仲介手数料の値引き交渉はOK?NG?嫌われるリスクと交渉できる4つの根拠

仲介手数料の値引き交渉はOK?NG?|値切るべきケースと最適なタイミング

仲介手数料の値引き交渉は、法律上禁止されていません。「3%+6万円」は上限であり、相場ではないからです。ただし、交渉の仕方やタイミングを間違えると担当者のモチベーションが下がり、売却活動に悪影響が出るリスクがあります。

▼この記事でわかること(結論)
  • 値引き交渉は違法ではない(3%+6万円は上限で相場ではない)
  • 嫌われるリスクの正体は歩合制と成功報酬制にある
  • 交渉の根拠は媒介契約書の「甲乙協議の上、定める」など4つ
  • ベストタイミングは売却なら訪問査定時、購入なら問い合わせ時
  • 一番低リスクは最初から適正価格の会社を選ぶこと

ゆめ部長は20年の不動産仲介経験の中で、値引き交渉の「成功例」と「失敗例」の両方を見てきました。うまく交渉して100万円以上節約できた売主さまもいれば、交渉の仕方を間違えて担当者との関係が悪化し、結果的に売却価格が下がってしまった売主さまもいます。

この記事は、その現場を知る不動産仲介20年超の宅建マイスター、ゆめ部長が解説します。ゆめ部長は財閥系大手仲介会社から中小の不動産会社まで複数の会社で経験を積み、現在は売却専門の「真っ直ぐ不動産」を運営しています。大手・中小の両方を知るからこそ語れる「嫌われない値引き交渉の作法」をお伝えします。

※本記事は2026年8月の最新情報に対応しています。

仲介手数料の仕組みや相場は「不動産売却の仲介手数料ガイド|仕組み・相場・損しない選び方を徹底解説」で詳しく解説しています。

仲介手数料の値引き交渉は嫌われる?

結論から言えば、値引き交渉は嫌われる可能性が高いです。不動産業界に「値切る客」という言葉があるのが何よりの証拠です。ただし、不動産会社側に落ち度があるケースもあり、一概に「交渉=悪」とは言えません。

仲介手数料を値切る客が嫌われる構造的な理由

不動産の営業マンにとって、仲介手数料は「自分の成績」に直結します。

多くの不動産会社では、営業マンの給与は「歩合制」または「インセンティブ制」です。仲介手数料が下がれば、その分だけ自分の収入も下がります。だから、値引き交渉されると「この人と仕事したくないな…」という気持ちになってしまうのです。

さらに、不動産仲介は「成功報酬制」です。どれだけ時間をかけて案内しても、どれだけ丁寧に対応しても、契約が成立しなければ報酬は0円。この構造の中で値引き交渉されると、「ただでさえリスクを取っているのに…」という不満が生まれます。

両手仲介なら値引きしても利益が出る

ここで知っておいてほしい事実があります。

不動産会社が売主さま・買主さまの両方を担当する「両手仲介(売主さま・買主さまの両方から手数料を受け取る取引形態)」では、仲介手数料は片手仲介の2倍になります。しかし、利益ベースでは約2.5倍〜約3.5倍になるのです。つまり、両手仲介になる見込みがあれば、片方の手数料を値引きしても十分な利益が出るということです。

両手仲介で利益倍率が膨らむ仕組み(試算表つき)は「両手仲介とは?会社の利益が約2.5〜3.5倍に膨らむ仕組み|片手仲介との違い」で詳しく解説しています。

この構造があるから、不動産会社は両手仲介を狙いたがります。そして、両手仲介を狙うあまり、他社からの問い合わせを断る「囲い込み(物件の隠蔽、両手仲介狙いの営業妨害)」という問題行為が起きるのです。

囲い込みの実態は「不動産の囲い込みとは?売主を裏切る仕組みの全体像|業界20年のプロが解説」で詳しく解説しています。

でも、不動産会社に落ち度があるケースも

値引き交渉が嫌われるのは事実ですが、不動産会社側に問題があるケースも存在します。

不動産会社に落ち度があるケースの例:

  • 囲い込みをされていた(他社からの問い合わせを断っていた)
  • 販売図面の質が低い(写真が暗い、情報が不足している)
  • レインズ(Real Estate Information Network System、国土交通大臣指定の不動産流通機構)への登録が遅れた、または登録していなかった
  • 広告活動をほとんどしていなかった
  • 報告がない、連絡が遅い、対応が雑だった

中でも深刻なのが囲い込みです。売主さまへ上限の手数料を請求しながら、 裏で他社からの問い合わせを断り、売却機会を奪っているからです。

【 ゆめ部長の体験 】

他社が担当している物件に問い合わせると「商談中です」と断られる。ところが、数週間後に確認すると、まだ普通に販売されている——。こんな経験を何度もしてきました。明らかに囲い込みです。こういう不動産会社に「上限の手数料を払ってください」と言われても、売主さまは納得できないでしょう。

このようなケースでは、値引き交渉をする正当な理由があると言えます。

「無銭飲食」論への反論|最初に価格を提示してた?

不動産業界では、値引き交渉する客を「無銭飲食」に例える人がいます。「サービスを受けておいて、後から値切るのは無銭飲食と同じだ」という主張です。

ゆめ部長は、この主張に半分賛成、半分反対です。

賛成する部分:確かに、散々サポートしてもらった後で「手数料を安くしろ」と言うのはフェアではありません。飲食店で食事を終えてから「高いから安くしろ」と言うのと同じです。

反対する部分:ただし、飲食店には「メニュー」があります。最初に価格を見て、納得してから注文しますよね。では、不動産会社は最初に「仲介手数料はいくらです」と明確に説明していたでしょうか?

多くの不動産会社は、媒介契約(不動産会社に売却を依頼する契約)を締結する直前まで仲介手数料の金額を明示しません。「上限が3%+6万円」という法律上の規定を、あたかも「決まった金額」のように説明する会社も多いです。

最初に価格交渉の余地を示さず、「これが決まりです」と言っておいて、後から「値引き交渉は無銭飲食だ」と言うのは、ちょっとズルいのではないでしょうか。

業界の裏話|不動産会社どうしでも仲介手数料は値切られている

ここで、業界の裏話を1つ。実は、不動産会社どうしの取引でも、仲介手数料は普通に値切られています。

ゆめ部長のような仲介会社が、新築一戸建てやリノベーションマンションなどの売買契約をまとめた場合、買主さまからは上限どおりの仲介手数料をもらえます。ところが、売主である不動産会社からもらえる仲介手数料は、次の3パターンのどれかになるのが一般的です。

  • 「3%(税込)」=消費税分と6万円の上乗せがない金額
  • 「3%(税別)」=6万円の上乗せがない金額
  • 「正規手数料」=上限どおり満額

会社によっては「2%(税込)」や、1円も支払わない「不払い」なんてケースまであります(涙)悲しいですけど、どれも上限を超えていないので違反ではありません。

プロどうしでは当然のように交渉しているのですから、売主さまが値切るのも、おかしなことではないんですよ。ただし、値切ってよいケースと控えるべきケースがあります。次の章から具体的に見ていきましょう。

仲介手数料の値引き交渉がOKなケース

値引き交渉が嫌われる可能性が高いとはいえ、交渉してもよいケースは存在します。以下の3つのケースでは、交渉の余地があります。

物件価格が高い場合

物件価格が高くなるほど、上限の仲介手数料は跳ね上がります。例えば、

  • 1億円の物件 → 仲介手数料336.6万円(税込)
  • 2億円の物件 → 仲介手数料666.6万円(税込)
  • 3億円の物件 → 仲介手数料996.6万円(税込)

両手仲介になればこの2倍。これなら3%より安くできる余地は十分にありそうですよね。

高額物件で「上限=相場」になっているカラクリは「売買の仲介手数料は高すぎる?|「上限=相場」のカラクリと適正価格の見抜き方」で詳しく解説しています。

大手にこだわらない場合

大手不動産会社は、ブランド力で集客できるため、値引き交渉に応じないことがほとんどです(詳しくはNGケースの「大手仲介会社に依頼する場合」で解説します)。

逆に言えば、「大手でなくてもいい」と考えているなら、値引き交渉の余地が広がります。

中小の不動産会社や、仲介手数料の値引きをサービスとして提供している会社であれば、最初から「上限より安い手数料」で対応してくれることがあります。

物件の流通性が高い・短期間で成約が見込める場合

以下のような物件は「売りやすい」「早く決まりそう」と判断され、不動産会社の労力が少なくて済むため、値引きに応じやすい傾向があります。

  • 駅近の人気マンション
  • 築浅物件
  • 人気学区内の物件
  • 整形地で建築しやすい土地
  • 相場より安い価格で売り出す物件
  • すでに購入希望者がいる、または反響が出ている

売却活動が長引けば長引くほど、不動産会社の経費(広告費、人件費、交通費)は増えていきます。逆に、広告をそれほど打たなくても問い合わせが来る物件や、短期間で成約が見込める案件であれば、「多少手数料を下げても利益が出る」と判断される可能性が高まります。

こうした「物件力がある物件」の売主さまには、値引き交渉よりもっと合理的な選択肢があります。手数料0円を最優先したい売主さまは→「新人でも売れる物件に仲介手数料を払いますか?|0円売却プランなら無料」へ。

仲介手数料の値引き交渉がNGなケース

一方で、値引き交渉をしない方がよいケースもあります。以下の4つのケースでは、交渉を控えることをおすすめします。

大手仲介会社に依頼する場合

大手仲介会社は、仲介手数料の値引きに応じないことがほとんどです。

大手に依頼するメリットは「ブランド力」「広告量」「全国ネットワーク」などです。これらのメリットを享受しながら「手数料は安くしてほしい」というのは、虫がよすぎます。

大手のサービスを受けたいなら、上限の手数料を支払う覚悟をしてください。手数料を節約したいなら、大手以外の選択肢を検討してください。

大手以外で手数料を抑える選択肢は「不動産売却で仲介手数料を安くする3つの方法|値引サービス6種類の落とし穴」で詳しく解説しています。

売買の条件が厳しい場合

以下のような条件では、値引き交渉は控えるべきです。

  • 物件価格が低価格帯の物件
  • 売却期限が短い
  • 極端に高い価格で売りたい
  • 取引が複雑で時間がかかる物件

低価格帯の物件は、上限の仲介手数料を受け取っても不動産会社の利益はわずかです。ここから値引きすると、利益はほとんど残りません。利益が出ない案件に、不動産会社が本気で取り組むことは期待できません。

難易度が高い物件の場合

以下のような物件は「難易度が高い」ため、不動産会社の労力がかかります。値引き交渉は控えるべきです。

  • 再建築不可物件
  • 借地権付き物件
  • 旧耐震の自主管理マンション
  • 私道持分のない物件
  • 境界が確定していない土地
  • 心理的瑕疵(事故物件など)がある物件

難易度が高い物件は、調査に時間がかかり、買主さまへの説明も難しく、トラブルリスクも高くなります。このような物件を担当してくれる不動産会社には、正当な報酬を支払うべきです。

長く付き合い、手間暇かけてもらった場合

売却活動が長期間にわたり、担当者に何度も対応してもらった場合、値引き交渉は控えるべきです。

  • 何度も内覧に立ち会ってもらった
  • 価格交渉を何度もしてもらった
  • 買主さまが見つからず、何度も作戦を練り直した
  • 契約が破談になり、また一から始めた

このような場合、担当者はすでに多くの時間と労力を費やしています。最後になって「手数料を安くしてほしい」と言うのは、信頼関係を壊す行為です。

仲介手数料を値引き交渉できる4つの根拠

値引き交渉がOKなケースに該当する場合、法的な根拠を知っておくと交渉がスムーズになります。以下の4つの根拠を押さえておきましょう。

媒介契約書に「甲乙協議の上、定める」と書いてある

不動産会社に売却を依頼する際に締結する「媒介契約書」には、仲介手数料について以下のように記載されています。

報酬の額は、国土交通省告示に定める限度額の範囲内で、甲乙協議の上、定めます。

「甲乙協議の上」とは、売主さま(甲)と不動産会社(乙)が話し合って決めるという意味です。つまり、最初から「交渉すること」が前提になっているのです。

「法律で決まっているから値引きできません」という説明は、正確ではありません。

媒介契約の種類や仕組みは「媒介契約とは?3種類の違いと締結の流れ|売却のプロが解説」で詳しく解説しています。

宅建業法・国土交通省ガイドライン(上限であって相場ではない)

宅地建物取引業法第46条には、仲介手数料について以下のように定められています。

宅建業者は、国土交通大臣が定める報酬額を超えて報酬を受けてはならない。

また、国土交通省のガイドライン「宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方」には、以下のように書かれています。

報酬は限度額を定めているものである。受ける報酬額はこの限度額以下でなければならない。

つまり、「3%+6万円」は「上限」であって「相場」ではないのです。上限を超えなければ、いくらでもOKということになります。

最高裁判例(昭和43年)|取引額・難度・労力で変わるべき

最高裁判所の判例(昭和43年8月20日)では、仲介手数料について以下のような判断が示されています。この判例は、仲介業者が依頼者に対して上限額の報酬を請求した訴訟で出されたものです。

報酬として当事者間で授受される金額は、その場合における取引額、媒介の難度、期間、労力、その他諸般の事情が斟酌されて定められる性質のものと言うべき

この判例は、「上限金額を当然のように請求できるわけではなく、取引の内容によって報酬は変わるべき」という考え方を示しています。

簡単な取引なら手数料は安くてよいし、難しい取引なら手数料は高くてよい。あたり前のことですが、この考え方が最高裁判所によって認められているのです。

独占禁止法の考え方|上限内で競争できる

上限が決まっていることで「全社が横並びの料率になりやすい」ため、過去に仲介手数料の上限設定が独占禁止法との関係で議論されたことがあります。

結論として、独占禁止法違反ではないとされています。理由は、「上限の範囲内で自由に競争できる」からです。

つまり、不動産会社は「3%+6万円」の範囲内で、自由に価格競争ができます。1%でも、2%でも、無料でも、違法ではありません。

この考え方からすれば、お客さまが値引き交渉をするのも当然のことです。

専任媒介なら仲介手数料は安くなる?|3種類の媒介契約で差はない

ここで、売主さまからよく質問される論点を1つ。「専任媒介で任せたら、仲介手数料は安くなりますか?」という疑問です。

不動産の売買を不動産会社に依頼する契約を「媒介契約」と呼びます。媒介契約には「一般媒介」「専任媒介」「専属専任媒介」の3種類があります。購入の場合はほぼ「一般媒介」になりますが、売却の場合は売主さまの希望条件により、3種類すべてが使われています。

そして結論。3種類のどれを選んでも、支払う仲介手数料の金額に差はありません。「専任媒介だと手数料が高くなる」「一般媒介なら安くなる」という決まりはないのです。

ただし、交渉の材料にはなります。「専属専任か専任で任せるから、仲介手数料を値引きしてほしい!」と主張する売主さまは、ゆめ部長の大手勤務時代にもいました。専任媒介・専属専任媒介は、不動産会社から見れば「他社に契約を取られない」ありがたい契約だからです。

また、売れそうな人気物件であれば、少数精鋭(3社くらいに絞る)の一般媒介にして、不動産会社どうしに競争させ、仲介手数料を値引きさせようとする売主さまからの問い合わせも、何度か受けたことがあります。

売却の場合、一般・専任・専属専任のどれでも交渉のやりようはある、ということですね。ただし、NGなケースの章で解説したとおり、物件価格が安い・大手に依頼したい・高値を狙いたい…といった場合は、契約の種類に関係なく交渉は控えてください。

仲介手数料の交渉のやり方|タイミング・NG例・法的リスク

ここからは、値引き交渉の具体的なやり方を解説します。タイミング、言い方、やってはいけないことなど、実践的な内容をお伝えします。

タイミングは「購入」と「売却」で違う

仲介手数料を値引き交渉するベストタイミングは、「購入」と「売却」で異なります。

【 購入の場合 】


購入の場合、媒介契約は「売買契約時」に締結することが多いです。つまり、購入申込をしてから売買契約までの間に、手数料の金額が決まります。

値引き交渉のタイミングは「購入申込時」がリミットです。売買契約直前に交渉しても、すでに媒介契約書が準備されているため、対応してもらえない可能性が高いです。

ゆめ部長がおすすめするタイミングは「問い合わせ時」です。最初の段階で「手数料は交渉できますか?」と確認しておけば、後から揉めることがありません。最後の最後に交渉して「散々サポートしたのに値切りやがって!」と思われてしまうと、契約後のサポートに大きな不安が残りますからね。

【 売却の場合 】


売却の場合、媒介契約は「売却活動を開始する前」に締結します。つまり、査定を受けて、不動産会社を選ぶ段階で手数料の金額が決まります。

値引き交渉のタイミングは「訪問査定時」がベストです。媒介契約を締結する前であれば、交渉の余地があります。媒介契約を締結した後に「やっぱり安くしてほしい」と言っても、応じてもらえる可能性は低いです。

交渉の言い方|そのまま使える例文

言い方のコツはシンプルで、「任せたい気持ち」とセットで伝えることです。手数料を下げてほしいだけの要求は嫌われますが、「あなたに決めたいから相談したい」という交渉なら、担当者も前向きに検討できます。

売却で使える例文(訪問査定時):

「他社さんとも比較していますが、御社の提案が一番良いと感じています。仲介手数料を相談できるなら、この場でお任せを決めたいと思っています」

「専任媒介でお任せするつもりです。そのぶん、仲介手数料は相談できませんか?」

購入で使える例文(問い合わせ時):

「良い物件なら購入を前向きに考えています。仲介手数料は交渉できますか?」

どの例文も、攻撃的な言葉を使わず、担当者側のメリット(契約が決まる・専任で任せてもらえる)とセットになっているのがポイント。断られても関係が壊れにくい聞き方です。

交渉を断られたときの選択肢

丁寧に交渉しても、断られることは普通にあります。特に大手仲介会社は、ほぼ断ってきます。ここで食い下がると、ただの「値切る客」になって関係が悪化するだけ。断られたら、いったん引いてください。

そのうえで、選択肢は2つです。1つ目は、提示された手数料に納得して任せること。サービスの内容に価値を感じるなら、上限の手数料を払う判断もアリです。2つ目は、最初から手数料が安い・無料の会社を選び直すこと。交渉で下げるのではなく、料金体系そのものが安い会社を選べば、断られるストレスも関係悪化のリスクもありません。

値引サービスを提供している会社の種類と落とし穴は「不動産売却で仲介手数料を安くする3つの方法|値引サービス6種類の落とし穴」で詳しく解説しています。

やってはいけない交渉の仕方

ここで、絶対にやってはいけない交渉の仕方を具体的に説明します。

攻撃的な交渉


「大した仕事やってないのに、この手数料は高すぎるんじゃない?」

担当者がどれだけの仕事をしているか、お客さまには見えていない部分があります。物件調査、広告作成、問い合わせ対応、内覧の調整、価格交渉…。これらの仕事を否定されると、担当者は「この人のために頑張りたくない」と思ってしまいます。

上から目線の交渉


「手数料安くしてくれるなら、あなたに任せてやるよ」

不動産会社もお客さまを選ぶ権利があります。「任せてやる」という態度は、対等なビジネス関係を壊します。

契約直前の値引き要求|法的責任を問われるリスクも


「手数料を半額にしてくれないなら契約しないよ」

散々サポートしてもらった最後で値引きを切り出すと、信頼関係が一気に崩れます。担当者にとっては「ここまで尽くしてきたのに最後に裏切られた」と感じる瞬間です。

しかも、これは単なるマナーの問題ではありません。契約直前の値引き要求は、法的責任を問われる可能性があります。

具体的には、以下の2つの法的論点があります。

① 民法130条「条件成就の妨害」

仲介手数料は「売買契約の成立」を条件として発生する成功報酬です。買主さまが最後の最後で値引きを要求して契約を妨害すれば、不動産会社は「条件が成就したとみなして満額請求できる」と主張する余地が生まれます。

② 契約締結上の過失

契約成立が確実視されるところまで交渉が進んだ後、信義則に反して一方的に破棄した場合、相手方に損害賠償責任を負うという法理です。判例でも認められています。不動産取引では、内覧や案内、ローン審査の手配など、契約成立を前提に費やされた費用や労力が損害として認められる可能性があります。

ゆめ部長は高すぎる仲介手数料を適正化するべきだと考えています。本記事の前半で解説したとおり、特に都心の高額物件では「上限=相場」になっている現状そのものに問題があります。だから、上限から下げる方向で適正化を目指すべきだというのがゆめ部長の立場です。

ただし、契約直前の値引き要求は別問題。手数料の存在を最初から知っていながら、内覧・ローン相談・条件交渉までさせておいて、契約直前に「半額にしないと契約しない」と切り出すのは、優越的地位の濫用です。手数料の適正化を訴える立場だからこそ、「早期の交渉」と「契約直前のごね得」は明確に区別したいのです。

【 ゆめ部長の体験|購入申込書を破られた瞬間 】

ある買主さまが、購入申込の直前に「手数料を半額にしてくれないと買わない」と言い出しました。同じ物件を3度も見に行き、他の物件を毎週末2ヶ月にわたって案内してもらい、難しいローンの事前審査も通した後の発言です。担当の営業マンは、怒りで顔を真っ赤にしながら、購入申込書を目の前で破り、「お帰りください」と言い放ちました。やり過ぎだと思いますけど、気持ちはわかりますね…

人が相手だということを忘れずに。不動産会社も、お客さまに気持ちよく仕事をしたいと思っています。

値引き交渉すると手抜きされるリスクはある?

ゼロではありません。担当者のモチベーションが下がり、サポートの質が落ちるリスクがあります。だからこそ、本記事では「最初から適正価格の会社を選ぶ」ことをおすすめしています。

値引き交渉は売却期間に影響する?

影響する可能性があります。担当者のモチベーション低下で広告の優先度が下がり、結果的に売却期間が延びるケースがあります。

媒介契約を結んだ後でも値引き交渉できる?

不動産会社に落ち度がなければ交渉は難しいです。媒介契約書に記載された手数料額は合意事項であり、契約後の交渉に応じる義務はありません。ただし、囲い込み・報告義務違反など明らかな落ち度がある場合は、解除や減額の余地があります。交渉するなら、原則として媒介契約の締結前に行ってください。

値引き交渉に失敗した事例は?

最も多い失敗パターンは「契約直前の値引き要求」です。詳しい事例と法的論点は本文の「契約直前の値引き要求|法的責任を問われるリスクも」で解説しています。

交渉より、最初から適正価格の会社を選ぶ

ここまで読んで、「値引き交渉って難しそう…」と感じた方もいるかもしれません。

最もリスクが低い方法は、最初から適正価格の会社を選ぶことです。値引き交渉には以下のリスクがあります。

  • 担当者のモチベーションが下がる
  • 関係が悪化し、売却活動に悪影響が出る
  • 交渉のタイミングや言い方を間違えると失敗する

最初から仲介手数料が適正な会社を選べば、これらのリスクを避けられます。交渉する必要がないからです。

その代表が、真っ直ぐ不動産の「0円売却プラン」です。仲介手数料が最初から完全無料なので、そもそも値引き交渉が要りません。

値引き交渉が不要になる「0円売却プラン」

仕組みはシンプルです。真っ直ぐ不動産が買主さまを自力で探し出し、買主さまから仲介手数料を受け取るため、売主さまから受け取らなくても仕事として成立する、というものです。レインズには登録せず、SUUMOとat homeに特化して買主さまを探します。囲い込みを前提としたビジネスモデルですが、その仕組みを事前にすべて説明し、納得の上で媒介契約に進みます。

手数料0円を最優先したい売主さまは→「新人でも売れる物件に仲介手数料を払いますか?|0円売却プランなら無料」へ。

ゆめ部長自身も、このプランで自宅マンションを売却しました。実際の成約事例はこちらです。

「囲い込みには抵抗がある」「物件を広く公開して高値を狙いたい」という売主さまには、オープン売却プランと真っ直ぐ売却プランもあります。どちらも仲介手数料は成約価格×3.3%+6.6万円(税込)、上限330万円(税込)で、価格が高い物件ほどお得になる設計です。

囲い込みは絶対に避けたい売主さまは→「「囲い込みしません」を信じられますか?|囲い込みできないオープン売却プラン」へ。

手残り最大化を重視する売主さまは→「売り方で、結果が変わる|不動産売却のプロに全部任せる真っ直ぐ売却プラン」へ。

どのプランが合うか迷ったら、「【かんたん診断】ぴったりの売却プランはどれ?|真っ直ぐ不動産の3つのプランを比較」で確認できます。

まとめ|値引き交渉より適正価格の会社を選ぶ

この記事のポイント:
  • 値引き交渉は違法ではないが、嫌われるリスクがある
  • 交渉できる根拠は媒介契約書・判例など4つ
  • 3種類の媒介契約で仲介手数料に差はない
  • ベストタイミングは売却=訪問査定時・購入=問い合わせ時
  • 一番低リスクは最初から適正価格の会社を選ぶこと

仲介手数料を安くする方法は、値引き交渉だけではありません。最初から適正価格でサービスを提供している会社を見つける方が、関係悪化のリスクなく安心です。

仲介手数料を安く抑える方法の全体像は「不動産売却で仲介手数料を安くする3つの方法|値引サービス6種類の落とし穴」で詳しく解説しています。

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