業マン |
|---|---|---|---|
| 大手 | ブランドの安心感は抜群 | 保証・サポートが充実 | 大アタリは少ないけど大ハズレも少ない |
| 中堅 | エリアに根差した信頼 | 大手に準じる体制 | 地元に精通した営業が多い |
| 零細 | 会社の信用力は低い | 個人の力量次第 | 大アタリもあるけど大ハズレもある |
零細企業は会社としての信用力が弱い一方で、「この人に任せたい」と思えるような凄腕の営業マンがいることもあります。大手の看板がなくても、実力と情熱で勝負している会社は確実に存在します。
ゆめ部長も歳をとったからかな?? 可愛げがあったり、元気いっぱいの営業マンなんかもいいような気がします(笑)
不動産会社選びの具体的な方法は、「不動産会社の選び方5つの基準」で解説しています。ここでは「大手・中堅・零細にはそれぞれ特徴がある」ということを家族で共有しておきましょう。
【5】担当者は誰にする? ─ 販売力は4つのPointで見極める
5つ目は「誰に担当してもらうか」です。実は、不動産会社選びと同じくらい、担当者選びは重要です。同じ会社でも担当者次第で売却の結果は大きく変わります。担当者を選ばないなんて、もったいなさすぎます!
販売力を見極めるための4つのPointを、優先順位の高い順に紹介します。
Point.1 やる気
最も大事なのは「やる気」です。不動産営業マンは歩合給の割合が大きい仕事です。やる気のない営業マンは広告費も使ってくれませんし、積極的に動いてくれません。初回の対応で「この人は本気で売ってくれそうか」を感じ取ってください。
Point.2 実績
やる気があっても実績がなければ不安です。「このエリアで直近1年間にどれくらい成約しましたか?」と聞いてみましょう。具体的な数字を出せる営業マンは信頼できます。
Point.3 資格・営業歴
宅地建物取引士の資格は最低限として、営業歴が長いほど経験値は高い傾向にあります。ただし、資格や歴が長くてもやる気がなければ意味がないので、優先順位は3番目です。
Point.4 相性
最後は「人として合うかどうか」です。売却活動は3か月以上かかることもあります。「この人とは話しやすい」「信頼できそう」という感覚を大切にしてください。
※すでに他社で売却活動中の方向けのサポートもあります。詳しくは記事末尾のご案内をご覧ください。
希望条件に優先順位をつけよう ─ 全部は叶わない
【 このセクションのポイント 】
価格・スピード・安心・手数料…全部を叶えるのは不可能です。優先順位を付けないまま不動産会社に相談すると、矛盾した要望を出してしまい、良い関係が築けません。まず「絶対に譲れない条件」を1つ決めることから始めましょう。
5つの話し合いが終わったら、次は希望条件に優先順位をつけましょう。「高く」「早く」「安心して」「手数料も安く」…気持ちはわかりますが、全部を同時に叶えることはできません。
優先順位がないとこうなる ─ 実際にあった4つの矛盾した要望
ゆめ部長が経験した話です。実際にこんな要望を受けたことがあります。
矛盾①:「仲介手数料を安くして」×「大手に頼みたい」
大手仲介会社は手数料を値引きしないのが基本です。手数料を安くしたいなら、大手以外の選択肢を検討する必要があります。
矛盾②:「とにかく早く売りたい」×「相場より高く売りたい」
早く売るなら相場かそれ以下の価格設定が必要です。高く売りたいなら時間がかかることを覚悟しなければなりません。
矛盾③:「自分の都合に合わせてほしい」×「すぐに売りたい」
内覧の日程を厳しく制限すると、買主候補が内覧できずに検討を諦めてしまいます。早期売却と自分のペース、どちらを優先するかを決めておく必要があります。
矛盾④:「近所に知られたくない」×「高く売りたい」
秘密にするために広告を制限すると、買主候補の数が減り、価格競争が起きにくくなります。秘密と高値は両立しにくいのです。
こうした矛盾を抱えたまま売却活動に入ると、方針がブレて途中でうまくいかなくなるケースがほとんどです。
高額な取引になると、なぜか当たり前のことがわからなくなる人が多くなります。だからこそ、冷静なうちに優先順位を決めておくことが大切です。
優先順位の付け方 ─ まず「絶対に譲れない条件」を1つ決める
優先順位の付け方はシンプルです。以下の7つの要素から「絶対に譲れない条件」を1つだけ選んでください。
- 価格 ─ できるだけ高く売りたい
- スピード ─ できるだけ早く売りたい
- 安心 ─ 信頼できるプロに任せたい
- 快適 ─ 手間をかけずにスムーズに売りたい
- 納得 ─ 売却の経緯を全て把握・理解したい
- 秘密 ─ 近所や職場に知られたくない
- 手数料 ─ 仲介手数料を節約したい
「絶対に譲れない条件」が決まったら、残りの6つを「できれば叶えたい順」に並べます。これだけで、不動産会社への相談がスムーズになり、担当者も最適な提案をしやすくなります。
たとえば「価格」が1位なら、時間がかかることを許容する覚悟が必要です。「スピード」が1位なら、多少の値引きを受け入れる準備をしておきましょう。
家族全員の1位が違う場合は、話し合いでどれを優先するか決めてください。この話し合いが売却活動の「ブレない軸」になります。
売却の基礎知識を身につけよう ─ はじめの1歩の次は?
【 このセクションのポイント 】
不動産取引の仕組み(両手仲介・片手仲介)・囲い込み・仲介手数料の3点を押さえれば、不動産会社の提案を自分で評価できるようになります。知らないまま相談に行くのと、知ってから行くのでは結果が大きく変わります。
5つの話し合いと優先順位が決まったら、いよいよ不動産会社への相談…の前に、もう1つだけやっておくべきことがあります。売却の基礎知識を身につけることです。
最低限知っておくべき3つのこと
不動産売却でトラブルに遭わないために、以下の3つは必ず押さえておきましょう。
① 不動産取引の仕組み(両手仲介・片手仲介)
不動産取引には「両手仲介(売主・買主の両方から手数料を受け取る取引形態)」と「片手仲介(どちらか一方のみ)」があります。この違いを知っているかどうかで、不動産会社の提案の裏側が見えるようになります。
② 囲い込みとは何か
ゆめ部長が大手仲介会社に勤めていた頃の話です。営業マンが売却物件をお預かりすると、情報共有のために朝礼で発表することになっていました。そのとき、よく使われていた言葉があります。「他社からの問い合わせがあったら『1番手あり』でお願いします。今週は店舗内の案内もなしでお願いします」——他社だけではありません。営業マンが社内の営業マンに対してまで囲い込みをしていたのです。
囲い込みをされると、売主にとっては買主候補が減り、結果的に「干す→値下げ→業者買取」という最悪のシナリオに追い込まれるリスクがあります。これは二重の利益相反(①売主 vs 買主、②売主 vs 仲介会社)の典型例です。囲い込みの手口や対策について詳しく知りたい方は、「囲い込みとは?完全解説」も読んでみてください。
③ 仲介手数料の構造
仲介手数料は「売買価格×3%+6万円+消費税」が法定上限です。定価ではないので、交渉の余地があります。仲介手数料の詳しい仕組みは「仲介手数料ガイド」で解説しています。
ゆめ部長のWebページ「真っ直ぐ不動産」では、不動産業界の裏側や問題点を包み隠さず解説しています。ぜひ他の記事も読んで、基礎知識を身につけてから不動産会社に相談してみてください。
さぁ、はじめの1歩を踏み出そう!
ここまで読んだあなたは、もう「何から始めればいいかわからない」とは言わないはずです。ストレッチは完了しました。準備万端の状態で、次のSTEPに進みましょう。
次は本編「マンション・家の売却の流れと手順」で全体像を確認しましょう。
不動産売却のはじめの1歩に関するよくある質問(FAQ)
家族での話し合い+基礎知識の勉強で1〜2週間が目安です。焦って相談に行くよりも、準備してから行った方が良い担当者を見極められます。相場感を掴み、何を優先するかが決まっていれば、不動産会社の提案が妥当かどうかを自分で判断できるようになります。
まず「売却する理由」と「優先順位」について、それぞれが個別に書き出してみてください。重なるポイントから合意形成するとスムーズです。それでもまとまらない場合は、第三者であるプロの意見を聞くのも有効です。
調べておいた方が良いです。レインズマーケットインフォメーションで成約事例を見るのが基本です。自分のマンションと同じ棟・同じ階数帯の事例があればベストですが、なくても近隣の類似物件で「だいたいの水準」は掴めます。AI査定やネットの一括査定は参考程度にとどめてください。
不利になるかどうかは「準備次第」です。弱みにつけ込んで安く買い叩こうとする業者は実在します。だからこそ、なげやりにならず「次の人生の資金作りをする」と心を決め、信頼できる担当者を選ぶことが最大の防御策になります。ネガティブな状況でも「この売却が終わったとき、自分はどうなっていたいか」を考えれば成功ストーリーは描けます。
共有者全員の合意が必要です。1人でも反対すると売却できません。共有名義の場合は、売却理由と優先順位について全員で話し合い、意思統一してから不動産会社に相談してください。特に離婚に伴う売却は感情的になりやすいので、早い段階でプロに間に入ってもらうのも有効です。
まとめ
- 不動産売却のはじめの1歩は、不動産会社に相談する前の「家族の話し合い」
- 話し合うべき5つの項目は「売却理由・時期・価格・会社選び・担当者選び」
- 希望条件には優先順位をつける。「絶対に譲れない条件」を1つ決めることから始める
- 基礎知識(取引の仕組み・囲い込み・仲介手数料)を身につけてから動くことで、悪質な業者を見抜ける
次の3ステップ:
- ステップ1:家族で5つの項目について話し合い、成功ストーリーを共有する
- ステップ2:希望条件に優先順位をつける(「絶対に譲れない条件」を1つ決める)
- ステップ3:本編「売却の流れと手順」を読んで全体像を把握する
「いきなり相談は不安…」という方は、まず「囲い込みクイック診断」で現状チェックから始めてみてください。他社で売却活動中の方には「セカンドオピニオン」もご用意しています。
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